KIT航空宇宙ニュース2026WK02
海外のニュース
1. FAA、737NG機のスタビライザー検査の義務化を提案
連邦航空局は、米国に登録されているすべてのボーイング737NG機に対し、水平安定装置の過度の動きを引き起こす可能性のある部品の摩耗を検査することを義務付ける規則を提案した。「FAAは、水平安定板の遊びが大きすぎることが原因でピッチ振動が発生したという報告を複数の運航者から受けている」と、1月8日に発表された規則案には記されている。「現在、左右の水平安定板のピボットヒンジとジャックスクリューの摩耗に対処するための検査要件は設けられていない」。提案では、スタビライザーの過度の動きは「フラッター現象を引き起こす可能性がある」と付け加えている。FAAは、ボーイングがすでに規定している手順に従って運航者にこの問題に対処するよう要求するつもりだ。「提案されている耐空性指令は、ボーイングが2025年6月に運航者に出したのと同じガイドラインを義務付けることになる」と述べている。FAAによると、そのガイダンスでは、ボーイングは運航者に「左右の水平安定装置のピボットヒンジとジャックスクリューの遊びを測定して遊びの値を決定する」こと、および摩耗した部品を交換することを指示している。【Flightglobal news】

【Flightglobal提供:FAAの提案した命令により、米国では約2,000機の737NGが対象】
2. FAAは電波高度計の交換を提案、米航空業界に45億ドルの費用がかかる可能性
連邦航空局(FAA)は、連邦政府が無線通信事業者向けに5G周波数帯の追加開放を進める中、米国の航空機運航会社に対し、約5万8600台の電波高度計の交換またはアップグレードを義務付ける新たな規則案を提案した。費用は約45億ドルと見積もられている。FAAは2026年1月7日に発表した規則案の通知の中で、米国本土48州とコロンビア特別区の空域を運航する航空機に搭載されるすべての無線高度計システムが、新たな最小干渉許容基準を満たすことを求めている。この提案は、無線通信事業者が、電波高度計が使用する帯域に隣接する5G無線周波数帯であるアッパーCバンドでサービスを拡大する中で、電波高度計が引き続き正確な高度データを提供できるようにすることを目的としている。FAAによると、主な懸念は、隣接する周波数帯で高出力の地上無線信号が、電波高度計が地表からの微弱な反射波を検知する能力に干渉する可能性があることで、これにより、正確な地上高度データに依存するシステムにおいて、高度の誤計測、計測漏れ、あるいは不要な警報の発生につながる可能性があるとしている。FAAによると、非常に低い高度では、こうした不具合により危険な状態が生じ、パイロットが修正に間に合わない可能性があるという。【Flightglobal news】

【Flightglobal提供:5G用アンテナ】
3. バーティカル・エアロスペース、スカイポート・インフラストラクチャーおよびブリストーと共同で英国初の電動エアタクシーネットワークを立ち上げ
Vertical Aerospaceは、Skyports Infrastructure(Skyports)およびBristow Groupと共同で、カナリー・ワーフと主要交通ハブを結ぶ英国初の電動エアタクシー路線を開設する計画を発表した。開設当初のカナリー・ワーフ発着路線には、ヒースロー、ガトウィック、ケンブリッジ、オックスフォードが含まれる予定。このパートナーシップでは、Vertical 社のこの分野をリードする航空機、Skyports 社のロンドンヘリポート、Bicester Vertiport、および将来の英国スカイポートネットワーク、Bristow社のグローバルな運用専門知識、および英国航空運航者証明書 (AOC) を組み合わせることで、実際のスケーラブルな eVTOL サービスに必要な完全なエコシステムが実現する。2029年第1四半期から開始予定の第一フェーズでは、英国で最も価値の高いモビリティ回廊に焦点を当てる。ブリストウが運行する提案ルートは、従来の地上移動と比較して移動時間を大幅に短縮する。例えば、カナリー・ワーフからヒースロー空港への乗り継ぎは、地上で60~90分かかるのに対し、エアタクシーでは12分に短縮される。【Bistow社プレス発表】

