KIT航空宇宙ニュース2026WK07
海外のニュース
1. EASA、エアタクシーと救急医療活動の飛行時間制限規則をカスタマイズへ
欧州の安全規制当局は、エアタクシーや救急医療サービスの運用の特定の要件に合わせた飛行時間制限の策定を目指している。この提案は、欧州連合航空安全機関(EASA)が新たに発表した意見書の中で示されている。飛行時間制限に関する規則(「サブパートQ」として知られている)は、もともと定期便とチャーター便の航空サービスを優先していたと述べている。これらの規則はオンデマンドのエアタクシーや医療分野、また単独操縦士の運航にも適用されているが、小型ビジネスジェット機が一般的に使用されていることなど、「明らかな違い」があるとEASAは述べている。EASAの意見は、「これらの便の乗務員に、複数乗務員の運航環境向けに策定された規則の適用を強制することは、実際には飛行の安全性に影響を及ぼす可能性がある」と述べている。「航空安全に関しては、万能の解決策はない。」また、サブパートQは、オンデマンド部門に適用する場合、1日の最大飛行勤務時間が規定されていないなど「根本的な欠陥」があると付け加えている。こうした規定は国の規則で規制されることもあるが、すべてのケースでそうであるわけではない。EASAは、リスクに応じた「柔軟性」を維持しながら、エアタクシーや救急医療業務における疲労の規制を最新の科学的原理とベストプラクティスに「相応する」レベルにまで引き上げたいとしている。こうした事態には、短い通知期間、長い待機期間、頻繁なスケジュールやルートの変更、タイムゾーンの横断、出発便と到着便の間の待機期間などを伴う傾向があります。医療対応には複数便の飛行が必要となる場合があり、状況によっては予定勤務時間を超える必要が生じることもある。EASAは、疲労に関する最新の科学的知見に基づいて見解を策定したと述べているが、これを優れた運航慣行や最新の疲労リスク管理手法と組み合わせていると付け加えている。さらに、このカスタマイズされた規則には、「運航上の現実」を反映した「的を絞った」緩和措置が含まれていると付け加えている。この提案は2028年9月から適用される予定で、約1,500件の回答を集めた協議に基づいている。EASAは、受け取った意見に基づき、ヘリコプターによる緊急医療サービスを規則制定作業から除外し、固定翼航空機に重点を置くと述べている。【Flightglobal news】
【EASA提供:欧州航空救急隊(ビジネスジェット機)】
2. シンガポール航空ショー、4日間で過去最高の6万5000人の業界来場者を記録
シンガポール航空ショーは過去最高の来場者数を記録し、航空宇宙・防衛セクターの好調さを示しました。次回の開催は2028年2月15日から20日に予定されている。AIと持続可能な航空燃料(SAF)が主要なテーマでした。SAFの開発は、脱炭素化の可能性にもかかわらず、コストと規制の課題に直面している。空飛ぶタクシーは、高コストや厳しい規制など運営上の課題に直面しているが、提携や拡大計画は将来の成長を示唆している。【Flightglobal news】

【Flightglobal提供:シンガポールエアショー2026】
3. 電動垂直離陸機がミュンヘンで初の公開試験飛行を完了
ミュンヘンの新興企業ERCシステムは、欧州最大級の電動垂直離陸機(eVTOL)の一つと称する2.7トンの試作機の試験飛行を実施した。この試作機は救急病院への患者の搬送など重量物の輸送任務向けに設計された。翼幅16メートル、ヘリコプター並みの大きさのロメオという名のeVTOL機が、金曜日にミュンヘン近郊のエルディング軍用飛行場で初の公開デモンストレーションを実施した。「2.7トンの荷物を空中に打ち上げられることが証明された。したがって、今後は必要な積載量も実現できる」と、最高商務責任者で共同創業者のマクシミリアン・オリグシュレーガー氏は試験中にロイター通信に語った。試作機は有人または無人で飛行可能で、6座席を備えているが、試験飛行では安全上の理由から空席で飛行した。ERCは2031年にこの機体を市場に投入することを目指しており、搭載重量は約500キログラム(1,102ポンド)を目指している。【ロイター】

