KIT航空宇宙ニュース2023WK07

補助ブースターロケット(SRB)が点火せずH3ロケット打ち上げ中止
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2023WK07

海外のニュース

1. エアバス UAM は、CityAirbus NextGen の組立てを、2023年に開始する

エアバスのアーバン エア モビリティ (UAM) の責任者である Balkiz Sarihan は、「最初の CityAirbus NextGen プロトタイプの組み立ては、その取り組みの中核部分だが、より広範な運が、エコシステム、テスト環境、および規制環境の構築も含まれている。最初の CityAirbus NextGen プロトタイプの部品は、2024年の初飛行をサポートするために、今年後半に開始される最終組立作業に先立って、ドイツのドナウワースにあるメーカーの施設に到着し始めている」と語った。さらに、「電動垂直離着陸 (eVTOL) 航空機は、2024年にパイロットを乗せずに初飛行を行う予定である」と述べた。【Flightglobal News】

【Airbus提供:開発中の「City Airbus」】

日本のニュース

1. 大分空港、3/16に仕事見学会 就職希望者対象

大分空港は、ターミナル会社など空港内の事業者5社による仕事見学会を3月16日に開催する。就職を希望する高校生以上が対象で、大分駅と別府駅から無料送迎バスを運行する。チェックインカウンター業務や発着時のグランドハンドリング業務など、さまざまな空港業務を見学でき、各企業と個別相談の機会を設ける。参加企業は大分航空ターミナル、JALスカイ九州、エーエスオー、全日警大分支社、KAFCOの5社。申込は3月10日までで先着順となり、大分県のウェブサイトから申し込む。大分空港はアジア初の水平型宇宙港を目指しており、大分市と空港を結ぶホーバークラフトの運航再開を2023年度末に予定している。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:大分空港】

2.  1月の訪日客、東アジアのみで100万人超え 3市場でコロナ前上回る

日本政府観光局(JNTO)の訪日外客数推計値によると、2023年1月の訪日客数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前となる2019年同月比44.3%減の149万7300人で、2カ月連続で100万人を大きく上回った。出国した日本人は69.5%減の44万3100人で、2カ月連続で40万人を突破した。JNTOが重点市場としているのは22カ国・地域。月間の訪日客数は各市場とも大幅な例年割れが続いているが、コロナ前の6-7割まで回復した市場が目立った。22市場のうち2019年同月を上回ったのは3カ国・地域で、シンガポールとベトナム、中東で回復が進んだ。香港は2019年同月やや割り込んだものの、ほぼ同水準まで戻った。中華圏の旧正月・春節が1月下旬だったこともあり、中国と韓国、台湾、香港の東アジア4カ国・地域からの合計訪日客数は100万7600人で、100万人を超えた。【Aviation Wire News】

3.  ワクワクで満たされる世界を」ANAが新経営ビジョン

全日本空輸などを傘下に持つANAホールディングスは2月15日、2030年に向けた新経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を、新中期経営戦略とともに発表した。ANAHDが経営ビジョンを刷新するのは、ホールディングス制に移行した2013年4月以来10年ぶり。航空を中核事業としつつ、「世界中のヒト・モノ・コトの新たな出会いやつながりを創出」し、航空事業から次世代モビリティ、非日常から日常、リアルからバーチャルへと領域拡大を目指すという。また、オープンイノベーションで国や企業を越えてグループ内外の知識や技術をつなぐ。社員を「価値創造の源泉」として、成長とウェルビーイング(心身の健康・幸福)を実現し、グループ全体の商品やサービスを通じて、利用者の人生をより豊かにするという。また、社会から真に必要とされる存在として、環境など社会課題の解決に取り組む。ANAHDは、2023-2025年度の新中期経営戦略を同時に発表。最終年度となる2025年度は売上高2兆3200億円、営業利益2000億円、純利益1220億円、営業利益率8.6%を目標に掲げた。このうちノンエア(非航空)事業は売上高のうち6610億円、営業益は310億円を目指す。ANAブランドの稼働人員は2万9000人体制が目標値で、約3万6000人だった2020年度から7000人削減し、生産性向上を図る。【Aviation Wire News】

4. 女性限定の航空教室、航空5団体がANA施設で3月開催 パイロットや整備士志望

一般社団法人・日本航空宇宙工業会(SJAC)など航空業界5団体は、女性限定の航空教室「Yes I Can!!」を3月5日に全日本空輸の総合訓練施設「ANA Blue Base(ABB、ANAブルーベース)」で開く。女性パイロットや整備士、重工メーカー社員などが講師として登壇。空の仕事に対する理解を深めてもらう。航空機操縦士はANAと本田航空、航空整備士はANAとエア・ドゥ、航空機製造技術者はIHIとウラノ、ヘリコプター操縦士・整備士は朝日航洋の女性社員が講師を務める。対象は16歳から26歳までの女性。航空会社のパイロットや整備士、ヘリコプターのパイロットや整備士、航空機製造メーカーに対し、興味を持つ人の参加を想定している。先着60人で、参加費は無料。時間は午前10時から午後5時までで、受付は午前9時30分から。申込は航空団体が運営するウェブサイト「skyworks」から。締切は2月20日で、定員に達した時点で受付を終了する。【Aviation Wire News】

5.  H3ロケット試験機1号機は打ち上げ中止

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月17日、同日、種子島宇宙センターにて予定していたH3ロケット試験機1号機の打ち上げを公式に中止したことを明らかにした。打ち上げ予定日時は2023年2月17日10時37分55秒(日本標準時)。同時刻に向けて作業を進め、ロケットは自動カウントダウンシーケンスを開始したが、1段機体システムが何らかの異常を検知し、固体ロケットブースタ(SRB-3)へ着火信号を送出しなかったため、打ち上げを中止したという。第1段エンジン「LE-9」の起動後、機体が何らかの異常を検知したことでシーケンスが自動で停止。固体ロケットブースタ(SRB-3)への点火は行われなかった。現在、JAXAでは詳細な状況確認や調査を進めている段階だと説明しており、できる限り早く原因を究明し、可能な限り早いタイミングでの打ち上げ再開を目指したいとしている。【マイナビニュース】

【JAXA提供:SRBブースターロケットへの点火信号が未送信】