KIT航空宇宙ニュース2022WK41

KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1.Archer Aviation が11月に eVTOL機Midnightを発表予定

カリフォルニアに本拠を置く Archer Aviation は、予定されていたスケジュールよりも早く、来月、量産用 Midnight eVTOL 航空機を正式に発表する予定。Archer は、11月16日のイベントで同社の米国FAA認定と商業化計画の詳細を発表し、本格的な技術デモンストレーターの試験飛行も行うと述べている。当初は来年に予定されていたこの発表は、4人乗りの航空機の初期設計レビューに続くものです。サンタクララにある Archerは、電動パワートレインを含む Midnightの仕様に関する詳細情報を提供すると述べている。ユナイテッド航空は、発注した100機の機体に対して1,000 万ドルの納入前支払いを行ったが、設計レビューでは、規制順守と市場の存続可能性の実現可能性を分析している。Midnight のペイロードは約450kg (1,000lb)で、充電時間は10分であるとArcherは述べている。【Flightglobal News】

【Archer Aviation提供:Archerが開発中の「Midnight」eVTOL機】

2.Transavia航空がオランダの電動旅客機スタートアップ企業Lucyに投資

Transavia Airlines (アムステルダム スキポール)の投資部門である Transavia Ventures は、最近アムステルダムで開催された World Aviation Festival で締結された契約によると、同社の持続可能性の目標に沿って、オランダの電動旅客機スタートアップ企業のFlyWithLucy (Lucy) に非公開の金額を投資した。Lucyは、2025年にアイントホーフェンから初の電動飛行を行う予定で、航続距離は約250kmの5人乗りの航空機から始める。航続距離の長い大型航空機運航の願望もあり、まず既存の地域航空を置き換え、最終的には民間航空会社の現在の路線ネットワークに統合することを目指している。【Flightglobal News】

【Flightglobal提供:FlyWithLucy】

日本のニュース

1.JAL、CAなど採用強化 業務企画職は領域選択制へ

日本航空は10月14日、今後の採用計画を発表した。2023年度入社の既卒と2024年度入社の新卒が対象で、客室乗務職などの採用を強化する。業務企画職は採用形態を見直し、応募者が希望する領域を選択できる制度の導入を検討する。2023年度入社の既卒は、客室乗務職の採用を実施する。障がい者選考を含む業務企画職は既卒採用を通年で実施しており、2023年度も継続する。2024年度入社の新卒は、障がい者選考を含む業務企画職、自社養成パイロット訓練生、客室乗務職の採用を計画する。また業務企画職は従来、「地上職 事務系」「地上職 数理・IT系」「地上職 技術系」の3つに分けて採用活動を展開していたが、今後はオペレーション領域やマーケティング領域など、業務領域をより細分化。希望する領域を選択できるよう検討を進めることで、積極的な人材確保を図る。詳細は決定後に発表する。またJALグループ各社の2023年度入社の既卒と、2024年度入社の新卒採用は、各社の採用ページで順次案内する。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】

2.トキエア、ATR72受領 23年就航目標、県議会が融資懸念も

仏ATRは現地時間10月10日、新潟空港を拠点に2023年の就航を目指すとしている地域航空会社「TOKI AIR(トキエア)」に、ATR72-600型機(1クラス72席)をアイルランドの航空機リース会社NAC(ノルディック・アビエーション・キャピタル)を通じて引き渡したと発表した。トキエアは今後、国土交通省からAOC(航空運送事業の許可)を取得する必要があり、安全性や持続的な運航が可能かを規定や訓練体制などを基に審査される。日本でATRを導入するのは4社目。トキエアは今年秋ごろの就航を目指していたが、長谷川政樹社長が9月21日に新潟県の花角英世知事に現状を報告した際、2023年3月下旬以降に延期したことを明らかにした。機体は11月にも新潟空港に到着する見込みだが、これまでは夏を予定していた。一方、新潟空港にはトキエアが使用するマイクロバスが到着するなど、就航に向けた準備作業が進められている。就航を計画している路線は、新潟-札幌(丘珠)、仙台、中部、神戸の4路線。最初の就航地は丘珠で、2023年10月以降に仙台、12月以降に中部や神戸への就航を計画している。また、首都圏では成田への就航を目指す見込み。トキエアは、航空会社として事業を行う上で必要なAOCを国交省から取得する必要がある。当初トキエアは国交省の東京航空局(TCAB)に対し、7月下旬にも申請する計画だったが、現時点で11月以降になる見通し。新潟県は9月22日に、今年度の補正予算案を発表。一般会計460億円のうち、トキエアに対して就航に必要な資金として11億6000万円を融資する方針で、就航が実現しない場合は政治問題化する可能性もあり、県議会からは融資に対して懸念する声も出ている。また、定期便を運航するためにはパイロットや整備士を安定的に確保する必要もあり、資金と人材両面で経営体制の早期安定化が不可欠になっている。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:ATR社工場でのトキエアのATR72-600型機】

3.イプシロン6号機打上げ失敗でフライト中の姿勢異常により指令破壊を実施

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月12日、イプシロンロケット6号機の打ち上げを実施したものの、飛行中に異常が発生したため、機体を指令破壊した。第3段の分離前に、姿勢異常を検出。衛星を軌道に投入できないと判断したという。イプシロンの打ち上げ失敗はこれが初めて。指令破壊は、H-IIAロケット6号機以来、約19年ぶりだ。JAXAはこの失敗を受け、山川宏理事長をトップとする対策本部を設置。直ちに原因の調査を開始した。同日、JAXAは打ち上げ失敗について記者会見を開催。調査が始まったばかりのため、詳細についてはほとんど明らかになっていない。ロケットの2段目と3段目を切り離す前に姿勢が目標からずれたため、破壊する信号を送ったという。イプシロンロケット6号機には、九州の宇宙ベンチャー企業のQPS研究所の人工衛星2機「QPS-SAR-3」「QPS-SAR-4」と、「革新的衛星技術実証3号機」が搭載されていた。QPS研究所の2衛星は、合成開口レーダー(SAR)を搭載した小型の地球観測衛星です。また、革新的衛星技術実証3号機は、以下6機の人工衛星で構成されていました。

・小型実証衛星3号機「RAISE-3」

・MAGNARO(名古屋大学)

・MITSUBA(九州工業大学)

・KOSEN-2(米子工業高等専門学校)

・WASEDA-SAT-ZERO(早稲田大学)

・FSI-SAT(一般財団法人未来科学研究所)

【マイナビニュース】

【QPS研究所提供:QPS研究所の高精密小型開口レーダー地球観測衛星】