KIT航空宇宙ニュース2020WK45

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2020WK45

海外のニュース

1.Embraer社が新ターボプロップ機のコンセプトデザインを発表

ブラジルのEmbraer社が、同社のEジェットと同じ胴体を持ち、T字型尾翼を採用した双発のターボプロップ機のConcept design(70~90 人乗り)を公開した。500-700nm(930-1300km)の距離、または1.5-2時間以上の飛行時間では、比類のない経済性を発揮し、現在の 50 席のリージョナルジェット機では不経済な路線も実現できると語った。競合他社のATRとデハビランド・カナダもターボプロップを製造しているが、これらの会社の航空機は数十年前の設計に基づいている。(Flightglobal News)

(Flightglobal News提供)

 

2.NASAが月面の日の当たる場所で「水分子を検出」と発表

南極や北極の日の当たらない場所では水の存在が既に有力視されており、「水が月面全体に存在する可能性がある」という。大気のない月面で水が維持される仕組みの解明などが課題となったとしている。研究グループがNASAとドイツ航空宇宙センター(DLR)の成層圏赤外線天文台「ソフィア」による2018年の試験観測結果を分析したところ、月の南半球の日が当たる場所にある「クラビウスクレーター」から水分子を検出した。濃度は100~412ppm(1ppmは100万分の1)と極めて微量。隕石などの衝突でできるガラスの中や、土壌の粒子の隙間に閉じ込められた状態にあるとみられるという。(NASA)

(NASA提供)

 

 

日本のニュース

1.ZIPAIR、787のETOPS取得でハワイや西海岸就航可能に

日本航空の100%子会社で中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア)は10月26日、洋上を長時間肥厚する際に必要な航空当局の承認「ETOPS(イートップス)」を国土交通省航空局(JCAB)から取得したと正式発表。25日開始の冬ダイヤからETOPS運航が可能になった。ETOPSは、エンジンが1基停止しても洋上飛行が一定時間可能になる承認で、ZIPAIRは米GE製エンジンGEnx-1B70を2基搭載するボーイング787-8型機に対する承認を5日に取得。エンジン単発でも最大180分(3時間)飛行できるようになった。冬ダイヤ期間に計画しているホノルル就航や、今後の目標とする米国本土乗り入れに向けて前進。(Aviation Aire News)

(Zip Air提供)

 

2.ANA、紙の時刻表廃止 21年2月からオンラインに

全日本空輸は10月26日、紙の時刻表を廃止し、同社のウェブサイトやアプリから利用できるオンラインの時刻表へ移行すると発表。冊子版は、12月1日から2021年1月31日までの運航スケジュールを掲載する11月上旬発行の時刻表が最後になり、2月上旬からオンライン版へ移行する。現在の冊子版は2カ月に1回、年間6回発行。2019年度は編集費や印刷代、各地の旅行代理店などへ発送する運送費用などで総額1億5000万円かかっていた。ANAによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大前からオンライン版への切り替えを準備していたという。(Aviation Wire News)

(ANA提供)

 

3.各務原市の宇宙博で学ぶ「はやぶさ2」

⒓月に帰還予定の小惑星探査機「はやぶさ2」のこれまでの成果などを伝える企画展「おかえり!はやぶさ2」が現在、岐阜県各務原市の「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」(愛称・空宙博)で開催されていて、会場ではパネルや模型などが多数展示されています。

2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウに着陸し、土や石といったサンプル採取を行いました。リュウグウには地球の生命に欠かせない水や有機物があると考えられており、そのサンプルを詳しく調べることで何か新しい発見につながるのでは、と期待されています。(Yahoo News)

(毎日新聞提供)