KIT航空宇宙ニュース2025WK10

Boom社の超音速旅客機の実証機XB-1が音速の壁を越えた時のシュリーレン撮影法によるソニックブーム写真
お知らせ

KIT航空宇宙ニュース2025WK10
海外のニュース
1. 米企業の月着陸機「アシーナ」、月面に降り立つも姿勢に問題発生か
米宇宙企業インテュイティヴ・マシーンズは2025年3月7日(日本時間)、月着陸機「アシーナ」の月面着陸に挑んだ。しかし、月面には到達したものの、横倒しになっている可能性が高いとみられている。アシーナは、月の水の探索や小型探査車の展開などを計画していたが、その実現は不透明な状況にある。アシーナ(Athena)は、米国テキサス州に拠点を置く民間企業インテュイティヴ・マシーンズ(Intuitive Machines)の月着陸機で、同社の「ノヴァC級」と呼ばれる月着陸機の2号機にあたる。ミッション名は「IM-2」(Intuitive Machines-2)と名付けられている。ノヴァC級の1号機「オディシアス」は2024年2月15日に打ち上げられ、同月23日に月面に到達した。しかし、レーザー高度計などのトラブルが原因で正常に着陸できず、機体は横倒しになった。それでも、太陽電池による発電や通信は機能し、搭載機器もほぼ稼働するなど、不完全ながらも民間初、そして米国にとって約半世紀ぶりの月面着陸を達成した。今回の2号機アシーナは、オディシアスの教訓を踏まえて改良され、確実な着陸とミッション遂行の成功をめざしている。また、米国航空宇宙局(NASA)の観測機器や、日本を含む民間企業の着陸機、実験装置などを搭載し、月に送り届けるとともに、月に存在する可能性がある水の探査と、その活用を見据えた技術実証も目的としている。このミッションは、NASAの商業月面ペイロード・サービス(CLPS)計画の一環として実施され、また長期的な有人月探査を目指す「アルテミス」計画とも関連している。【マイナビニュース】

【Intuitive Machines提供:アシーナの想像図】

2.米企業ファイアフライの月着陸機、月面着陸に成功 – “掃除機”で月の石を採取へ
米宇宙企業ファイアフライ・エアロスペースの月着陸機「ブルー・ゴースト」が、2025年3月2日(日本時間)、月面着陸に成功した。民間企業による月面着陸は、2024年に別の企業が成し遂げたが、機体が転倒していた。正常な着陸による”完全成功”は今回が初となる。今後、月へ輸送した機器による科学観測や技術実証に臨む。ブルー・ゴースト(Blue Ghost)は、米国テキサス州に拠点を置く企業ファイアフライ・エアロスペース(Firefly Aerospace)が開発した月着陸機である。高さ2m、幅3.5m、打ち上げ時質量は約1,500kgで、小型乗用車ほどの大きさがある。月面へは最大155kgの輸送能力をもつ。電力は太陽電池でまかなう。月の夜を乗り越える「越夜」(えつや)能力は備えていない。ブルー・ゴーストは、米国航空宇宙局(NASA)による、月への物資輸送を民間に委託する計画「商業月ペイロード・サービシズ」(CLPS)に適合するように造られている。これは国際有人月探査計画「アルテミス」を、より効率よく進めることを目的としたもので、民間企業が地球と月間の物資輸送や月の資源開拓などのミッションを行い、NASAはそのサービスを購入する形となっている。ファイアフライをはじめ、複数の企業が同プログラムに参画し、独自の月着陸機による月面着陸や、月輸送ビジネスの確立を目指している。ブルー・ゴーストにとって初となる今回のミッションは、「ミッション1 」(M1)、または「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」という名前で呼ばれている。このミッションでは、地球から月への飛行、そして月面着陸などの技術を実証すること、そして前述したCLPSに基づき、NASからA受注した科学機器などのペイロードを月面へ送り届けることを目的としている。ブルー・ゴーストM1は、2025年1月15日に、スペースXの「ファルコン9」ロケットで打ち上げられた。ロケットは順調に飛行し、ブルー・ゴーストは所定の地球周回軌道へ投入された。その後、軌道変更を重ねつつ、衛星測位システムを利用した航法の試験、ヴァン・アレン帯での耐放射線コンピューターの試験、磁場の変化の測定などの科学ミッションを行い、2月13日には月のまわりを回る軌道に入った。【マイナビニュース】

