KIT航空宇宙ニュース2026WK10

Boeing社の子会社オーロラ・フライト・サイエンシズ社が開発中の機械式操舵方式に代わり、AFC(Active Flow Control)操舵の実証機X-65の胴体(前方から見た写真)が完成、2027年の初飛行を目指している
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2026WK10

海外のニュース

1. オーロラ・フライト・サイエンシズ、実験用X-65「アクティブフローコントロール」実証機の胴体製作を完了

実験用航空機開発会社オーロラ・フライト・サイエンシズは、従来の機械式操縦翼面なしで飛行することを目的とした新型ジェット機の胴体の製造を完了した。X-65として知られるこの設計は、ラダー、フラップ、エルロンなどの可動部品を、胴体に埋め込まれた一連のエフェクターに置き換え、空気のジェット噴射によってピッチ、ロール、ヨーを制御します。このコンセプトは「アクティブフローコントロール」(AFC)と呼ばれています。オーロラは、AFC 設計アプローチにより、航空機の重量が軽減され、複雑さが軽減され、空気力学的効率が向上する可能性があると示唆しています。ボーイングの子会社は1月初め、国防総省の研究プログラムによる3年間の設計作業と小型風洞実験を経て、X-65の機体の製造を開始したことを明らかにした。2月下旬、オーロラ社はウェストバージニア州の自社施設で胴体を完成させたと発表した。X-65のその他の重要部品、例えば主翼アセンブリやエンジンディフューザーも同施設で製造されている。同社は以前、未特定の推進システムと極めて重要なAFC制御システムコンポーネントがすでに現場に設置されており、統合の準備ができていると述べていた。この新型航空機の初飛行は2027年に予定されている。完成したばかりの胴体の写真は、オーロラが以前に公開したレンダリング画像とほぼ一​​致している。X-65の胴体構造は、胴体下部に中央線に沿って設置された大型のエアインテークと、機首部と胴体後部にそれぞれ設置された2つの小型エアインテークを特徴としている。【Flightglobal news】

【オーロラ・フライト・サイエンシズ提供:実証機X-65の胴体(前方から撮影)】

2.ロールスロイス、単通路機用UltraFan 30デモンストレーターエンジンの詳細を発表

ロールスロイス社は、次世代の単通路航空機をターゲットにしたギアード・ターボファン「ウルトラファン30」のコンセプトを発表し、総額約30億ポンドかかるとみられるプログラムの一環として、英国政府から最大2億ポンドの支援を求めている。同社は2026年2月下旬にこのエンジンのモックアップを公開し、V2500プログラムから撤退してから10年以上経ってナローボディ機市場に再参入する真剣な試みと位置付けている。発表と並行して、ロールスロイス社は、すでに投資した5億ポンド以上を基に、スケール実証機の開発とテストの資金援助を受けるため、2026年前半に政府からの初期支援を要請するとの報道もある。ロールス社は、ナローボディ機の生産量は今後25年間で倍増すると予想されており、今後半世紀にわたり英国の航空宇宙産業にとって最大の成長機会となると主張している。UltraFan 30デモンストレーターは2028年に地上テストが予定されており、 2030年代後半に予定されているエアバスまたはボーイングの単通路航空機の完全なスケジュールに一致している。UltraFan 30 は、もともとワイドボディ用途を念頭に開発された、ロールスロイス社のより広範な UltraFan アーキテクチャから派生した 30,000 ポンド推力クラスのギア付きターボファンです。同社のファクトシートによると、デモンストレーターの特徴は以下のとおりです。

・高度な空気力学に基づいて設計された90インチのファン

・バイパス比12:1~15:1

・圧力比50:1

・20MWのパワーギアボックス

・カーボン/チタンファンブレードと複合ケーシングを備えたCTiファンシステム

・積層造形やCMC材料などの高度な製造技術

ロールスロイス社によれば、このエンジンは現在運用中のエンジンよりも最大20%の燃料燃焼効率向上を目指しており、初日から100%持続可能な航空燃料と互換性を持つという。業界の他の分野で研究されているオープンファンコンセプトとは異なり、UltraFan 30はダクト付きソリューションであり、高バイパスギアードターボファンはオープンローター設計に伴う統合や認証の複雑さを伴わずに大幅な効率向上を実現できるというロールス・ロイスの考えを反映している。【Aerospace Global News】

