久留米工業大学では、「ディーゼルエンジンにおける水素+バイオディーゼル混焼コンセプトに関する研究」をスタートさせました。
地球温暖化による環境への影響が深刻化し,CO2等の温室効果ガス排出削減が重要な課題である.内燃機関は植物由来のカーボンニュートラル燃料や水素などの非炭化水素燃料への転換が求められている.ディーゼルエンジンはこれまでカーボンニュートラル燃料として植物由来のバイオディーゼル燃料(以下BDF)を用いた研究が行われてきた.BDFは含酸素燃料であり黒煙の生成抑制を期待できる一方で燃料の発熱量が軽油よりも15%ほど少ない欠点もある.このため,BDFを用い軽油と同等のエンジン出力を得るには,燃焼室への燃料噴射量を軽油よりも増量する必要があり,燃料消費が多くなる欠点があった.そこで,本研究は小型ディーゼルエンジンにBDFの低位発熱量の少なさを水素で補った二元燃料システムを適用し,水素とBDFを混焼した際の燃焼特性や黒煙の排出特性についてエンジン実験により調査する.