KIT航空宇宙ニュース2025WK21
海外のニュース
1. 土星衛星タイタンの空を舞う探査機「ドラゴンフライ」製造へ、’28年旅立ち
米国航空宇宙局(NASA)は、土星の衛星タイタンを飛行するマルチコプター型探査機「ドラゴンフライ(Dragonfly)」が、最終設計審査を通過したと2025年4月24日に発表。今後、製造段階に入り、早ければ2028年7月に打ち上げられる見通しだ。2034年にはタイタンに到着し、異星の空を舞う壮大な探査ミッションに挑む。タイタン(ティタン)は、土星の第6衛星であり、最も大きい衛星だ。直径は約5,150kmで、太陽系の衛星の中では木星の衛星ガニメデに次いで2番目に大きく、水星よりもわずかに大きい。タイタンは1979年、NASAの探査機「パイオニア11」によって初めて間近から観測され、1980年には探査機「ボイジャー1」も観測を行った。2004年には、NASAと欧州宇宙機関(ESA)の土星探査機「カッシーニ」が詳しく探査するとともに、2005年には小型探査機「ホイヘンス」がカッシーニから分離され、タイタンに着陸した。ホイヘンスは大気や雲、地表を調べ、気温や気圧、湿度の詳細なデータを送った。さらに、地表の画像撮影にも成功し、地表が小さな氷の粒でできた砂や、凍った雪で覆われており、10〜15cmの球状の氷が点在していることが明らかになった。また、タイタンの地表で聞こえる音も送信した。ただ、タイタンについてはまだわかっていないことが多い。そして、それ以上に、多くの魅力であふれている。タイタンは濃い大気を持つ数少ない衛星のひとつであり、その大気は主に窒素のほか、微量ながらもメタンやエタンなどの炭化水素が含まれている。また、メタンは地表に液体としても存在しており、雨として降り、川や湖、海を形成する循環をなしている。とくに北極には、「クラーケン海」と呼ばれる面積約40万平方kmの巨大な湖がある。さらに、タイタンの地表は有機物を含んだ複雑な地形で構成されており、地下には水とアンモニアからなる海が存在すると推定されている。こうした環境は、太古の地球に似ており、タイタンを探査することで生命の起源に関する手がかりが得られる可能性があるとの期待が高まっている。そのため、NASAはタイタン探査の次なるステップとして、「ドラゴンフライ」の開発を決定した。ドラゴンフライは、8枚のローターを持つマルチコプター(クアッドコプター)型の探査機だ。機体の寸法は約3.85×3.85×1.75m、質量約875kgと、小型車ほどの大きさがある。タイタンの重力は地球の約7分の1と小さく、一方で、大気は高密度で穏やかであることから、航空機による探査がしやすい。むしろ、液体の湖があることを考えると、地表を走行する探査車では移動や探査は困難であり、自由に離着陸や飛行が可能なマルチコプターは最適だ。タイタンは太陽から遠く、また分厚い大気のため、太陽発電が使えない。そこで、多目的放射性同位体熱電気転換器(MMRTG)、いわゆる原子力電池を使用し、リチウムイオン電池に充電してローターを回すモーターや搭載機器を動かす。ドラゴンフライは2019年、NASAの大型宇宙探査プログラム「ニュー・フロンティアーズ計画」のひとつとして選ばれ、設計が始まった。2023年には予備設計審査に合格し、前述の通り2025年4月24日に最終設計審査に合格。これから探査機の製造、試験が始まる。打ち上げは2028年7月の予定で、スペースXの超大型ロケット「ファルコン・ヘヴィ」を使用。金星と地球でスイングバイをしたのち、2034年にタイタンに到着する。大気圏突入後、耐熱シールドとパラシュートで減速し、ローターで初飛行を行い、赤道付近の「シャングリラ」砂丘地帯への着陸をめざす。【マイナビニュース】

【NASA提供:ドラゴンフライの想像図】
2. 映像から、Vertical VX4がCTOL飛行を達成した可能性が示唆される