【Rolls Royce提供:ウルトラファン30エンジンのモックアップ】

日本のニュース

1.JAC、新卒・既卒CA募集 27年度採用

日本航空グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューターは、2027年度入社の新卒採用を3月1日に始めた。総合職(事務系・技術系)、整備士、客室乗務員の3職種で、客室乗務員は既卒採用も実施し、総合職は社会人経験者も応募できる。応募締切は職種により異なる。客室乗務員は新卒・既卒を数人程度募集する。このうち新卒は、2027年3月までに専門学校・短期大学・高等専門学校・4年制大学・大学院(修士課程)を卒業・修了見込みの人が対象で、2027年4月以降会社の指定する時期に入社できる人を募集する。既卒は今年3月までに卒業・修了している人で、会社の指定する時期に入社できる人を募集する。いずれも呼吸器、循環器、耳鼻咽喉、眼球、脊椎などが航空機の乗務に支障なく、必要な体力があり、心身ともに健康な人を求める。コンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上で、一定の英語力も条件となる。応募締切は新卒が5月29日、既卒が同月21日。総合職は事務系・技術系ともに数人程度募集する。2027年3月までに4年制大学か大学院(修士課程)を卒業・修了見込みの人か、2024年4月から2026年3月までに卒業・修了した人が対象で、就業経験のある人も応募できる。一定の英語力があることも条件となる。応募締切は事務系が5月6日、技術系が4月12日。整備士は10人程度募集する。2027年3月までに航空専門学校、短期大学・工業高等専門学校(高専)、4年制大学、大学院(修士課程)のいずれかを卒業・修了見込みの人で、一定の英語力がある人を求める。応募締切は4月12日。各職種とも学部学科などの指定はなく、国籍・性別も問わない。書類、ウェブ集団面接、適性検査、面接などで選考する。【Aviation wire news】

2.ソラシド、27年度新卒採用 CA・総合職・整備士

ソラシドエアは、2027年度の新卒採用を3月1日から順次始めた。客室乗務職(CA)と総合職が対象で、CAは10人程度、総合職は20人程度の採用を予定する。客室乗務員は、短期大学、4年制大学、大学院を今年4月から2027年3月までに卒業・修了予定の人が対象で、同年4月以降で会社の指定する時期に入社できることが条件。また、専門学校を今年4月から2027年3月までに卒業予定で、今年10月以降に入社できる人も求める。呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼などに支障がなく、心身ともに健康な人を求めている。エントリー受付は5月18日まで。総合職は、企画やマーケティング、IT、総務、人事などのコーポレート部門の業務と運航管理、乗務員サポートなどオペレーション部門を担う「総合職」と、航空機整備全般に関わる業務の「総合職 整備技術系」の2職種。専門学校、高等専門学校、短大、大学、大学院を2027年3月までに卒業・修了予定の人を対象に募集する。整備士は普通自動車免許の取得が条件となる。エントリーは4月12日午後6時まで。詳細は採用サイト「マイナビ」で公表している。【Aviation wire news】

3.JTA、新卒採用 CA・企画・整備職若干名、27年度

日本トランスオーシャン航空は、2027年度入社の客室乗務員職と業務企画職(事務系・技術系)、整備職の新卒採用を3月1日に始めた。いずれも採用数は若干名で、応募締切は職種により異なる。客室乗務員は4年制大学、大学院、短大、専門学校(2年制課程以上)を2026年4月から2027年3月までに卒業・修了、卒業・修了見込みの人か、2024年4月から今年3月までに卒業・修了した人が対象。矯正視力や居住地、英語力などの条件がある。入社予定時期は2027年4月1日以降に会社の指定する時期。選考は、一次選考が書類と録画、二次選考が面接と適性検査、三次選考が面接と身体検査となる。応募締切は4月13日午後5時。業務企画職は事務系・技術系ともに若干名を採用する。4年制大学、大学院、高等専門学校専攻科を2026年4月から2027年3月までに卒業・修了、卒業・修了見込みの人か、2024年4月から今年3月までに卒業・修了した人が対象。入社予定時期は2027年4月1日以降に会社の指定する時期で、選考は、一次選考が書類と適性検査、録画、二次と三次選考が面接となる。エントリーシートと録画の締切は4月6日、適性検査の締切は同月13日で、いずれも午後5時。整備職は4年制大学、大学院、高等専門学校本科・専攻科を2026年4月から2027年3月までに卒業・修了、卒業・修了見込みの人か、2024年4月から今年3月までに卒業・修了した人が対象。社予定時期は2027年4月1日以降に会社の指定する時期で、選考は、一次選考が書類と適性検査、二次が面接、三次選考が面接と身体検査となる。エントリーシートの締切は4月6日、適性検査の締切は同月13日で、いずれも午後5時。【Aviation wire news】

