KIT航空宇宙ニュース2021WK05

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2021WK05

海外のニュース

1. 737MAX、欧州でも再開承認

フランスやドイツなど欧州31カ国が加盟するEASA(欧州航空安全局)は現地時間1月27日、2度の墜落事故を起こしたボーイング737 MAXの運航再開を承認した。英国のCAA(民間航空局)も同日付で許可しており、737 MAXは欧州内で飛行を再開できるようになった。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:737MAXを大量発注している英国格安航空会社RYANAIR】

 

2.ドイツe-VTOLメーカーのLiliumがフェロビアルと提携してフロリダに「垂直離着陸用飛行場」を建設

e-VTOL機を使った電気エアタクシー会社を計画しているLilium(リリウム)は、スペインのインフラ会社Ferrovial(フェロビアル)と提携して、米国南部のフロリダ州全体に「戦略的な場所」と呼ばれる場所に少なくとも10の垂直離着陸飛行場「Vertiport」建設を計画。【Flightglobal News】

【Flightglobal 提供】

 

3.海南航空など中国の大手航空会社を傘下に持つ海航集団が経営破綻

海南航空など中国の複数の航空会社を傘下に収める海航集団は1月29日経営破綻した。海航集団は航空会社をはじめ、空港や航空関連の地上サービス企業、ロジスティクス、ホテル、観光などを傘下に納めている。グループ企業の主要航空会社は大新華航空と海南航空、さらに長安航空、北京首都航空、福州航空、GXエアラインズ(北部湾航空)、雲南祥鵬航空、金鵬航空、天津航空、ウルムチエア、桂林航空、西部航空などがある。この他、香港航空、アズール・ブラジル航空、トルコの貨物航空会社のマイカーゴなどの株式も保有。

海南航空は、海航集団の再編について、運航に影響を与えることはないと説明。引き続き、安全を重視した運航体制で、乗客には影響を与えないとコメント。なお、海航集団の債券処理が進むことで傘下の航空会社の再編、あるいは投資先の航空会社の株式売却などが想定される。【Flyteam News】

【Flyteam提供】

 

4.グリーン航空を目指す3つのプロジェクトに英国政府は、業界と併せて8460万ポンド提供

①GKN Aerospace主導のプロジェクト H2GEAR は、地域の空の旅のための革新的な液体水素推進システム(航空機を前進させるコンポーネント)を開発するために2,720万ポンドを受け取り、より大きな航空機や長距離飛行を目指す。

②ZeroAviaの HyFlyerIIは、19人乗りの航空機でのデモンストレーション用にゼロエミッションエンジンをスケールアップするために1,230万ポンドを獲得。

③Blue Bear Systems Researchが主導するInceptionは、同じ都市内でも短距離を移動する小型航空機に使用できる完全に電化された航空機用のゼロエミッション推進システムを開発するために280万ポンドを受領。【The Engineer News】

【The Engineer News提供】

 

 

日本のニュース

1.JAL綿由来の国産バイオ燃料フライト2月に787で実施

日本航空は1月28日、衣料品の綿から製造した国産バイオジェット燃料を、国内線定期便の運航に使用すると発表。第1回目は2月4日の羽田発福岡行きJL319便で、ボーイング787-8型機の使用を予定している。今回の国産燃料は、全国から不要になった衣料品約25万着を2018年10月から2019年1月にかけて回収。Green Earth Institute、日本環境設計、公益財団法人・地球環境産業技術研究機構をはじめ、国内企業複数社の協力を得て、衣料品の綿からバイオジェット燃料を2019年1月から2020年3月にかけて製造した。バイオジェット燃料の国際規格「ASTM D7566 Annex 5」の適合検査には、2020年3月下旬に合格。同年6月中旬に既存のジェット燃料との混合を終え、一般のジェット燃料として、商業運航での利用が可能になった。【Aviation Wire News】

【JAL HP資料より抜粋】

2.ZIPAIR初のオンライン機体見学2月にライブ中継CAが案内

日本航空の100%子会社で中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア)は1月26日、オンラインでの機体見学ツアーを2月6日に初開催すると発表。成田国際空港会社(NAA)グループのグリーンポート・エージェンシー(GPA)との共催で、当日は90分間のライブ中継を予定する。オンラインツアーは客室乗務員が案内。シートやギャレー(厨房施設)などの機内と、エンジンや各種センサーなどの外観を紹介する。滑走路付近や制限エリアを移動しながらのライブ中継も予定している。また、ZIPAIRのスタッフが視聴者からの質問に答えるコーナーも設ける。当日のライブ配信は午前11時30分から午後1時までを予定し、終了後は2週間程度をめどにアーカイブ視聴もできる。トラブルにより配信が延期となった場合は、2月13日の配信を予定。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】

3.ホンダジェットがロシアで型式証明取得

本田技研工業の航空機事業子会社ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は1月26日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」のロシアでの型式証明を、FATA(ロシア民間航空局)から取得したと発表。ロシアでの型式証明取得は、米国、欧州、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、パナマ、インド、日本、カナダ、トルコ、中国、パキスタンに続いて13番目。また、今月からロシア初の機体の運用を開始した。【Aviation Wire News】

【モーターマガジン提供】