Vertical Aerospace 社が、従来型離着陸 (CTOL) 構成で VX4 航空機の初飛行を実施した可能性がある。現在までに、VX4プロトタイプ(G-EVTA)は垂直離着陸のみを実施しており、ケンブル飛行場試験基地の境界から出たことはない。バーティカル社は、4部構成の飛行試験キャンペーンの第3段階となる翼上飛行の準備を進めており、ここ数週間ケンブルで一連の高速タクシー試験を実施している。しかし、ソーシャルメディアには、 5月22日の早朝にVX4が飛行場の境界線を越えて飛行していたと思われる映像が公開された。映像は不明瞭だが、バッテリー駆動のこの飛行機は翼飛行のためにプロペラを前方に傾けているように見える。垂直飛行と前進飛行を移行するように設計されているが、これはVerticalの飛行試験計画における次の非常に困難なステップである。ビデオには追跡ヘリコプターに同行するVX4が映っている。5月22日午前7時から午前7時30分までの期間のフライトレーダー24のデータには、ケンブルから出発した2機のヘリコプター、レオナルドAW109(G-DMPI)とロビンソンR44(G-PIXL)が記録されており、後者は空中撮影用の装備を備えていた。【Flightglobal news】

【Xに投稿された映像:プロペラが前方に傾いたVX4と追跡機(左)が映っている】
日本のニュース
1. 女性CAなぜ多い? JALとお茶の水女子大、職種の性別偏り共同調査
国立お茶の水女子大学と日本航空は5月22日、ダイバーシティ推進と国際的人材育成を目的とした連携協定を締結した。日本の航空業界特有といえる性別に偏りがある職種の実態調査や改善策の検討を5年程度共同で取り組む。JALによると、グループ全体の社員構成は男性48%、女性52%とおおむね均衡が取れているものの、パイロットや整備士は9割以上が男性、客室乗務員や地上職は女性が多数を占めるなど、職種ごとに偏りがみられるという。両者は今後、こうした偏在の要因を分析し、性別に関わらず能力を発揮できる制度や職場環境を提言。お茶の水女子大学が推進する「ジェンダード・イノベーション」の考え方をもとに、航空業界での多様な働き方の実現を目指す。JALの鳥取三津子社長は「客室乗務員の男性比率は約3%、運航乗務員の女性は約2%。お茶の水女子大は今年で150周年を迎える女子教育のフロントランナーであり、社員のアウトプットが最大になるジェンダーバランスはどういったところなのかなどの研究を進めていきたい」と語った。客室乗務員やパイロットなど、偏りがみられる職種ができてしまっている背景として、鳥取社長は「日本の文化というか、幼少期からの教育が根強く残っているからではないか。(かつては)女性にチャンスすらなく、本人も『できないだろう』と自己評価を低くしてしまう」と指摘。「ひとりの人間として普通に評価されていけば、おのずとバランスが取れた状況になるのではないか」との考えを示した。お茶の水女子大の佐々木泰子学長によると、1975年設立の女性文化資料館から現在同大にあるジェンダー研究所の歴史が始まったといい、文理融合の研究を両者で進めていく。【Aviation wire news】
2. RAC、客室乗務員募集 26年度入社
日本航空グループで沖縄の離島路線を担う琉球エアーコミューター(RAC)は5月20日、2026年度入社の客室乗務員(CA)の採用を始めた。若干名を採用する。応募は6月22日必着。2026年3月31日までに大学・短期大学・専門学校(2年制課程以上)を卒業・修了見込みの人が対象で、社会人経験者も応募できる。コンタクト矯正視力1.0以上であることや、航空機乗務に際し、呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、腰椎などに支障がないことなどが条件となる。入社時期は4月1日以降の会社が指定する時期。エントリーシートと全身スナップ写真、成績証明書、卒業証明書を同封し、郵送してエントリーする。書類選考後の一次選考は、オンラインかテストセンター受検とオンライン面接。健康診断・面接の最終選考を経て採用となる。【Aviation wire news】
