KIT航空宇宙ニュースWK16

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2021WK16

海外のニュース

1.Xwingが完全自律型ゲートツーゲート飛行を実施

米国自律型航空スタートアップ会社のXwingは、セスナグランドキャラバン208Bが最初の「商用貨物機の完全自律型ゲートツーゲートデモンストレーション」を実施。リモートで操縦されたセスナグランドキャラバン208Bユーティリティプレーン(自動操縦ソフトウェアスタックを装備)がゲートアウト、タクシー、離陸、着陸、ゲートに戻ることを実証した。Xwingによると、すべての交通管制は離れた場所で行われたとのことです。既存の航空機に自律システムを後付けすることで、規制上および技術上のハードルを下げ、より早く市場に投入できると考えている。自動操縦ソフトウェアは、レーダー、衛星ナビゲーション(ADSB)、光学カメラ、LIDARを組み合わせて使用​​し、他の航空機や障害物を検出して回避可能。【Flighglobal News】

【Business Insider提供】

 

2.EASAが全電動電動航空機と及びハイブリッド電動航空機の認証要件を設定

欧州の航空安全規制当局(EASA)は、将来の全電動航空機またはハイブリッド推進システムの認証要件の初期セット(SC E-19)を発行した。エアバス、ボーイング、エンブラエルなどの複数の航空宇宙企業からの広範なコメントを受け、昨年1月の最初の提案から詳細な特別条件を設定。【Flightglobal News】

【Flightglobal提供】

 

3.Dante航空が電気航空機開発のタイムラインを発表

スペインの新興企業であるDante(ダンテ)航空は、2020年代までに19人乗りの電動サブリージョナル航空機を開発する計画を発表。これまでスペインの航空会社Air Nostrum、Isla Air Express、Voloteaと契約を締結している。この合意には将来の航空機の購入は含まれていないが、電気の世界と航空のクリーンな未来に非常に興味を持っているというサインと言える。【Flightglobal News】

【Flightglobal 提供:電動Dante Aircraft想像図】

 

4.NASAが「アルテミス計画」の有人月着陸船開発でSpaceXを選定

米航空宇宙局(NASA)は、宇宙飛行士の月面着陸を目指す「アルテミス計画」の一環として、月着陸船の開発をイーロン・マスク氏率いる米SpaceXに発注すると発表した。契約総額は28.9億ドル。アポロ計画以来初の宇宙飛行士の月面着陸は、SpaceXの「Starship」で行われることになる。【Engadet News】

【Engadet提供:月面に着陸したStarship想像図】

 

日本のニュース

1.ANA機内食容器を植物由来に変更で廃プラ削減

全日本空輸は4月15日、国際線エコノミークラス機内食の容器をプラスチック製から植物由来の「バガス素材」に8月から順次変更すると発表した。機内で使う使い捨てプラスチック使用量の約3割にあたる年間約317トンを削減できるという。バガス素材は、サトウキビから砂糖を精製する際に残る茎(くき)や葉を活用したもの。ANAによると、機内物品で最大のプラスチック使用量を占めるのが、機内食のメインディッシュが入った「主菜用容器」だという。今回の容器以外では、これまでにエコノミークラス用のナイフやフォーク、マドラーを木製に、ストローをバイオプラスチック製に変更したという。【Aviation Wire News】

【産経新聞提供】

2.ANAドローン配送22年度に実用化

全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスは4月15日、固定翼型VTOL(垂直離着陸)ドローンを手掛ける独ウイングコプター(Wingcopter)と業務提携したと発表した。政府が2022年度に「レベル4」と呼ばれるドローンの有人地帯での目視外飛行の実現を目指していることから、これまでの計画通り2022年度に全国の離島や山間地域でドローン物流の実用化を目指す。最初の事業化は、実証実験を進めている長崎県の五島列島が有力となっている。ウイングコプターの固定翼型ドローンにはプロペラが4基あるが、すべて使うのは離着陸時のみ。水平飛行に入ると前方に左右1基ずつある計2基のプロペラのみ使うため、飛行機のように長距離を高速で飛べ、水平飛行時の騒音を抑えられる。最大飛行距離は120キロ、最大速度は時速約240キロで、最大秒速約20メートルの強風でも自律飛行ができ、ドローン配送でこれまで課題だった距離と速度を解決した。【Aviation Wire News】

【日本経済新聞提供】

3.アラブ初の月面ローバーが日本のispaceのランダーを選択、決め手は「技術力」

ispaceは4月14日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ政府の宇宙機関であるMBRSC(Mohammed Bin Rashid Space Centre)との間で輸送サービス契約を締結したことを明らかにした。同社は2022年に独自の月面探査計画(ミッション1)を実施する予定だが、このランダーにMBRSCが開発する月面探査ローバー「Rashid」を搭載、月面へと輸送する。MBRSCは近年、地球観測衛星「KhalifaSat」や火星探査機「HOPE」をH-IIAロケットで打ち上げるなど、宇宙分野で日本との関わりを深めている。【マイナビニュース】

【Yahoo News提供】