【Flightglobal提供:提供:ドイツのミュンヘン近郊のエルディング軍用飛行場で行ったEコプター「ロメオ」(eVTOL – 電動垂直離着陸機)】
日本のニュース
1.スカイマーク、茨城県と包括連携協定
茨城県とスカイマーク(SKY/BC、9204)の両者は2月13日、包括連携協定を締結した。茨城空港の利用促進や地域経済の活性化など、地域課題への対応や県民サービスの向上、持続可能な地域社会の実現を目指す。連携事項は、1)茨城空港を基軸とした観光振興及び航空需要の創出に関すること、2)県産品の販路拡大に関すること、3)茨城空港を基軸とした地域・産業振興及びイノベーションに関すること、4)次世代を担う子ども達の育成及びスポーツ・文化振興に関すること、5)環境型社会づくり及びサステナビリティ教育に関すること、6)県政情報のPRに関すること、7)災害時の輸送支援を通じた地域の安全・安心の確保に関すること、8)その他、地域課題解決及び県民サービスの向上に関すること。茨城空港は2010年3月11日に開港し、スカイマークは同年4月16日に1路線目の神戸線を開設。現在は神戸線を含め4路線運航し、札幌(新千歳)線は2011年2月1日、福岡線は2014年4月18日、那覇線の直行便は2017年3月26日に就航した。【Aviation wire news】

【スカイマーク提供:包括連携協定を締結した茨城県の大井川和彦知事(左)とスカイマークの本橋学社長】
2.JAL、万博「空飛ぶクルマ」没入シアター“縮小版”公開 大阪港で住商らと期間限定
日本航空と住友商事ら4社は2月13日、大阪・関西万博で公開したイマーシブ(没入体験型)シアター「SoraCruise(そらクルーズ)」を再開設すると発表した。次世代モビリティや未来の空を体験できる没入型シアターで、「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)への疑似搭乗などを、大きさを縮小して再提供する。会場は大阪港にあるOsaka Metro(大阪メトロ、大阪市高速電気軌道)の施設で、3月8日から25日までの期間限定。eVTOL専用の離着陸場で、Osaka Metroが管理する「大阪港バーティポート」を会場とするイベントで、「そらクルーズ」のほか、eVTOLの10分の1モデル機体を展示する。このほか、事業を紹介するパネルや動画も放映。Osaka Metroの常設コンテンツも提供する。イベントはJALと住商の2社が主催し、両社が共同設立しeVTOLの国内運航を目指すSoracle(東京・日本橋)と、Osaka Metroの2社が協力する。入場無料。事前予約制でOsaka Metroの特設ページで2月下旬から受け付ける。JALが大阪・関西万博で公開したイマーシブシアター「SoraCruise by Japan Airlines」内では、JALグループの未来想像図「JAL FUTURE MAP」で描く空飛ぶクルマを、映像や立体音響、振動で表現。次世代モビリティによる「未来の空」を体験できるという。ソニーPCL(東京・港区)のイマーシブ技術を導入し、内部前面と左右側面、床面の4面に設置するスクリーンで表現する。4面に映像を投影し、離陸・着陸時には床から振動が伝わる仕組み。万博期間中に約13万人が体験した。万博でのスクリーンの大きさは幅7メートル、高さ4.7メートル、奥行8メートル。今回のイベントは幅5.0メートル、高さ3.4メートル、奥行5.7メートルで、70%程度のスケールに縮小した。Soracleは万博期間中の2025年9月に、大阪・関西地区でのeVTOLビジネス化への連携協定を大阪府と大阪市の両者と締結。米Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)社の5人パイロット1人、乗客4人)乗りeVTOL「Midnight」を使用し、大阪・関西地区では2026年に予定する実証運航を経て、2027年中の商用運航開始を視野に入れる。【Aviation wire news】