【ファイヤーフライ提供:月面へ向け降下中のブルー・ゴーストが撮影した影の“自撮り”写真】

3.Safranが将来のナローボディ機向けにeTaxiシステムを成熟させる
サフラン・ランディング・システムズ(SLS)は、将来のナローボディ機向けに電動タキシングシステムの改良を続けており、これにより搭載燃料の燃焼を最大4%削減できると考えている。現在「第3世代または第4世代」であるeTaxiシステムの最新バージョンは、「航空機の顧客が私たちに求めているものに本当に応えている」とSLSの研究、技術、革新、エコデザイン担当上級副社長カイル・シュミット氏は言う。サフランは過去10年間、ハネウェルと共同でプロトタイプシステムを開発したが、2016年にプロジェクトを中止した。電動グリーンタキシングシステムと呼ばれるこのシステムは、補助動力装置で発電した電力を使用して、主脚の車輪に取り付けられた電動モーターを駆動する。サフランは、メインギアホイールに「電動タクシーアクチュエーター」を搭載した、eTaxi向けの同様のアーキテクチャを提案している。SLSによれば、各アクチュエータには、高トルク電気モーター、ギア減速ドライブ、ホイールからシステムを確実に接続および切断するためのクラッチ、冷却ファン、および「便利で簡単に取り付け/取り外し可能なモジュールでシステムを動作させる」ための関連ハードウェアが含まれている。このシステムは標準的な車輪よりまだ重いが、シュミット氏は、このシステムによってもたらされる効率性が余分な質量を補い、4%程度の燃料消費の節約につながると確信している。さらに、空港での二酸化炭素、亜酸化窒素、微粒子の排出もすべて削減される。SLSはeTaxiシステムを技術成熟度レベル(TRL)3または4にまで引き上げたが、一部の要素はTRL5程度だという。SLS チームは、さらなる改善のためにシステムに「積極的に取り組んでいる」と彼は付け加えた。【Flightglobal news】

【SLS社提供:メインギアホイールから取り外し可能なように設計されているeTaxiシステム】

4.Boom社がNASAと提携し、民間超音速飛行の象徴的な画像を撮影
NASA の専門写真には、Boom 社の超音速実証機が音速の壁を突破した際の衝撃波が写っている。Boom 社は、XB-1 実証機の超音速飛行中にソニックブームが地上に到達しなかったことを確認している。世界最速の旅客機オーバーチュアを製造しているBoom Supersonic社は、NASAと提携し、実証機XB-1の超音速飛行試験中に特殊な写真を撮影した。2025年2月10日のXB-1の2回目の超音速飛行中、地上のNASAチームはシュリーレン撮影法を使用した。これは、XB-1が超音速で空気中を進む際に生じる衝撃波を視覚化する技術。1月、XB-1は音速を超えて飛行する初の独自開発ジェット機となり、米国で製造された初の民間用超音速ジェット機となった。NASAチームは、飛行ルート上の1か所でXB-1の音響特性に関するデータも収集した。音響分析の結果、同機が超音速で飛行した際に聞こえるソニックブームは地上に届かなかったことが判明した。「この画像により、目に見えないものが可視化されました。米国初の民間用超音速ジェット機が音速の壁を突破したのです。シュリーレン画像を撮影するには、理想的な条件とタイミング、そしてパイロットの卓越した飛行が必要。ブームのチーフテストパイロット、トリスタン・「ジェペット」・ブランデンバーグは、XB-1 を正確な時間にモハーベ砂漠上の正確な位置に配置し、NASA が太陽の前を飛行する XB-1 を撮影し、マッハ 1 を超える速度で機体の周囲の空気密度の変化を記録できるようにした。XB-1 チームは、NASA が計算したウェイポイントを使用して、太陽を隠すために XB-1 が飛行しなければならない宇宙の特定の地点にパイロットを誘導する航空電子工学ソフトウェアを迅速に開発した。画像を撮影するために、NASA は超音速航空機の周囲の衝撃波などの空気の歪みを検出する特殊なフィルターを備えた地上望遠鏡を使用した。NASAとBoomの両社が XB-1 の超音速飛行の予想飛行パラメータをモデル化する際に行った作業では、ソニック ブームが大気中で屈折し、地面に到達しないマッハカットオフで動作する確率が非常に高いと推定された。この効果は、十分に高い高度で音速の壁を突破することで実現され、正確な速度は大気の状態によって異なる。ソニックブームのデータは、飛行経路に関連して限られた戦略的な場所に設置されたマイクと音圧レベル記録装置によって記録された。BoomによるXB-1の超音速飛行からのこの種のデータの評価は、ソニックブームの妨害のない超音速飛行が可能であることを示している。これは、超音速商業旅行を一般向けに提供するためにNASAが以前に実施した研究と一致している。2月10日、ブーム社は、XB-1のテスト飛行プログラムから収集したデータを活用し、超音速旅客機オーバーチュアにブームレス・クルーズ機能を導入すると発表した。ブームレス・クルーズにより、オーバーチュアは爆音を発することなくマッハ1.3の速度で飛行できるようになり、米国の東海岸から西海岸までの飛行時間を最大90分短縮できる。【Boom社ニュース】

