KIT航空宇宙ニュース2021WK08

KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1. 米ユナイテッド航空機エンジン故障で引返し-デンバー郊外に破片落下

米ユナイテッド航空が運航するボーイング777-200型機が20日、ホノルルに向けてコロラド州のデンバー国際空港を離陸後、エンジン(PW4077)故障により同空港に緊急に引き返した。郊外の住宅地などには複数の機体の破片が落下したがけが人の報告はない。(下記URL動画参照)

連邦航空局(FAA)の声明によれば、乗客231人・乗員10人が乗ったユナイテッド航空328便は右側のエンジンが故障した後、同空港に無事に戻った。FAAと運輸安全委員会(NTSB)が調査。【Bloomberg News】

この事故を受けて日本の航空局(JCAB)は、JAL/ANAに対し、同型エンジンを装着している777-200機(ANA19機、JAL13機)の全運航を直ちに停止するよう要求。

【CNN提供】

 

2Pipistrel Aircraft が新たな水素燃料電池とバッテリーhybrid機をLaunch

Slovenia のPipistrel Aircraft 社は、New hydrogen fuel-cell-and battery-powered 19-seat hybrid機を、今年後半にLaunch予定。計画している機体のConceptは今のところ3つで、いずれの形態も複合材の主翼と胴体構造となっている。Power train として、約2MWの搭載パワーを持ち、殆どの離陸において燃料電池の電力で十分な性能を有しているが、短距離飛行性能を高めるためにバッテリーを搭載し、800mの滑走路からの離陸を可能とし、最大離陸重量は約8,500-9,000kg(18,700-19,800 ポンド)と設定している。2028年に初飛行、2030年か2031年にEntry Into Service の予定であるが、追加の研究開発助成金を受けられれば、それを早めることも可能とし、市場規模は1500機程度、年産数十機を見込んでいる。

【Flightglobal】

【Flightglobal提供】

 

3.CO2削減にはLong-Haul機の排出量削減が重要

Eurocontrol のデータによると、欧州の空港を出発するLong-haul(4,000km を超す)air servicesは、わずか6%に過ぎないのも関わらず2020 年の全運航便のCO2 排出量は51.9%を占めている。一方で500km未満のShort-haul serviceは、30.6%であるが、CO2 排出量は4.3 %と低い状況にある。Short-haul-serviceは「早期の電化のための優れた候補」であるが、このデータによると、Short-haul-serviceからのCO2 排出量を100%削減しても、全体に与える影響は小さく、Long-haul servicesのニーズのわずか1/10に対するSustainable aviation fuelの供給量を増やすことで、Short-haul-servicesのCO2 排出量削減することより以上の効果が得られるとみられる。【Flightglobal】

【Eurocontrol提供】

 

4.NASA火星探査車、着陸に成功 生命体の痕跡調査へ

米航空宇宙局(NASA)は18日、探査車「パーサヴィアランス(忍耐)」の火星着陸に成功。パーサヴィアランス(日本語では“忍耐”という意味)は米東部時間午後3時55分、火星の赤道付近にあるジェゼロと呼ばれる深いクレーターの中に無事降り立った。NASAが火星に探査車を着陸させたのは、2012年の「キュリオシティ」に次いでこれが2度目。

重さ約1トンのパーサヴィアランスは6つの車輪で移動、これから約2年以上にわたって火星を走り回り、過去にいたかもしれない生命の痕跡を探すほか、ヘリコプターの飛行や、将来のミッションで火星の岩石を地球に持ち帰るための準備など、火星の過去と未来を股にかけた、数々の史上初のミッションに挑む。幅約45キロメートルのジェゼロ・クレーターは、数十億年前に巨大な湖があった場所とされ水があれば、生命が存在した可能性はある。【BBC News】

【CNN提供:パーサヴィアランスが送ってきた最初の火星表面の画像】

 

日本のニュース

1.大阪と室蘭の学生が開発した超小型人工衛星載せたロケット打ち上げ

大阪府立大(堺市)と室蘭工業大(北海道室蘭市)の学生が共同開発した超小型人工衛星「ひろがり」を載せた民間ロケットが21日未明、米航空宇宙局(NASA)の米国東部バージニア州のワロップス飛行施設から打ち上げに成功。衛星は、縦横10センチ、高さ20センチで、重さは約2・4キロ。新型コロナウイルスの感染拡大による大学閉鎖などを乗り越えて、2020年10月に完成。宇宙空間では、「ミウラ折り」という方法で折りたたまれた厚さ2ミリの板(12センチ四方)を広げる実証実験や、地球上との高効率の無線通信などのミッションを担う。【毎日新聞】

【毎日新聞提供:超小型衛星「ひろがり」】

 

2.スカイマークが3月9日より全便運航を再開

スカイマークは、これまでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い需要が減退し減便していたが、回復傾向がみられることから、3月の減便率が2.6%となり、前月と比べて大幅に改善する。減便が発生するのは8日までで、9日以降は31日まで全便を運航する計画。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】