【Aviation Wire提供:JALのイマーシブシアター「そらクルーズ」で大阪上空を疑似飛行する空飛ぶクルマ】
3. スターフライヤー、覚醒剤使用容疑でパイロット訓練生逮捕 1/27付で懲戒解雇
スターフライヤーは2月12日、パイロット訓練生だった男(24)が覚醒剤取締法違反の容疑で警察に逮捕され、懲戒解雇したことを明らかにした。逮捕された元訓練生は、2025年4月1日に入社。11月17日から今年1月16日までに、乗客を乗せた商業運航便にパイロット訓練生として計34便乗務し、このうち離陸と着陸を1回ずつ行っていた。また、本社のある北九州空港で乗客を乗せずに離着陸を繰り返す「タッチアンドゴー」を5回実施していた。会社側の説明によると、普段の勤務態度はほかの訓練生たちと同じだったといい、訓練に対する不安などを打ち明けることもなかったという。1月19日に逮捕された際、福岡県警の小倉南署から身元照会があり、覚醒剤使用の疑いを初めて知ったという。スターフライヤーは今後、薬物の専門家による講義や悩み事の相談窓口の周知など、再発防止策を講じていくとしている。【Aviation wire news】
4. 2025年の定時到着率、ANA・JALトップ10圏外 アエロメヒコ首位連覇=英Cirium
航空分野の情報を提供する英国の「シリウム(Cirium)」が公表した、2025年の航空会社別の年間定時到着率によると、運航規模の大きな航空会社を示す「グローバル(全世界)」部門の首位は、アエロメヒコ航空が2年連続で獲得した。全日本空輸と日本航空の日本勢は、トップ10圏外となった。航空会社別のデータでは「アジア太平洋」と「北米」「欧州」「中南米」「中東・アフリカ」の5地域別に集計。便数や提供座席など運航規模が大きく、アジアや欧州、北米など3地域以上に就航する航空会社を「グローバル」とし、定刻に対して15分以下の遅延を「定時到着」と定義する。【Aviation wire news】
5. ORC、CA募集 6月入社
オリエンタルエアブリッジは、客室乗務員の募集を始めた。入社日は6月中の会社が指定する日で、応募書類は3月5日必着。勤務地は長崎空港または福岡空港で、人数は若干名。短大卒業以上と同等の学力を有し、裸眼またはコンタクトレンズ矯正で両眼とも視力1.0以上であることなどが応募条件となる。福岡空港か長崎空港の近隣地域に居住、または居住予定であることも求められる。雇用形態は正社員で、入社後3カ月間は試用期間となる。所定の訓練を修了し審査に合格した場合に継続採用となり、不合格の場合は採用を取り消す。応募方法は、履歴書を3月5日必着で電子メールで提出する。選考スケジュールは、書類選考が3月上旬、1次面接と適性検査が3月下旬から4月上旬、最終面接は4月中旬から下旬を予定。書類選考の通過者にのみ、3月中旬までに1次選考の案内を電子メールで送付する。【Aviation wire news】
6. スターフライヤー、エアバスと学生向け航空産業セミナー 就航20周年で3月開催
スターフライヤーは2月6日、エアバスと共同で学生向け航空産業セミナー「AIRBUS × STARFLYER 航空産業セミナー STEP FOR THE FUTURE」を3月15日に開くと発表した。就航20周年記念企画の一環で、北九州空港島内にある同社トレーニングセンターで、高校生や高専生、大学生を対象に航空業界の仕事や役割を紹介する。当日はエアバスとスターフライヤーのセッションを開催。エアバスのパートでは、航空機の重さや飛行距離、経済性の関係など機体設計の考え方を解説し、スターフライヤーは航空会社の役割や就航路線、客室仕様など、自社の運航を例に航空産業の仕事を紹介する。参加申し込みは、専用フォームから受け付ける。対象は高校生、高専生、大学生で、応募締切は2月20日。定員を超えた場合は抽選とし、当選者のみ事務局から2月中に連絡する。スターフライヤーは2006年3月16日就航。エアバスが航空会社と共同開催するイベントとしては、九州で初開催される航空セミナーとなる。【Aviation wire news】

【Aviation Wire提供】
7. ZIPAIRの“サメ肌”旅客機が国際線で運航 JAXAら協力、塗膜作業の効率化も