【NASA/Boom社提供:XB-1が音速の壁を越えた時のシュリーレン撮影法によるソニックブーム写真】

【NASA/Boom社提供:ペンシルベニア州立大学マッハカットオフ飛行の音響モデル】

5.FAA、サウスウエスト航空の致命的な事故を受けてCFM56エンジンナセルの改修を命令
連邦航空局(FAA)は、旧世代のボーイング737型機のエンジンナセルに関する耐空性指令(AD)を米国の航空会社に発行する予定です。ADの発行により、2018年にボーイング737-700型機のエンジンが制御不能なエンジン故障を起こした事故や、2016年に同じ機種で同じ航空会社が起こした別の事故の再発を防ぐことができると期待されている。2018年4月の事故では、サウスウエスト航空のボーイング 737-700 がニューヨーク・ラガーディア空港 (LGA) を出発し、ダラス・ラブフィールド空港 (DAL) に向かった後、エンジン故障に見舞われました。エンジン故障の結果、ファンブレードやその他の部品がエンジンナセルから飛び出し、機体の胴体に穴が開いた。この事故で客室の窓が割れ、客室の気圧が下がり、機体から部分的に投げ出され致命傷を負った乗客が死亡した。他の乗客8人が軽傷を負い、その後、機体はフィラデルフィアに緊急着陸した。機体は大きな損傷を受け、事故後最終的に廃機となった。2016年 8月の前回の事故も、ニューオーリンズからオーランドへ飛行中のサウスウエスト航空のボーイング 737-700で発生し、離陸から12分後にエンジンが制御不能に陥りました。エンジンのファンブレードが疲労亀裂により破損した。ブレードの分離した部分がエンジン内で回転し、前方に移動してエンジン吸気口に衝突した。損傷したエンジン吸気口から飛び散った破片がその後、胴体の左側を突き破り、客室の圧力が失われ、機体の翼と尾翼が損傷した。負傷者は出ませんでしたが、機体はペンサコーラに緊急着陸せざるを得ませんでした。2025年3月3日に発行された3つのFAA ADは、737-600、737-700、737-800、737-900を含むボーイング737次世代旅客機に搭載されているCFMインターナショナルCFM56エンジンの特定のコンポーネントに関するもので、現在も米国登録の737NG機が約2,000機飛行中です。ADは、将来、制御不能なエンジン故障が発生した場合に、エンジンナセルの構造的完全性を高めるために特定の変更を行う方法について説明している。CFM56ターボファンエンジンの吸気ファンは強化された封じ込めリングに囲まれている。これらのリングは、ファンブレードなどの高エネルギーエンジン部品がエンジンや周囲のナセル ケーシング構造から飛び出し、航空機構造の他の部分に損傷を与えるのを防ぐためのものだ。FAA は、ボーイング 737NGファミリー航空機の米国拠点の運航会社に対し、同航空機の搭乗者に対する保護レベルをさらに高めるために、エンジン・カウル・ファスナー (カウルをナセルフレームに固定する) を交換し、ラジアル拘束アセンブリを修正し、相互接続インレットカウルをエンジン・ファンケースに取り付けるために使用されるクラッシュ可能なスペーサーを交換する必要があるとしている。FAAは以前、これらのスペーサーにより、インレット構造に伝わるファン ブレードの衝撃エネルギーを軽減できると述べていた。上記の対策に加えて、737NGの運航者は、一部のCFM56 エンジンの主排気ノズルを強化するためにブリッジ・ブラケットを取り付ける必要がある。FAAによると、このようなブラケットを使用すると、壊滅的な故障の際に排気ノズルが緩んだり、エンジンから完全に外れたりするのを防ぐことができる。外れると、航空機の胴体、尾部、または水平安定板にさらなる損傷を与える可能性がある。【Flightglobal news】

