KIT航空宇宙ニュース2022WK01

2022年ANA初日の出フライトからの写真
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2022WK01

新年明けましておめでとうございます。本年もKIT航空宇宙ニュースを毎週お届けしますので、よろしくお願いいたします。 交通機械 小林

海外のニュース

1.米国の規制当局は5Gをめぐって、1月5日の5G開始に当たり、フライト・キャンセルを警告

連邦航空局(FAA)が広範囲にわたるフライト・キャンセルの可能性があると警告しているにもかかわらず、米国の電気通信業界は、1月5日に「5G」ワイヤレス送信を開始する予定です。最近、米国の政府機関は、5G伝送が航空機の電波高度計に危険な干渉を与える可能性があるかどうかをめぐる論争に対して、互いに妥協し合意するよう求めている。その懸念を引用し、12月31日、米国運輸長官ピート・ブティジェッジは、AT&TとVerizonの最高経営責任者に5Gの開始を最大2週間延期するよう要請した。1月2日の回答では、これらの幹部は延期を約束しなかった。代わりに、AT&TのCEOであるジョンスタンキーとVerizonのCEOであるハンスベストバーグは、米国の空港近くで5Gの「信号レベル」を6か月間削減することを提案し、この対策はフランスで安全であることが証明されている述べた。AT&TとVerizonは、米国では3700〜3980 MHzの範囲(Cバンド)に入る5G伝送は、航空機にとって安全であると主張している。信号強度を下げるという通信会社の申し出がFAAの懸念を和らげるかどうかは不明である。【Flightglobal News】

【Flightglobal News提供】

2. 2021年の民間航空機の航空機事故による死者数は、昨年の半分強

2021 年の民間機の航空機事故件数は、(15)件、死亡者数(134)人となり、このうち、70席以上の大型機の事故は、B737-500 型機の墜落事故による(61)人の死亡に留まり、そのほかの事故は、 ターボ・プロップ機、ピストン・エンジン機、ビジネス・ジェット機によるものであった。【Flightglobal News】

日本のニュース

1. ピーチ、A321LR就航 国内初導入

ピーチ・アビエーションは12月28日、国内初導入となるエアバスA321LRを就航させた。2022年1月に就航を計画していたが、年末年始期間に悪天候が生じた際などに機材運用を柔軟にするため、27日に前倒しを発表した。運航スケジュールは28日から2022年1月11日までの予定。A321LRはA320neoの胴体を約6.9メートル伸ばしたA321neoの航続距離延長型で、LRは「Long Range(ロングレンジ)」の略。ピーチはA321LRの導入をコロナ前の2018年7月に発表した。座席数は1クラス218席で、現在運航しているA320ceo(従来型A320、1クラス180席)や、発展型で2020年10月に就航した低燃費・低騒音の新型エンジンを搭載するA320neo(1クラス188席)よりも多くの乗客を運べる。国内の航空会社でA321LRを導入するのはピーチが初めて。既存機よりもシートピッチが広くなり、充電用USB端子も備える。【Aviation Wire News】

【Yahooニュース提供:国内で初就航したピーチ・アビエーションのA321LR型機】

2.ANA、総合職の新卒採用3年ぶり再開 23年度入社

全日本空輸をはじめとするANAグループは12月27日、グローバルスタッフ職(旧総合職)の新卒採用を3年ぶりに再開すると発表した。パイロットや障がい者の採用も実施する。ANA本体など「ANAブランド」の客室乗務員は採用を見送るが、今後はキャリア採用(中途採用)も強化していくという。ANA本体が2023年度入社で新卒採用を実施するのは、グローバルスタッフ職の事務系と技術系、運航乗務職(パイロット)、障がい者採用。卒業後3年以内で、他社に入社した人も応募できる。運航乗務職については、自社養成のパイロット訓練生を採用するかは今後詰める。事務系の業務分野は、オペレーション、ビジネス・マーケティング、コーポレート、「高度専門人財」として財務・IR、IT・データ。技術系は整備と運航技術となる。【Aviation Wire News】

【Aviation Wore提供】

3.年末年始の国内線、コロナ前9割まで旅客数回復 利用率も大幅増

全日本空輸や日本航空、スカイマークなど航空10社は1月5日、年末年始の利用実績を発表した。対象期間は2021年12月25日から1月4日までの11日間。新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」の影響で、国際線は各社とも低調な状態が続く一方、国内線はコロナ前の2019年同期と比べて提供座席数ほぼ同等まで回復し、旅客数も9割近くまで戻した。10社の発表値を合計すると、旅客数は国際線が前年同期比78.9%増の6万3777人、国内線は91.2%増の314万6713人。提供座席数は国際線が21.2%増の19万8291席で、国内線は11.3%増の421万6195席となった。10社平均のロードファクター(座席利用率、L/F)は国際線が10.4ポイント上昇し32.2%、国内線は31.2ポイント上昇し74.6%だった。新型コロナ前の2019年度同期(19年12月27日から20年1月5日まで、10日間)と比較すると、旅客数は国際線が91.3%減、国内線は11.8%減。提供座席数は国際線が76.8%、国内線が1.1%それぞれ減少した。L/Fは国際線が53.7ポイント、国内線が9.1ポイントそれぞれ低下した。国内線は、ワクチン接種が進んだことにより感染拡大が落ち着きをみせたことから回復傾向にあるものの、コロナ前の水準をやや下回る結果となった。【Aviation Wire News】