3. 三菱重工、次世代新交通システム「Prismo」架線レスで時速80キロ
三菱重工業は5月19日、空港内や都市間輸送向けの次世代新交通システム「Prismo(プリズモ)」を開発したと発表した。駅での急速充電など自社開発のエネルギーマネジメントシステムを初採用し、最高時速80キロの運行を可能にした。従来のAGT(自動案内軌条式旅客輸送システム)と比べて消費電力とCO2(二酸化炭素)排出量を約10%削減し、駅間の架線を不要にする「架線レス」化や軌道のスリム化などで、建設費や保守費の削減、景観への配慮を両立させた。Prismoは、停車中の駅で車体に搭載したバッテリーに急速充電し、駅間約2キロメートルを最高時速80キロで走行する次世代型AGT。車両の誘導方式には、従来の車体両側にレールを設ける「サイドガイド方式」ではなく、車体下中央に1本のレールを配する「センターガイド方式」を採用し、軌道構造物をスリム化した。駅間の架線をなくす「架線レス」化も実現。インフラ建設費や保守コストを削減し、外観面でも景観への影響を抑えられることから、観光地や都市部への導入に適した構成とした。また、架線レスや軌道構造物のスリム化により、走行時の静粛性も高まっている。軌道設計の柔軟性を高めた点も特徴で、最小曲線半径は22メートル、最大勾配は10%に対応。ゴムタイヤによる低騒音・低振動の走行性能とあわせて、住宅密集地や高低差のある地形など、従来の鉄道やAGTでは対応が難しかった都市インフラへの適応性を高めた。景観への配慮が求められる観光地などにも対応可能で、既存都市との連携も視野に入れた多様な導入パターンを提案でき、地方都市や空港アクセスにとどまらない幅広い展開も見込んでいる。空港での活用は、従来のターミナル間を結ぶ乗客用シャトルだけでなく、手荷物搬送をはじめ新たな提案を検討している。【Aviation wire new】

【Yahooニュース提供:三菱重工が開発した次世代新交通システム「Prismo」】
4. “レーザーで飛ぶロケット”の室内自由飛行実証、東北大
東北大学は、地上からのレーザーを受けて推進力を得る「レーザー推進ロケット」の実現に向け、独自開発した「複数放物面レーザー推進機」の実験室レベルでの打ち上げ実験を実施。全長約15mmの約7倍となる高度110mmまで、機体を自由飛行させることに成功したと5月21日に発表した。同成果は、東北大大学院 工学研究科の高橋聖幸准教授、同・速館佑弥大学院生(研究当時)、大阪公立大学大学院 工学研究科の森浩一教授、東北大 流体科学研究所の早川晃弘准教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。現在のロケットは、高コストが大きな課題となっている。そのため、より低コストで宇宙へ到達すべく、さまざまな手段が研究されているが、そのひとつがレーザー推進だ。ロケットに取り付けられた放物面ミラーに対し、地上基地からレーザーを照射。集光点付近の空気がプラズマ化して高温となることで衝撃波が発生、これが推進力となる。これにより、燃料を大幅に削減でき(十分な空気のない高度から上は従来方式となる)、打ち上げコストの低減につながる。初期投資となる地上のレーザー発振基地の建設費用を償還後には、従来方式の4分の1以下にまで打ち上げコストを抑えられると試算されている。ただし、レーザー推進ロケットの実用化には、複数の解決すべき点がある。そのひとつが、飛行中の機体はブレて、レーザー軸上から外れやすく、安定飛行の維持が困難な点だ。その解決には、姿勢を制御して長時間の安定飛行(ビームライディング飛行)を維持する技術が求められる。それには、機体がレーザー軸から外れても自然と元に戻る「受動的制御」と、レーザー軸からのずれを検知して機体に追従してレーザー照射方向を変える「能動的制御」の2種類がある。研究チームは今回、受動的制御性能の検証のために実験室レベルでの打ち上げ実験と、能動的制御システムの開発および実証実験を行うことにした。