【Flightglobal提供:South West航空の事故機のファンカウル損傷状況】

日本のニュース

1.大韓航空、グラハン新会社 新千歳で地上支援、国際興業らと設立
大韓航空は3月6日、日本国内でグランドハンドリング(グラハン、地上支援)業務を担う新会社「Korean Air Airport Service(KAAS)」を設立したと発表した。新会社にはバス運行などの運輸事業を展開する国際興業(東京・中央区)に加え、大韓航空子会社の「韓国空港」(ソウル市)が参画。3月から新千歳空港で業務を始める。KAASの設立日は2024年10月17日。本社は東京・港区で、大韓航空日本支社と同じ「東京KALビル」に置く。支店を新千歳空港内に置き、機体誘導や手荷物・貨物の搭降載などを担う。大韓航空は30日に始まる夏ダイヤ(10月25日まで)で、日本国内の15空港に就航し、日本路線を21路線週229往復運航する。グラハンをはじめとした空港従事者は、全国的に人手不足が深刻化しているのが現状だ。大韓航空も旅客・貨物の需要は増加しているものの、コロナ以降は国内のグラハンが不足していることから新会社を設立し、人材確保を急ぎたい考え。【Aviation wire news】

2.福岡空港、国内線ターミナルに複合施設 ホテル・バス発着場併設「エアポートシティ」へ
福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は3月5日、国内線ターミナルビルにホテルやバスターミナルなどを設ける複合施設を整備すると発表した。「旅する空港」をコンセプトとした地上11階建ての複合施設で、既存店と合わせ、保安検査場を通過前の一般エリアに約270店舗が入居。現在の交通拠点から、空港で過ごす「エアポートシティ」への進化を図る。4月に着手し、2027年夏のグランドオープンを目指す。また、国際線ターミナルへのアクセスも整備し、ターミナル間の移動時間を半減させる。設計監理者は梓設計・隈研吾建築都市設計事務所・西日本技術開発共同企業体、施工者は大成建設(1801)で、総事業費は約450億円。着工は今年4月で、2027年春ごろの竣工を目指す。商業施設には1階から4階まで異なるテーマを設け、国内線ターミナル到着フロアと接続する1階はトラベルグッズやサービス店のほか、地域住民も利用できるスーパーマーケットを備える。出発フロアと接続する2階は、福岡・九州を中心とした土産ものを取り扱うほか「食べ歩きグルメゾーン」を新設する。3階はキャラクター雑貨や体験コンテンツのフロアとし、新たな日本の文化を発信。世代・国籍を問わず楽しめるようにする。4階はアジアをテーマとしたフードフロアで、40店舗超の飲食・食物販店が出店し、本場のアジア料理を提供する。新設する店舗は約180店舗で、既存の店舗と合わせると一般エリアに約270店舗が出店する。FIACによると、出店店舗数はと国内空港最大級となるという。5階から11階まではホテルで、上層階の部屋からは滑走路や航空機を望む作りとする。総客室数は165室を計画し、ダブル・ツイン・トリプルなど7タイプを用意。また、サウナ付きの大浴場やフィットネスなどを併設する。ホテル部分の賃借面積は約6300平方メートルで、西鉄グループの西鉄ホテルズが「SOLARIA」ブランドで運営。2027年夏ごろの開業を計画する。【Aviation wire news】