【Flightglobal提供:ロンドン上空を飛行するVertical Aerospace社eVTOL機(想像図)】
日本のニュース
1. JAL外国人グラハン、外免切替なしでパス取得可に 成田で全国初の新制度
成田市と日本航空の両者は1月8日、空港の制限区域内(ランプエリア)で車両を運転する資格について、新制度の運用を開始したと発表した。自国の運転免許を持つ外国人グランドハンドリングが、日本の免許証に切り替える「外免切替」をせずに運転できるようにするもので、JALグループでグラハン業務を担うJALグランドサービス(JGS)が全国に先駆け、成田空港で2025年12月1日から運用を始めた。今回の制度改革は、ベトナムなどの「ジュネーブ条約」に加盟していない国の運転免許保持者が対象。非加盟国出身者は、日本国内で有効となる「国際免許証」を取得できない。自国の有効な運転免許を持つ人材が所定の要件を満たした場合、日本の運転免許に切り替え(外免切替)せずに空港内での運転許可証(ランプパス)が発行される。これまでは、非加盟国出身の外国人材が空港内でトーイングトラクター(牽引車)などグラハン車両を運転する場合、外免切替が必須だった。しかし、学科・技能試験までに4カ月程度を要し、即戦力化の妨げとなっていた。ジュネーブ条約加盟国出身者は、これまで同様に国際免許証を取得し、講習・試験を受けてからランプパスを取得する。航空業界では、国が定める在留資格を保有し技能を持つ「特定技能制度」などを活用して外国人材の採用を進めているが、免許の切り替えがボトルネックとなり、業務範囲が限られる課題があった。成田市とJGSは2023年に、内閣府が進める国家戦略特区への規制緩和を共同提案したことがきっかけで、国の制度改正による全国措置として実現した。外免切替に伴う待機期間を解消することで育成期間を大幅に短縮し、成田空港でのグラハン業務の生産性向上と、人材確保につなげていく。【Aviation wire news】
2. 福岡空港、JAL 787が灯火にタイヤ接触 羽田行き最終JL332便欠航
福岡空港で1月7日午後9時35分ごろ、日本航空(の羽田行きJL332便(ボーイング787-8型機)が出発後、滑走路手前の誘導路で前脚の右タイヤが航空灯火に接触し、損傷した。この影響で、羽田行き最終の同便は欠航となり、ほぼ満席の乗客289人(幼児1人含む)は福岡のホテルに宿泊し、8日の同社便や他社便に振り替えとなった。JL332便は乗客289人と乗員11人(パイロット3人、客室乗務員8人)の計300人を乗せ、午後9時8分(定刻同10分)に福岡の6番スポット(駐機場)から出発。離陸に使用する第1滑走路(RWY34R)へ進入する手前の誘導路(E11)で、端に設置された航空灯火「エッジライト」に前脚の右タイヤが接触した。羽田には午後10時40分に到着予定だったが欠航となり、午後10時58分に福岡の10番スポットへ戻った。当該機は787-8の国内線仕様機(E21仕様、3クラス291席)。JALによると、タイヤに軽度の損傷があったものの、ほかの部位に損傷はなかったという。【Aviation wire news】
3. ジェイエア、急な揺れで乗客1人骨折 航空事故に認定
日本航空は1月6日、グループ会社のジェイエアが昨年2025年12月8日に運航した伊丹発青森行きJL2151便(エンブラエル190型機)で、降下中の急な揺れで乗客1人が負傷したと発表した。後日、腰椎圧迫骨折と診断され、国土交通省航空局(JCAB)は6日、航空法が定める「航空事故」に認定した。国の運輸安全委員会(JTSB)は調査官を派遣し、原因を調べる。JALによると、発生日時は12月8日午前8時30分ごろで、場所は秋田空港の北北西約23キロメートル付近の上空。乗客61人(幼児なし)と乗員4人(パイロット2人、客室乗務員2人)の計65人が搭乗していた。ベルトサインは消灯しており、急な揺れに遭遇したという。けがをした乗客は機内の化粧室にいた際、揺れにより尻もちをついた。往路便では申告がなかったが、2日後の10日に青森発伊丹行きJL2158便へ搭乗する際、車椅子の使用希望があり発覚した。乗客は9日に受診した際、「右臀部(でんぶ)打撲傷、腸骨骨折疑い」と診断されたと申告。その後、大阪に戻り再受診したところ、25日に腰椎圧迫骨折と診断された。【Aviation wire news】
4. JAXA諏訪宇宙飛行士、’27年にISS初滞在へ 「科学成果に磨きかけ、次世代の有人宇宙開発も意識」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月9日、国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在搭乗員として、新たに諏訪理宇宙飛行士を指名した。諏訪飛行士にとって、これが初の宇宙飛行となる。滞在時期は2027年頃の予定で、日本実験棟「きぼう」を含むISSの各施設の維持・保全のほか、科学実験ミッションを実施することになる。諏訪理氏は現在49歳。プリンストン大学大学院地球科学研究科を2007年6月に修了し、2008年1月には青年海外協力隊にてルワンダに派遣された経験を持つ。その後、国際連合・世界気象機関や世界銀行を経て、2023年7月にJAXAに入構。日本人宇宙飛行士候補者として基礎訓練を参加・修了し、JAXAは2024年10月に諏訪氏を宇宙飛行士として認定していた。今回のISS長期滞在は、国際調整を踏まえて決定したもの。ISSに長期滞在する日本人宇宙飛行士は、諏訪飛行士が8人目となる。【マイナビニュース】

【JAXA提供:記者会見に臨む諏訪理宇宙飛行士】
