井川秀信 教授・博士(工学)
CAEを援用した機械設計に取り組む
1 体積力法による高精度応力解析法の開発
2 有限要素法を応用した構造解析
キーワード き裂の応力拡大係数 応力集中 応力 ひずみ
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研究紹介
フレームの減衰特性が二輪車のウィーブモードに及ぼす影響の解析
研究内容
フレームの減衰特性が二輪車のウィーブモードに及ぼす影響について解析した.その際,各フレーム剛性にそれぞれ減衰比を加えることで,安定性の増加に働く自由度を特定し,その詳細について議論した.
以下に得られた結果と考察を記述する.
(1) ウィーブモードにおいて,減衰比を変化させた5自由度モデルの固有値と,減衰比を考慮しない基準の5自由度モデルの固有値を比較した際,安定性増加に寄与するフレーム剛性はリアスイングアームのねじれ剛性のみである.
(2) ウィーブモードにおいて,5種類のフレーム剛性モデルにそれぞれ減衰比を加えても,固有値の虚部はほとんど変化しない.
(3) 減衰比の影響による実部変化から,ヨー角系ではリアスイングアームのねじれ角速度が最も安定性の増加に寄与している.また,リアタイヤの横力も安定性の増加に寄与している.
(4) ねじれ角速度について,大きさ効果と位相効果に分けると,ねじれ角速度による位相遅れがウィーブモードの安定性増加に寄与している.
(5) リアタイヤの横力について見ると,リアスイングアームのねじれ角が安定性を増加させる要因となっている.
(6) リアタイヤの横力のねじれ角についても同様に,位相遅れにより安定性が増加している.
フレームの減衰特性が二輪車のウォブルモードに及ぼす影響の解析
研究内容
6種類のフレーム剛性をそれぞれ単独なモデルとして4自由度モデルに追加し,それらのフレーム剛性が振動モードに与える影響を検討した.
以下に,その結論をまとめる.
(1) 5自由度モデルを用いたウォブルモードの解析では,単独な6種類のフレーム剛性モデルの中で,フロントフォークのねじれ剛性モデルが最も安定化する.
(2) 減衰比基準となるζ=0からζ=0.5のように減衰比を増加させると,フロントフォークのねじれ剛性モデルでは固有値の実部がどの車速域においても著しく負の方向に推移し, ウォブルモードが安定化する.
(3) フロントフォークねじれ剛性モデルの操舵系に作用する要素として,車体系は横加速度力とロールレイト力.タイヤ系は前タイヤ横力の影響で,ウォブルモードが安定化する.
(4) 前タイヤ横力の位相進みは,構成要素内のフレームねじれ角の位相遅れが最大の要因である.
二輪車のウィーブモードとウォブルモードの安定化両立性
研究内容
車両諸元変更により固有値の実部がウィーブモードとウォブルモード共に変化する場合を抽出し,ウィーブモードが安定化(不安定化)するとウォブルモードが不安定化(安定化)する相反タイプと両モードとも同じ安定性変化が生じる両立タイプについての解析を行った.その結果を簡単にまとめると,以下のようになる.
(1) 相反する変化を示す諸元は前フレームの諸元に多い.
(2) 相反する変化を示す前フレームの諸元は運動方程式の係数に直接変化を及ぼしている場合が多い.
(3) 両立タイプはメインフレームの諸元が多い.
(4) 両立タイプのものは固有ベクトルの変化により安定性が変化している場合が多い.
研究業績
論文
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