【Aviation wire提供:新福岡空港ターミナル複合施設想像図】

3.鴻池エアーホールディング、鹿児島空港のグラハン参入へ 3/8に企業説明会参加
鹿児島空港のグランドハンドリング(グラハン)業務に、鴻池運輸を中核とするKONOIKEグループの鴻池エアーホールディングが参入を検討している。海外の航空会社から鹿児島への就航や増便の要望が増えており、既存事業者に鴻池が加わることで、貨物・手荷物の搭降載や航空機の誘導などを担当するグラハン業務の処理能力を積み増す。3月8日に地元の霧島市で開かれる企業説明会に参加する。鴻池は、空港のカウンターでチェックイン業務などを担うグランドスタッフと、ランプで運航支援に携わるグラハンスタッフの採用を視野に、鹿児島空港の地元である霧島市で8日に開かれる市内企業約60社による企業説明会に参加予定。いずれの職種も正社員として採用する方針を決めた。採用対象は高卒以上で、残業は月平均10-15時間程度を想定。未経験者も含め、コロナ影響などでブランクのある人や、鹿児島へのUターン、Iターンを希望している人にも働きかけていく。鴻池は、関西空港が開港した1994年に先立つ1991年に子会社を設立し、事業を開始。日本航空が破綻した2010年には、JAL系3社をグループ化し、2017年に成田の3社、2020年に沖縄の1社を加えたグループ子会社9社、特例子会社1社の体制。国内大手2社のほか、海外の航空会社からも受託しており、グラハン事業者が2023年8月に設立した業界団体「空港グランドハンドリング協会(空ハン協、AGHA)」にも特別会員として加盟している。【Aviation wire news】

4.JTA、新卒採用 CA・企画職若干名、26年度
日本トランスオーシャン航空は、2026年度入社の客室乗務員と業務企画職(事務系、技術系、情報系)の新卒採用を3月1日に始めた。いずれも採用数は若干名で、応募締切は職種により異なる。客室乗務員は4年制大学、大学院、短大、専門学校(2年制課程以上)を2023年4月から2026年3月までに卒業・修了、卒業・修了見込みの人が対象。矯正視力や居住地、英語力などの条件がある。入社予定時期は2026年4月1日以降に会社の指定する時期。選考は、一次選考が書類と録画、二次選考が面接と適性検査、三次選考が面接と身体検査となる。応募締切は4月21日午後5時。業務企画職も採用数は事務系・技術系・情報系ともに若干名で、4年制大学、大学院、高等専門学校専攻科を2023年4月から2026年3月までに卒業・修了、卒業・修了見込みの人が対象。入社予定時期は2026年4月1日以降に会社の指定する時期で、選考は、一次選考が書類と適性検査、録画、二次と三次選考が面接となる。書類締切は4月14日、適性検査の締切は同月21日で、いずれも午後5時。【Aviation wire news】

5.スターフライヤー、26年度新卒55人採用 CA・地上係員など4職種
スターフライヤーは、2026年度の新卒採用を3月1日に開始した。客室乗務職(CA)と地上係員(グランドスタッフ)、整備、本社・現業系スタッフの4職種を「総合職」とし、2025年度同様、合計で約55人の採用を予定する。客室乗務員と地上係員は20人程度ずつ、整備は5人程度、本社・現業系スタッフは10人程度を募集。本社・現業系のうち本社系は営業・マーケティング、財務経理、総務人事、経営戦略などを、現業系は現業系:オペレーション、乗員サポートなどを担う。いずれも2026年3月までに専門学校・高等専門学校・短期大学・4年制大学・大学院を卒業・修了見込みの人か、今年3月までに卒業・修了した人が応募できる。【Aviation wire news】