まず受動的制御を実現するため、レーザー光を円環状に効率よく集光できる、先端が細長く突き出たスパイクノズル形状の反射鏡がメインボディに採用された。そして、集光領域を覆うようにリング状のカウルが取り付けられた。これにより、機体がレーザー軸からずれるとカウル内で不均一に集光し、衝撃波も不均一となることで、カウルを押す力に偏りが発生。この非対称な力の働きによって、機体は自然にレーザー軸へと引き戻され、積極的な制御なしに姿勢が自動的に補正される。加えて、機体軸上には放物面ミラーを搭載。機体がレーザー軸から傾くとレーザー集光位置が変化し、それに伴う衝撃波の形状変化によって、角度のずれも打ち消せる設計だ。スパイクノズル形状のミラーと放物面ミラーとを組み合わせから、今回のシステムは複数放物面レーザー推進機と命名された。その受動的制御能力を検証すべく、実験室において機体に対し鉛直上向きに繰り返しパルスレーザーを照射する打ち上げ実験が実施された。1ショットあたり約5Jのレーザーを50Hzで繰り返し照射した結果、全長約15mm・重量約2gの機体が高度110mmまで浮上し、自由飛行を実現。その際、レーザー軸に自然と引き寄せられるように機体が動いたことも確認され、受動的制御の実験的実証も達成された。最長で約0.26秒のフライトだった。【マイナビニュース】

【東北大学提供:今回開発されたUFOのような形状の複数放物面レーザー推進機(機体全長は約15mm)】
5. 地中の漏水を衛星データで探索 – 宇部市が取り組む夢の新技術への期待
山口県宇部市では、2022年度から宇宙航空研究開発機構(JAXA)の先進レーダ衛星「だいち2号(ALOS-2)」による取得データを活用した地下漏水調査の実証事業が始まった。地表から見えない地下のことが衛星からのデータでわかるなんて、まるで夢のようだ。地下の水道管の状態が本当に衛星データからわかるのか、そしてアスファルトで舗装された道路で技術を有効にするにはどうすればよいのか。これまでの地下漏水調査は、音聴棒という専用器具などを使って、水道管の音を聴いて判断する調査方式を用いていた。センサ付きの漏水探知機もあるが、風音の影響を受けやすく漏水の発見には熟練を要する。また、鉛管は聞こえやすい、ビニール管は漏水音が伝わりにくいなど水道管の管種による違いもある。調査は安全に配慮して2人1組で行われ、地図を片手に市内を歩き回る地道な調査だった。国は、水道施設の維持や修繕にセンサ技術やドローン、ロボットカメラ、衛星リモートセンシングなどを取り入れた省力化を推奨している。衛星リモートセンシングを利用した事例は海外の技術が先行する中、リモート・センシング技術センター(RESTEC)が国産の技術開発に取り組み、実証を重ねて徐々に成果を挙げてきている。2022年には、RESTECが経済産業省補助事業としてASTRONETSと共に宇部市水道局の協力のもと技術開発を行い、2023年に福岡市をはじめ全国12市町で実証事業を、2024年には22市町での実証を行っている。福岡市が行った有識者などで構成される検討委員会での評価は「スクリーニングとして効果あり」というもので、漏水が起きている可能性が高い場所をある程度まで絞り込める段階になってきたという。海外にも同様の技術が使用されている例があるが、サービス開発を主導するRESTECの奥村俊夫さんによれば、「もともとはマイクロ波が地下まで透過しやすい乾燥・半乾燥地帯に向いた技術」とのこと。湿潤でマイクロ波がほぼ地下に透過することのない日本において、表層近くの湿り気を検知する技術を開発できないか、というのが基本的な考え方だ。解析の土台になるALOS-2は、合成開口レーダ(SAR)という種類の地球観測衛星だ。SARは、アンテナから照射したマイクロ波が地表で反射し、衛星のアンテナへ戻って来る信号の強度を測るという仕組みであり、地表が湿っているとマイクロ波の反射が強く、地表が乾燥しているとマイクロ波の反射強度は弱くなる特性がある。