ZIPAIR Tokyoが、同社の旅客機に初めて“サメの肌”のような塗膜を施し、1月27日から国際線で運航を開始。航空機の空気抵抗を低減することで、燃料消費やCO2排出量の削減を追求し、脱炭素化を推進するとしている。ZIPAIRは日本航空(JAL)グループの中長距離LCC。今回は同社とJAL、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、塗料関連事業などを手がけるオーウエルの4社が共同で、ZIPAIRが推進するCO2排出量削減の取り組みの一環として、同社の機材であるボーイング787-8型機にリブレット塗膜施工を実施した。なおこれは、JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)の共同実証によって進められてきた取り組みでもある。航空機の機体にこうしたリブレット加工を施し、燃料消費を抑えて脱炭素化につなげる取り組みは、ANAやJALなどが既に実現しており、今回はJALグループの中長距離LCCにも拡がったかたちだ。リブレットとは、サメ肌形状によって水の抵抗が軽減されることにヒントを得て考案した、微細な溝構造のこと。航空機の飛行時の空気の流れに沿って、機体外板に微細な溝を施すことで、飛行時の空気抵抗を減らせるという。今回の機体には、オーウエルとJAXAの共同特許技術である「Paint-to-Paint Method」(既存の塗膜上に、水溶性の型で塗膜に凹凸を形成する手法)をを用いて、飛行機の機体外板にリブレット形状塗膜を実施。リブレット転写シートの圧着治具の改良や、位置決めのための新たなサポート治具の開発により、施工の品質と効率が向上したという。この作業はZIPAIRの拠点がある成田国際空港のJAL格納庫で行われ、東京国際空港(羽田空港)に加えて、成田国際空港でも施工できることを確認した。【マイナビニュース】

【オーウェル社提供:Paint-to-Paint Methodの作業工程の概要】
8. 三菱電機、次期防衛衛星/通信システムの整備を防衛省から受注
三菱電機は、「次期防衛衛星通信の整備」を防衛省から2月6日に受注。現行のXバンド防衛通信衛星「きらめき2号」の後継機となる、次期防衛通信衛星の開発・製造や、防衛省・自衛隊の作戦の基盤となる防衛衛星通信システムを整備する。契約金額は1,235億3,000万円。同社は、現在軌道上で運用され、防衛省・自衛隊の通信に利用されている「Xバンド防衛通信衛星」(きらめき2号)の後継機を開発・製造。さらに、衛星と安全かつ安定的に通信する地上システムも設計し、作戦基盤となる防衛衛星通信システムを整備する。後継機は静止軌道上に配備する予定で、耐妨害性を現行機からさらに強化し、通信容量も拡大。また、衛星のビーム照射地域や通信容量の設定を、運用中でも柔軟に変更できる「デジタル通信ペイロード」を搭載することで、今後も増大が見込まれる防衛省・自衛隊の通信ニーズに対応する。【マイナビニュース】

【三菱電機提供:次期防衛通信衛星のイメージ】
9. 2040年代、人類は月面に常時滞在へ JAXAが公開した国際宇宙探査シナリオを読む
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「日本の国際宇宙探査シナリオ案2025」に関する記者説明会を2月3日に開催。会見では、この資料が提示する2040年代の月面拠点構想や、今後の日本独自の火星そのものへの着陸探査を含む改定した部分を詳細に解説した。「日本の国際宇宙探査シナリオ案」は、日本の国際宇宙探査を進める方向性の案を宇宙機関としてまとめた文書。今回が3回目となる改訂版(第4版)で、2025年11月17日に公開された。JAXAの特定の部門に限らず、横断的に100人のスタッフが関わって作製され、その総ページ数は表紙など含め、実に999ページにも及ぶ。これを読み込んで、すべてのデータを活用できたとしたら、2030〜2040年代のリアルな月面探査SF小説を書けるだろうというほど、正確な情報や予測などが凝縮された資料となっている。