4.スターフライヤー、27年度新卒45人採用 CA・地上係員など4職種

スターフライヤーは、2027年度の新卒採用を3月1日に開始した。客室乗務職(CA)と地上係員(グランドスタッフ)、整備、本社・現業系スタッフの4職種を「総合職」とし、合計で約45人の採用を予定する。客室乗務員は15人、地上係員と整備、本社・現業系スタッフを10人程度ずつを募集する。いずれも2027年3月までに専門学校・高等専門学校・短期大学・4年制大学・大学院を卒業・修了見込みの人などが応募できる。応募締切は職種により異なる。【Aviation wire news】

5.JAL、福岡でもCA志望者スクール 26年度レギュラー講座

日本航空は3月3日、現役の客室乗務員(CA)などが講師を務める「JALエアラインスクール」について、2026年度に開講するレギュラー講座の日程を発表した。客室乗務員とグランドスタッフの2コース用意し、このうち客室乗務員コースは東京・大阪に加え、新たに福岡でも開講する。レギュラー講座は、大学などに通いながら受講可能なダブルスクール形式で、5月期、10月期、2027年1月期の年3回開講。客室乗務員コースとグランドスタッフコースを用意し、基礎から応用の内容を週1日、12週間かけて学ぶ。対象は18歳以上で客室乗務員やグランドスタッフを目指している人で、定員は各日程10-20人。2コースとも航空業界の現状やJALの取り組み、各職種の仕事内容などを学ぶほか、自己分析や面接個別指導などの就職活動に必要なスキルを習得できるとしている。客室乗務員コースのうち、東京地区は羽田空港付近のJAL施設内を会場とし、5-7月期は4クラス(火木土日)、10-12月期も4クラス(月木土日)、1-3月期は3クラス(火土日)用意。大阪地区は梅田駅付近が会場で、3回とも木曜の1クラスのみ開催する。2026年度から設ける福岡地区は祇園駅付近を会場とし、10-12月期のみ火曜の1クラス開講する。グランドスタッフコースは東京のみで、水曜の1クラスを年3回開講する。料金は客室乗務員・グランドスタッフコースともに東京地区が34万6500円、客室乗務員コースの大阪・福岡地区は29万1500円。東京地区のみ研修施設などの見学や体験などができる。申し込みは同スクールのウェブサイトで受け付けてる。5-7月期の各クラスと10-12月期の福岡地区は3月3日に募集を始めた。10-12月期は7月に、1-3月期は10月に募集を開始する見通し。早期申し込みの場合、人数限定で10%割り引く。【Aviation wire news】

6.カイロスロケット3度目の挑戦も成功ならず、自律飛行安全システムに問題発生の可能性

スペースワンは3月5日11時10分、カイロスロケット3号機の打ち上げを実施したものの、第1段の飛行中に異常が発生。ロケット自身がミッションの達成を困難と判断し、飛行を中断、打ち上げは失敗した。同ロケットの打ち上げ失敗はこれで3機連続。悲願の初成功は、4号機以降に持ち越しとなった。飛行を中断したのは第1段の燃焼中で、打ち上げの68.8秒後だった。そのときの高度は約29km。計画では、打ち上げ2分20秒後に第1段を分離する予定だったので、その半分くらいしか飛行できなかったことになる。機体は破壊され、海上に落下したとみられるが、現時点で人命・財産への被害は確認されていないという。カイロスの前号機は、やはり第1段の飛行中である打ち上げ86秒後に異常が発生。しかし、姿勢を大きく乱しながらも飛行を継続し、フェアリング分離と第2段燃焼開始まで達成していた。同日15時より開催された記者会見において、同社の豊田正和社長は「前回よりも後退しているように見えるかもしれないが、確実にノウハウ・経験を蓄積しており、前進できたと考えている」とコメント。「必要な改善を行い、次の飛行に繋げ、宇宙輸送サービスの実現に向けて、着実に前進したい」と、今回も前向きな姿勢を崩さなかった。今回、3号機の飛行中に何が起きたのか。現時点ではまだ調査中であり、分かっていることは多くないものの、同社の関野展弘副社長・開発本部長は、冗長構成になっている自律飛行安全システムの片系に異常が発生した可能性がある、との認識を示した。【マイナビニュース】

【Yahooニュース提供:カイロス3号機の打上げ】