KIT航空宇宙ニュース2020WK37
海外のニュース
1.米国新興企業Exosonic社が米空軍と超音速機開発契約
スタートアップのExosonic 社は、将来の“Air Force One:大統領専用機”となりうるlow-boom supersonic executive transport(政府高官用低衝撃波超音速機)を開発する契約を米空軍(USAF)と締結した。このジェット機はNASAのX-59クワイエット超音速研究機と同様の技術を使用することで、ソニックブーム(衝撃波)を低減し超音速で飛行することが可能で、”静かでマッハ1.8 の70 人乗り超音速旅客機を計画しており、低減されたソニックブームで陸地や水上を超音速で飛行できる “としている。同社はまた、この航空機を超音速の商業旅客機としても開発しており、2030年代半ばに市場に投入したいと考えている。
(出所:Flight Global News)
(想像図:Exosonic社HP)
2.米アマゾンがFAAからドローン宅配サービスの認可取得
米インターネット通販大手アマゾンが、小型無人機ドローンによる宅配サービスの認可を米連邦航空局(FAA)から取得。顧客へのドローン宅配サービスを試験する。アマゾンは昨年6月に新型ドローンを披露(下記)。約24キロ以内の距離で、重さ約2.3キロ以下の荷物を30分以内に届けることができる。(出所:共同通信)
(出所:Amazon.com)
日本のニュース
1. IHIが航空機装備品の電動化に先手
IHIは航空機の装備の電動化率をさらに高め最大9割超にするシステムを開発し、2030年半ばの実用化を目指している。IHIが開発したのは、一般的な航空機エンジンを使いながら、空調など他の装備品を電動化するシステム。燃料ポンプ向けの高出力モーターや空冷式の排熱技術などを開発し組み合わせる。燃料を使う従来品の置き換えを想定し、広く普及する米ボーイングの中型機「787」で燃費を4%以上改善できるとしている。
(出所:日経新聞)
(出所:IHIプレスリリース資料)
2.日本航空がKDDI、JR東日本、ドローンメーカーTerra Drone、気象情報サービスのWeather Newsとコンソーシャム構築
当該コンソーシャムは東京都内のドローンによる配送サービス実現可能性を2年間にわたり調査し、医療、食品、セキュリティ分野でのドローン配送の実現可能性を研究。2021年度までに、「運用上の課題を検証し、これらの実証実験を通じて収益性の高い事業を生み出せるかどうかを検討する」としている。(出所:Flight Global)
( 出所:JALプレスリリース資料)