「日本の国際宇宙探査シナリオ案」は2016年度に初版が公開され、これまで2019年度と2021年度に改訂が行われてきた。今回は2021年度以降の最新の国際調整や政府関連の活動などに留意しつつ、国際宇宙探査の進捗や検討状況を反映した3回目の改訂が行われ、第4版として公開された。なお、「JAXAの」ではなく「日本の」とされているのは、民間企業なども含めた日本全体での宇宙探査を想定したものだからだ。また、留意すべき点として、同資料はあくまでもJAXAとして「こういう宇宙探査を考えている」という提案であり、決定された計画ではない。要は、政策立案、研究開発、産業連携などの今後の活動に広く活用してもらうことが第一の目的だ。実際、これまでの版は、政府主導による宇宙技術戦略(探査領域)の策定や、月面活動に関するアーキテクチャの検討における参考資料としても活用されてきた。また、JAXA内でも研究開発などにおいて活用されているという。膨大な情報量を詰め込んだ資料であるため、今回の記者説明会では、改訂ポイントである主に4点に絞って解説が行われた。まず、1つ目はサイエンスだ。「月の3科学」(月面天文台、月からのサンプルリターン、月震計ネットワーク)、「(月面や月周辺の)環境理解」、「有人(でなければ行えない)科学」、「科学と産業連携の強化」の4項目が新たに記載されている。今後の「月から火星へ」の流れに沿って、2026年度打ち上げ予定のJAXAの火星衛星サンプルリターン計画「MMX」の次、火星そのものへの日本独自の無人機の着陸探査プログラムも明確化されている。2つ目は、2040年代の宇宙飛行士が常時滞在する月面拠点について。これは、JAXAとトヨタで開発している有人与圧ローバーが活躍する2030年代の後(有人与圧ローバーの活動開始目標年は2031年で、そこから10年間の活動が予定されている)、有人火星探査や持続的な月面社会活動(数百人から1,000人が常時滞在する都市レベルといえる活動拠点)が構築される年代の中間として、2040年代を想定し、40人規模が恒久的に活動できる有人活動拠点として設定された。加えて、初期の科学探査やこの40人規模の拠点の活用において得られるさまざまな技術的・環境的情報を、将来のより大規模な拠点構築活動において効率的につなげていくための各種データ(物質、地質・地形、静的環境、動的環境など)についてもアーキテクチャとして記載されている。3つ目は、技術ロードマップについて。最新の政府・民間・JAXAの政策・事業・研究進捗に合わせ、国際宇宙探査に係わる技術のロードマップが再整理された。それに加え、今回は探査技術のみでなく、共通技術に関するロードマップも新たに記載されたことも特徴となっている。最後は、有人与圧ローバーを含めた、アルテミス計画に日本が提供すべき技術についてだ。今回は、重点化すべき技術領域として、(1)月における科学探査ミッション、(2)多様な輸送手段の実現と、環境情報取得・技術実証のための月面到達機会の確保、(3)有人与圧ローバーへ活用可能な月面活動を支える基盤インフラ技術の実証・整備、(4)将来有人火星探査への貢献を可能とする無人火星探査(火星そのものへの着陸)の4点が提示された。加えて、国際動向、資源存在、国際ルール、キー技術、将来市場など、計画を左右する重要な変曲点要因も整理された。この4つの中で、特に力を入れたというのが、2つ目の2040年代の宇宙飛行士が常時滞在する月面拠点だ。産業界などに対してもヒアリングを行ってまとめられたという。具体的には、NASAが公開している着陸地点候補のひとつの周辺を舞台に、居住区、発電・通信区、燃料製造区、燃料利用・離着陸区、採掘区などが、どれぐらいの間隔で建設すべきかなどもまとめられた。今後、JAXAは今回の第4版をベースに宇宙探査計画をさらに検討し、各国宇宙機関と、有人与圧ローバーに続く具体的な参加・貢献について調整していく。また、日本国内においては第4版をベースに、政府・産業界・アカデミアを含めた幅広いステークスホルダと対話を行い、ステークホルダに参加の準備を促すと共に、今後の反映事項を調整するとしている。【マイナビニュース】

【JAXA提供:日本の国際宇宙探査シナリオ案2025】