KIT航空宇宙ニュース2021K07

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2021WK07
海外のニュース
1.UAEの探査機「ホープ」が火星到着、2117年の火星都市建設に向けた第一歩
2020年7月に三菱重工業のH-IIAロケットに搭載され、種子島宇宙センターから打ち上げられたアラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「ホープ」が、火星周回軌道への投入に成功した。火星周回軌道への到達に成功したのは、米国、ソビエト連邦(ロシア)、欧州、インドに次いで4番目で、中東・アラブ諸国では初の偉業となる。さらに月探査や、2117年までに火星に都市を建設する計画も進める。
直接火星へ向かう軌道に投入されたホープは、途中軌道を微調整しつつ火星に接近、2021年2月10日0時30分ごろ、あらかじめ送られた指令に従い、火星を回る軌道に入るためのスラスター噴射を開始。噴射は約27分間続いたのち、正常に停止。その後、探査機からの信号などを確認した結果、計画どおり火星の周回軌道に乗っていることが確認された。【マイナビニュース】

【UAE Space Agency提供:火星周回軌道上の「ホープ」想像図】

2.Solvay社がVertical Aerospace社と提携し、エア・タクシーVA-1Xを開発
VA-1X電気垂直離着陸(eVTOL)航空機は、150mphの巡航速度で100マイルを4人の乗客と1人のパイロットを乗せて運ぶことが可能。ソルベイ社は自社の複合材と接着専門技術をバーティカル・エアロスペース社へ提供し、両社は協力して、2021年9月にテスト飛行が予定されているプロトタイプの開発を目指している。
ソルベイ社の先端材料はeVTOL機の大量採用を可能にする重要な要素であり、VA-1Xの認証は2024年に予定されており、その直後に商用サービスが開始されるだろうと、ソルベイ複合材料グローバル・ビジネスユニットの社長であるCarmelo LoFaroは述べている。【Aerospace News】

【Aerospace News提供】

日本のニュース
1.コロナ用ワクチンANAの787で成田到着
成田空港に2月12日午前、ブリュッセルから米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンが到着。ブリュッセルから成田までは全日本空輸の旅客機による貨物専用便を使用した。ワクチンを運んだのは、ANAのブリュッセル発成田行きNH9648便で、ボーイング787-9型機を使用。旅客を乗せない貨物専用便として運航した。NH9648便はブリュッセルを現地時間11日午後2時58分に出発し、成田には日本時間12日午前10時25分に到着した。ANAでは、国際線旅客便が大量に運休していることから、日本と海外を結ぶ旅客機を活用した貨物専用便を運航している。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】

2.月を目指す日本人宇宙飛行士の募集に向けJAXAが18日にYouTubeでイベント開催 募集条件の緩和も
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は月などで活動する日本人宇宙飛行士の募集に先立ち、2月18日にオンラインイベントを開催。募集は21年秋頃を予定。イベントは「宇宙探査時代の新たな宇宙飛行士候補者選抜への挑戦」と題し、JAXAの若田光一宇宙飛行士らが、これからの宇宙飛行士に求められる資質や選抜方法、訓練などについてディスカッションを行う。配信は18日の午後6時45分から。YouTubeのJAXAイベントライブ配信専用チャンネルを使用。JAXAは宇宙飛行士候補を21年秋以降、5年に1回をめどに定期的に募集する計画。また、JAXAは宇宙飛行士候補者募集条件の見直しを検討。これまで自然科学系の大学、大学院を卒業した人に限定していたが、分野を問わず短大、高専、専門学校卒以上とする他、3年以上の実務経験も分野を問わない。選抜過程もオープンにする方針で、今回のイベントもその一環。(https://iss.jaxa.jp/topics/2021/01/210120_public.html#event)【JAXA】

【JAXA提供】