KIT航空宇宙ニュース2020WK46

KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1.インドがPSLVロケットで10基の人工衛星を軌道に投入

インド宇宙研究機関(ISRO)は、11月7日、サティシュ・ダワン宇宙センターで「PSLV」ロケットの打ち上げを行い、人工衛星10基を軌道に投入することに成功。今回の打ち上げは2019年末に予定していたが、新型コロナウイルスの世界的流行により延期されていた。そのため、この打ち上げがインドにとって2020年最初の打ち上げ。

10基の人工衛星の内、1基がインド宇宙研究機関により開発された地球観測衛星でインドが開発した地球観測衛星「EOS-1」。この衛星は合成開口レーダーを搭載。観測は全天候型かつ一日中行うことが可能で農業や森林管理、災害対策支援などに用いられる。なお、インド宇宙研究機関は更に、通信衛星の打ち上げを12月に予定している。(Space News)

(注) PSLVはインドが開発した4段式極軌道衛星打上げ用ロケット

(PSLVロケット:ISRO提供)

 

日本のニュース

1.長崎に三菱重工の航空機エンジン部品工場完成

三菱重工子会社の三菱重工航空エンジン(本社愛知県小牧市)の長崎工場として、船舶用プロペラ工場跡地に5970平方メートルの航空機エンジン用部品の工場を建設。投資額は約80億円。三菱が愛知県以外に航空エンジン事業の拠点を置くのは初めて。工場拡張用地も既に隣接地に確保している。欧州の航空機大手エアバスの小型機「A320neo」に搭載する「PW1100G-JM」の燃焼器とそのケースの製造ラインを小牧本社工場から移管。【長崎新聞】

(yahoo News提供)

 

2.鈴与、新航空事業に本腰 ビジネスジェットで出張需要を開拓

鈴与グループ会社のフジビジネスジェット(本社牧之原市)が、ビジネスジェット機による新たな航空事業(チャーター)に本腰を入れる。企業向けに定期的なチャーター運航を行い、一般社員の出張の足に利用してもらう。鉄道などで移動するのに比べ所要時間を大幅に減らせる利点を訴求。既に長野県の企業から受注。受注増に備え、来春までに機材をもう1機(ファルコン2000)を追加購入予定。現在セスナサイテーションCJ2を2機、ファルコン2000を1機保有。

【中部経済新聞】

(フジビジネスジェットHP)

 

3.ドローンとアバターで離島の遠隔診療の実証実験実施

五島スマートアイランド実証推進調査協議会(代表:長崎県五島市)とANAは、同市の福江島から約5キロ離れた嵯峨島(さがのしま)へ医薬品をドローンで運ぶ実証実験を実施。嵯峨島の診療所を訪れた患者を福江島の医師がオンラインで診察し、処方した薬をドローンで嵯峨島まで運ぶもの。離島地域などの住民の生活を支える新しい地域医療体制の構築を目指す。ANAホールディングス傘下のアバターインが開発した遠隔コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」を使い、福江島の三井楽診療所の医師によるオンライン診療を受け、医師が処方した薬は、福江島貝津港からANAHDが運航を手掛けるドローンで運び、嵯峨島在住の看護師が患者に手渡す計画。(Aviation Wire)

(ANAHD提供)