KIT航空宇宙ニュース2021WK11

KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1. ボーイング2月、受注前年比4倍強82機 エアバス上回る

ボーイングの2月の引き渡しは22機(前年同月17機)で、受注は82機で、18機だった前年同月を4倍以上上回った。引き渡しでは納入を再開した737 MAXが多くを占めた一方、787型機は不具合が見つかったことで納入ゼロが続いている。一方、競合のエアバスは2月に32機(前年同月55機)を引き渡し、11機(前年同月ゼロ)受注したが、一方で2月は92機分のキャンセルが発生した。737は、19機中18機が737 MAXで、サウスウエスト航空の5機や、ユナイテッド航空の3機が目立った。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】

 

2.ヴィデロー航空とロールスロイスは、テクナムの設計に基づいた全電気航空機を開発

ノルウェーの地域航空会社であるWideroe航空は、Rolls-Royceおよび航空会社のTecnamと提携して、今後5年以内に全電気式旅客機を開発。航空機は通勤用航空輸送市場に適しており、2026年に就航を目指す。Wideroe社は以前、Heart Aerospaceからの19席モデルの提案など、地域の電気航空機プロジェクトに関心を示していた。ノルウェー当局は、2030年までに国内の航空航法サービスと民間航空局は電動航空機の国内運用を求め、2040年までに完全な国内の空の電化を目指し、電気航空機プログラムの推進に積極的に取り組んでいる。Rolls-Royceは、Wideroeとの提携は、持続可能な航空に関する航空会社との以前の研究を拡大するが、P-Voltと呼ばれる全電気プログラムでTecnamとすでに提携していると述べている。P-Voltは、Tecnam P2012 Travellerをベースにした双発の高翼航空機で、9人の乗客を運ぶことができ、貨物運搬、救急医療対応の役割も果たす。【Flightglobal News】

【Rolls-Royce 提供;P-Volt】

 

3.米GE、航空機リース事業を3兆円規模で売却

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは7日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が航空機リース事業(GECAS)をアイルランドのリース大手 AirCap に売却する方針だと報じた。売却額は300億ドル(約3兆2000億円)規模になる見通し。新型コロナウイルス危機で航空機市場が低迷する中、リース事業を縮小して経営の安定を図る。GEは航空機エンジンの製造を主力事業とし、金融子会社のGEキャピタルを通じて航空機リース事業を手掛けている。旅客機や貨物機合わせて1600機以上を保有する世界大手で、2020年12月末の関連資産の総額は約350 億ドルだった。GEは18年に就任したラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)の下で事業リストラと財務体質の改善を進めている。金融事業を縮小し、航空機エンジンや再生可能エネルギーなどの事業部門に注力する。【ロイター通信】

 

4.Honewell社がハイブリッド電動航空機用1メガワット級発電機を開発

Honeywell 社は、ハイブリッド電気航空機用の1メガワット級発電機(重量;280lbs)の開発を進めており、2021年第3Q に、最初のデモを行う予定である。この発電機は、A350XWB 機に搭載されているAPUと組み合わせて、航空用バイオ燃料(含む、Honeywell Green Jet Fuel)にて使用でき、高出力電気モータまたは 二次電池の充電用として、heavy-lift 貨物用ドローン や エアータクシー、地域航空機の運用に役立つものと考えられる。【Avitraider】

【Honeywell提供;1メガワット級発電機が取り付けられたAPU】

 

日本のニュース

1.JAL、露大学と連携協定 学術・文化的交流目指す

日本航空は3月12日、ロシア極東のウラジオストク市にある極東連邦大学(FEFU)と産学連携協定を締結したと発表した。日露間の学術・文化的交流の発展を目指す。両者は今後、学生向け講座やJALオフィスでの就業体験、協働による文化交流イベントの開催などで連携する。現時点では、JALの社員を講師とした航空業界や顧客サービスなどの講座や、現地のJAL支店などでの就業体験プログラムを予定している。JALは2020年2月28日に、成田-ウラジオストク線を開設。日本の航空会社が「日本から一番近い欧州」とも呼ばれるウラジオストクへ定期便を就航させるのは初となった。現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により運休が続いている。【Aviation Wire News】

 

2.JAL、羽田の全ステップ車を抗ウイルスコーティング

日本航空グループでグラハン業務を担うJALグランドサービス(JGS)は、羽田空港で使うすべてのステップ車に抗ウイルス・抗菌コーティング作業を実施した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不安がある中、乗客に安心して利用してもらうため、手すりなどにコーティング剤を噴霧したもの。ステップ車は、PBB(搭乗橋)がない駐機場で乗客が乗り降りする際に使う車両。JALは羽田空港のチェックインカウンターを抗ウイルス・抗菌剤「エコキメラ SRW-30」を使って昨年9月にコーティングしており、今回も同じものをステップ車の手すりなど、乗客が触れる部分にJGSのスタッフが散布した。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire 提供】

 

3.ホンダジェット滑走路逸脱

13日午後5時25分ごろ、岡山市南区の岡南飛行場で、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」が着陸後に滑走路を逸脱し、南側の着陸帯で停止した。乗っていた40代と50代の男性にけがはなかった。飛行場は滑走路を閉鎖中で、解除のめどは立っていない。国土交通省は「重大インシデント」に認定し、運輸安全委員会が航空事故調査官3人を指名した。【共同通信】

【富山新聞提供】

 

4.小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセルを相模原市立博物館で初公開

2020年12月に小惑星「リュウグウ」から採取したサンプルを地上まで届けた小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセルの公開が3月12日より相模原市立博物館にて始まった。今回公開されたのは、大気圏再突入時の空力加熱によって生じる高熱からサンプルを守る役割を持つ「前面ヒートシールド」ならびに「背面ヒートシールド」と、カプセルの頭脳としてさまざまな制御を担う「搭載電子機器部」、サンプルコンテナを内包する本体部分ともいえる「インスツルメントモジュール」、そして着陸の際に使用された「パラシュート」の5つだ。【マイナビニュース】

【マイナビニュース 提供;はやぶさ2再突入カプセルとヒートシールド】