KIT航空宇宙ニュース2022WK22

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2022WK22

海外のニュース

1.ボーイングの「スターライナー」宇宙船、無人飛行試験に成功

米航空宇宙メーカーのボーイングは2022年5月26日、新型有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の無人飛行試験「OFT-2」に成功した。5月20日の打ち上げ後、軌道上での運用や国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングなどを実証し、26日に地球へ帰還。計画していたすべての試験項目を達成したという。スターライナーは2019年にも無人飛行試験を行ったが、トラブルが相次ぎ事実上失敗。今回無事にリベンジを果たし、有人での飛行試験に向けたすきをつないだ。今回のミッションは「軌道飛行試験2 (OFT-2、Orbital Flight Test-2)」と呼ばれ、スターライナーにとって2度目となる無人での宇宙飛行であり、今後の有人での飛行試験や運用ミッションの行方を左右する、きわめて重要なものだった。【マイナビニュース】

【NASA提供:ISSに接近ドッキングしようとする無人スターライナー】

日本のニュース

1.RACが沖縄出身パイロット養成5期生募集 奨学金貸与

日本航空グループで沖縄の離島路線を担う琉球エアーコミューター(RAC)は6月1日、沖縄県出身の大学生などを対象にしたパイロット養成制度の第5期生の募集を始めると発表した。資格取得に必要な訓練費用などに対して奨学金を貸与する。対象は、原則として沖縄県出身者で4年制大学か大学院、沖縄工業高専を2023年3月に卒業・修了見込みの人。2023年2月以降、崇城大学に航空操縦学専攻研究生として入学し、計器飛行証明などの操縦資格を取得して同大を卒業後、RACにパイロット訓練生として入社する。入社後一定期間勤務した場合、奨学金の返済を全額免除する。応募期間は6月10日から7月8日までで、必要書類を郵送する。1次選考は7月中旬から8月初旬ごろ、2次選考は9月中旬、3次選考は9月下旬、最終選考は10月中旬を予定している。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:RACのボンバルディアQ400-8Combi型機】

2.JAC、CAの23年度採用開始 新卒は9年ぶり

日本航空グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC)は6月1日、2023年度に入社する客室乗務員(CA)の新卒と既卒採用を開始した。CAの新卒採用は2014年度以来9年ぶりで、応募締切は7月8日。採用予定数は新卒と既卒とも若干名。対象は2023年3月までに専門学校、短大、高専、4年生大学、大学院(修士課程)を卒業・修了・見込みの人で、同年4月以降に会社が指定する時期に入社できる人となる。選考は書類、適性検査、面接など。エントリーは同社ウェブサイトの採用ページから。【Aviation Wire News】

3.  空港施設、水素フォークリフト試乗会開催 3分充てん8時間稼働、環境性能アピール

空港施設(8864)は6月1日、水素で動くフォークリフトの試乗会を羽田空港で開催した。日本航空と全日本空輸のグランドハンドリング(グラハン、地上支援)やフォワーダー(利用運送事業者)のほか、国土交通省東京航空局の藤田礼子局長、羽田空港の地元・大田区の担当者らが参加し、環境性能を官民にアピールした。羽田空港東貨物地区で開催した試乗会には、豊田自動織機が製造する、水素を動力とする燃料電池フォークリフト「FUEL CELL FORKLIFT」を出展。水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り、走行用のモーターを動かす仕組みで、水素を3分間充てんすることで8時間稼働する。従来の鉛電池を動力とする電動車は、8時間動かすのに通常の充電で8時間、急速充電でも90分かかる。従来の化石燃料などを使用して製造する水素「グレー水素」を使用した場合、二酸化炭素(CO2)の排出量はガソリン車と比べ52%、電動車と比べると16%低減できる。太陽光などの再生可能エネルギーを使用して製造する水素「グリーン水素」を使用する場合、CO2排出量は「限りなくゼロ」(空港施設)に近づくという。空港施設では水素フォークリフトに、グリーン水素の導入を検討する。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:空港施設が公開した豊田自動織機社製水素燃料電池フォークリフト】

4.NEDOがドローンの運航管理システムや衝突回避技術の開発成果を発表

日刊工業新聞社が運営する、モノづくり日本会議と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月20日、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)研究成果報告会」を開催した。DRESSプロジェクトでは、有人運転のヘリコプター機や飛行機などの運行航路などと連携できる「運行管理システム」の開発や、「衝突回避技術」の開発、「無人航空機に求められる安全基準策定のための研究」などを実施。NEDOは同プロジェクトの成果の一例として、5月18日に東京大学とイームスロボティクス(埼玉県ふじみ野市)が、佐川急便の協力の下で、自律運行AI(人工知能)を搭載したドローンによる荷物を配送する実証実験を行ったと紹介した。5月18日の実証では、自律運航AIによって安全性を確保できるという成果を示したという。東京大学らは、今後も飛行実績を蓄積していく予定とのことだ。【マイナビニュース】

【NEDO提供:「自律運航AI技術」のプロジェクト概要】