6.ソラシド、26年度新卒採用 CA・地上係員・整備士など
ソラシドエアは、2026年度の新卒採用を3月1日に開始した。客室乗務職(CA)のほか、整備士と地上係員(グランドスタッフ)、オペレーション・コーポレートスタッフの3職種で構成する「総合職」が対象で、CAは15人程度、総合職は30人程度の採用を予定する。客室乗務員は、短期大学、4年制大学、大学院を今年4月から2026年3月までに卒業・修了予定の人が対象で、同年4月以降で会社の指定する時期に入社できることが条件。また、専門学校を今年4月から2026年3月までに卒業予定で、今年10月以降に入社できる人も求める。乗務に必要な体力があり、呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼球などに支障がなく、心身ともに健康な人を求めている。総合職3職種は専門学校、高等専門学校、短大、大学、大学院を2026年3月までに卒業・修了予定の人が対象。整備士は、普通自動車免許の取得が条件となる。詳細は採用サイト「マイナビ」で公表している。【Aviation wire news】

7.ピーチ、新卒CA採用50人 パイロット訓練生も、26年度採用4職種90人
ピーチ・アビエーションは、2026年度採用の新卒者の募集を3月1日から始めた。客室乗務員のほか総合職や整備技術職も募集する。パイロット訓練生は既卒者も対象になる。採用人数は4職種計90人で、ピーチによると、2011年の創業以来最大だという。客室乗務員は50人程度募集。関西空港か成田空港、会社が指定する場所が就業場所で、エントリーは5月15日まで。総合職は20人程度を募集。勤務地は関空などで、応募は5月15日まで。技術職も20人程度で、関空や成田などが勤務地となり、一次募集は3月31日に締め切り、二次募集は4月1日から5月15日まで受け付ける。パイロット訓練生は、6回目の募集となる「Peach パイロットチャレンジ制度 with AIRBUS」によるもので、採用数は若干名。エントリーには全日本空輸(ANA/NH)グループのパイロット適性テスト「FCAT(Flight Crew Assessment Test)」の合格と、ピーチへのプレエントリーが必要で、FCATのエントリーは3月31日まで、ピーチのプレエントリーは7月末まで。訓練生向けの会社説明会は、3月8日と16日に都内で開催する。【Aviation wire news】

8.イプシロンS第2段の爆発原因調査、爆発に至る2つのシナリオをJAXAが公表
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月25日、イプシロンSロケット第2段モーターの再地上燃焼試験で発生した爆発事故について、原因調査の最新状況を説明した。前回の報告から2カ月。この間、FTA(故障の木解析)による分析を進め、いくつかの要因は排除できたものの、原因特定につながる有力な手がかりはまだ見つかっていない。再地上燃焼試験での爆発は、2024年11月26日に発生した。前回の説明会はその1カ月後に開催されており、本格的な原因調査に着手したばかりという段階であったが、その後、設計・製造・検査の各データや、事故後に回収できた部品の分析を進め、5次まで枝分かれが伸びたFTAによって、詳細な評価が行われた。この燃焼試験では、以下の3つの異常が確認されている。今回のFTAでは、この3つの異常をトップ事象として展開。(A)点火後約17秒から燃焼圧力が予測より高くなったこと。(B)同約48.9秒にガスリークが発生したこと。(C)同約49.3秒に爆発が発生したこと。ケース1は、何らかの理由によりインシュレーションの気密が喪失し、高温の燃焼ガスがモーターケースに接触。素材であるCFRPの樹脂が溶けてリークが発生し、さらに強度が低下したことで爆発に至ったという想定だ。ケース2は、インシュレーションの気密喪失、またはインシュレーション端部からのガスの侵入により、ボス部分が剥離・破断し、リークが発生。ボス部分の脱落とCFRPの破断で爆発した、という想定である。しかし、現時点ではまだ決め手に欠けており、このどちらかが起きたのか、あるいは別の現象だったのかは、なんとも言えない。ただ、前述のようにボス部分はまだ回収できておらず、これを見つけることができれば、ケース2と特定できるか、あるいはケース2を排除できる可能性があり、いずれにしても大きな進展になる。JAXAは今後、海中探索を続けるほか、追加の解析や試験を行うことで、要因のさらなる絞り込みを進める。次回の報告がいつになるかは未定。調査が難航すれば長期化する可能性もあるが、引き続き注目していきたい。【マイナビニュース】

【JAXA提供:想定される2つのシナリオ】