KIT航空宇宙ニュース2021WK34

新規航空会社「トキエア」が客室乗務員募集開始
お知らせ

KIT航空宇宙ニュース2021WK34
海外のニュース
1. エンブラエルのターボプロップ機案、胴体後方エンジンで静粛性売りに
「より速く、より安く、より広いパーソナルスペースを実現するだけでなく、エンジンを後方に搭載することで客室の騒音を低減し、ジェット機のような体験を提供する」。エンブラエル民間航空機部門のアルジャン・マイヤー社長兼CEO(最高経営責任者)によれば、同社が検討している次世代ターボプロップ機は、マクドネル・ダグラスDC-9型機のようにエンジンが胴体後部に2基ある。DC-9はジェット機だったが、今回エンブラエルが示した機体はターボプロップ機で、エンジン配置を工夫することで客室の静粛性を高める狙いがある。エンジンメーカーは明らかにしていないが、GEアビエーションがターボプロップ・エンジンの開発を進めており、プラット・アンド・ホイットニー・カナダとの競争になる可能性がある。50-70席クラスのリージョナル機でターボプロップ機の新造機を導入するとなると、エアバスと伊アレニア・アエルマッキが設立したATRが製造するATR42-600(30-50席)かATR72-600(44-78席)に限られる。日本でも天草エアライン(AHX/MZ)を皮切りに、日本航空系の日本エアコミューターと北海道エアシステムが導入している。【Aviation Wire News】

【Yahooニュース提供:エンブラエル社が発表した新型ターボプロップ機のイラスト】

2. インドの主力ロケット「GSLV」が打ち上げ失敗、第3段エンジンに点火できず
インド宇宙研究機関(ISRO)は8月12日、地球観測衛星を載せた「GSLV」ロケットの打ち上げに失敗した。ロケットの第3段エンジンに点火できず、制御不能に陥った。技術的な不具合が原因だという。GSLVはインドの主力ロケットのひとつであり、今後の同国の宇宙計画にとって痛手となった。ブースターや第1、2段の飛行は正常だったものの、第3段エンジン「CE-7.5」の燃焼開始のタイミングで何らかの不具合が起き、制御不能に陥った。ロケットはその後、搭載していた地球観測衛星「EOS-03」とともに、インド洋の東側のアンダマン海上に落下。打ち上げは失敗に終わった。その後、ISROの発表によると、技術的な不具合により第3段エンジンに点火できなかったことが原因としている。GSLVは、ISROが開発した中型ロケットで、インドの主力ロケットのひとつとして活躍している。全長約50m、直径2.8mで、地球低軌道に約5t、静止トランスファー軌道に約2.5tの打ち上げ能力をもつ。GSLVという名前は「Geosynchronous Satellite Launch Vehicle」の頭文字から取られている。【マイナビニュース】

【マイナビニュース手協:打上げ前のインド国産ロケットGSLV10号機】

3.ジェットスターA320エンジン火災の原因は整備中に落としたドライバーの先端ビット
ジェットスターA320エンジンに整備中に落としたドライバーの先端ビットが残っていたため、離陸直前に右側のエンジンから火災が起き、離陸が中止された。ATSB(オーストラリア輸送安全局)の報告によると、整備用ドライバーの先端ビットがエンジンに残り、その後100回以上飛行していたことが明らかになった。ジェットスターの安全責任者であるマイク・チャップマンは、この事象を「非常に珍しい事象」と呼び、航空会社は、再発しないように工具チェックに関する安全アップデートをエンジニアリングチームに指示したと述べた。「ATSBは、エンジン整備後にツールビットがエンジンに残っていたと結論付け、エンジンが稼働しているときに、高圧コンプレッサーに入り、多数のローターブレードとステーターベーンにへこみと傷を残した」とATSBの輸送安全局長は述べている。「これらのへこみと刻み目のうち少なくとも2つが疲労亀裂を引き起こし、それは航空機のその後の運航中に発生し、事故飛行の離陸ロール中にブレードが破損する原因となった。」と述べている。【Flightglobal News】

【Flightglobal提供:発見されたドライバー先端ビットとエンジン内部の破損状況】

日本のニュース
1. トキエアが客室乗務員を募集(未経験も可)
新潟空港を拠点に就航を目指す低コスト地域航空会社「TOKI AIR(トキエア)」は、客室乗務員候補者の募集を8月17日から始めた。経験者に加えて未経験でも応募でき、9月29日まで受け付けている。募集は一般客室乗務員と先任客室乗務員で、採用人数は経験者と未経験者ともに若干名。経験者と未経験者ともに入社から1年間は契約社員、入社後6カ月間は試用期間となる。入社時期は先任客室乗務員が2022年2月以降、一般客室乗務員が同年3月以降のいずれも会社が指定した時期となる。応募資格は、経験者は客室乗務員として保安要員の訓練を受け、乗務経験がある人。未経験者は、専門学校や高専、短大、4年制大学、大学院を卒業・修了または見込みの人で、2022年3月卒業予定でも可能。またアルバイトを含めて就業経験1年以上の人も応募できる。また、健康状態や居住地、英語力などの条件がある。募集締切日時は9月29日午後6時で、必要書類のPDFをメールで送付する。選考は書類の一次、ウェブ面接の二次、最終面接。勤務地は新潟空港や会社が指定する場所となる。【Aviation Wire News】

【Yahooニュース提供】