それを活かし、ALOS-2のデータから、雨が降っていないのに地表が湿っていれば、地中から水が染み出しているのではないかと推定できるというのが基本的な原理だ。この方法では、衛星データで分析できるのは“地面が湿っているかどうか”ということ。その湿り気が水道水の漏水によるのか、水道水以外の水なのかといった区別はつけることができない。水道管漏水検知は、衛星データを10m四方で解析した湿った箇所に水道管地図を重ね合わせて、怪しいところを浮かび上がらせ、漏水が疑われる場所をヒートマップで表現するという仕組みになっている。これは漏水が疑われる場所を絞り込む技術であり、魔法のように漏水箇所を検出するわけではないとはいえ、10m四方という粒度はこの分野ではトップレベルの細かさだ。【マイナビニュース】

【マイナビニュース提供:SAR衛星データを活用した漏水検知の概要】
6. QPS研究所の新衛星「ワダツミ-I」打ち上げ、アンテナ展開成功
QPS研究所は、合成開口レーダー(SAR)を備えた小型衛星10号機「ワダツミ-I」が日本時間5月17日に打ち上げられ、衛星分離後にワダツミ-Iとの初交信に成功。翌18日には収納型アンテナの展開にも成功したと発表した。ワダツミ-Iは、ロケット・ラボのElectronロケット(ミッションネーム:“The Sea God Sees”)によって、ニュージーランド・マヒア半島の発射場Launch Complex 1から日本時間5月17日17時17分に打ち上げられた。打ち上げ約50分後に衛星分離に成功し、分離から約30分後には初交信にも成功。衛星の各機器が正常に作動し状態に問題がないことを確認している。翌18日夕方には収納型アンテナの展開を実行。その後、機器の動作情報やジャイロなどのセンサー類、アンテナの一部を撮影した衛星のセルフィー画像などから、アンテナの無事の展開を確認できたとしている。今後は衛星の調整を続け、初画像の取得(ファーストライト)をめざす。なお同衛星の収納型アンテナは、性能向上のための改良を施しており、セルフィー画像撮影のためのカメラにはより広視野角のレンズを使ったという。QPS研究所の大西俊輔社長 CEOは打ち上げミッションの成功を受け、「前回の9号機『スサノオ-I』からわずか2カ月ほどで10機目となる『ワダツミ-I』を軌道投入できたことは大変嬉しい」とコメントしている。QPS研究所は今後、合計36機による衛星コンステレーション構築をめざしており、次の11号機の打上げは2025年6月以降を予定しているとのこと。【マイナビニュース】

【マイナビニュース提供:アンテナを展開した「WADATSUMI-I」想像図】
7.三菱重工とヤマハ、200km飛べる重量級ハイブリッドドローン開発、積載量は200kg
三菱重工業とヤマハ発動機は、共同開発中の中型マルチコプター型無人機の飛行試験を行なった。中型無人機のハイブリッド化による航続距離の延長を目指すもので、航続距離200km、200kgの搭載量を実現する。三菱重工は中型無人機の開発を進めるなかで、ハイブリッド化による航続距離の延長を実現するため、ヤマハ発動機と2024年3月に共同開発を開始。ヤマハの小型軽量発電ユニットを機体に搭載し、4月中旬に行なった飛行試験で初浮上に成功した。開発中の中型無人機は、バッテリータイプとハイブリッドタイプがあり、バッテリータイプは航続距離15kmだが、ハイブリッドタイプは将来的に200kmの航続距離を目指す。ハイブリッドタイプは、エンジンにより発電した電力で各ローターを電動モーターにより回転させるシリーズハイブリッド方式。中型無人機は、災害時に課題となる孤立地域への支援物資輸送や、物流量が少ない離島や山間部などの路線における物流効率化などに活用するほか、山間部の工事などでの資材運搬にも活用が期待される。なお、試作機は、6月4日~6日に幕張メッセで行なわれる展示会「Japan Drone 2025」で展示予定。【インプレス・ウォッチ】

【MHI提供:浮上試験に成功した電動ハイブリッドUAV】