KIT航空宇宙ニュース2020WK47
海外のニュース
1.DLRが燃料電池によるモジュラー電動ハイブリッド推進システムを開発
DLR(ドイツ航空宇宙センター)が新興航空会社HY2FLYと協力し、2つの異なる航空機を使ってパワーモジュールを開発している。このプログラムはスロベニアの電動航空機メーカーPistrelが主導し、今回ドイツのウルム大学で地上テストが行われた。使用された航空機は4人乗りの燃料電池モジュール搭載したHY4で、Pistrelが製造したトーラスG4を基にDLRによって設計されたものです。もう一つは、同じくPistrelが製造したパテラを改造したもので、バイオ燃料で駆動する内燃エンジンとバッテリーのハイブリッドモジュールが搭載されている。(Aviation Wire)
(Aviation Week提供)
2.ロールスロイスが次世代エンジンデモンストレーターで100%SAFをテスト
ロールスロイスは、脱炭素戦略の一環として、次世代エンジン(Ultra-Fan)の地上試験で初めて100%持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)を使用する予定。この試験は、SAFがガスタービンエンジンの環境性能の改善に大きく貢献することを確認するのが目的です。テストで使用されているSAFは、カリフォルニア州パラマウントにある低炭素燃料の専門会社であるWorld Energyが製造し、Shell Aviation経由、SkyNRGによって提供されました。この燃料は、従来のジェット燃料と比較して、正味のCO2ライフサイクル排出量を75%以上削減する可能性がある。(Aviation Daily)
(Aviation Daily提供)
日本のニュース
1.ANAがタッチレスで手荷物預け機操作を羽田で検証実験
ANAは11月11日、羽田空港第2ターミナルの国内線出発ロビーで、自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop(ABD)」の操作用タッチパネルに後付けした非接触式センサーの検証実験を公開。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、非対面や非接触が求められる中、オンラインでチェックインしても発生する手荷物を預ける場面で、タッチレスでも従来と同等のサービス品質を維持できるかなどを27日まで検証している。
センサーは沖電気工業製で、タッチパネルから約4.5センチほど上に設置。赤外線が指を感知して画面上のどの場所を指しているかを判別している。(Aviation Wire)
(ANA提供)
2.JALが遠隔無人ヘリで物流実証(五島列島、1000キロ先の本社から操作)
JALは11月10日、長崎・五島列島の新上五島町で展開している無人ヘリコプター(ドローン)の実証調査を報道関係者に公開した。1000キロ以上離れた東京・天王洲にあるJALの本社ビルから遠隔操作して離島間を飛行し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査用検体や手術用の血液のほか、郵便物などの日用品を運ぶ。実証調査により、離島間のライフライン確保や物流ネットワークの構築を検討する。(Aviation Wire)
(Aviation Wire提供)
3.野口さん搭乗の民間宇宙船 燃料注入 打ち上げ前の最終段階
JAXAの宇宙飛行士・野口聡一さんが搭乗する米国スペースX社の民間宇宙船「クルードラゴン」運用初号機は、16日午前9時27分(日本時間)に米国航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターから打ち上げられる。野口さんが約半年間滞在する国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングは17日午後1時頃(同)に予定されている。野口聡一さんは神奈川県出身の55歳。「クルードラゴン」1号機の乗組員4人のうちの1人に選ばれ、今回は10年ぶり、3回目の宇宙飛行になります。野口さんは東京大学大学院で修士号を取得したあと、民間企業でジェットエンジンの設計などに携わり、1996年に当時のNASDA=宇宙開発事業団の募集に応募して宇宙飛行士の候補に選抜されました。(NHK News)
(NHK 提供)