KIT航空宇宙ニュース2022WK06

1982年2月9日に起きたJAL羽田沖事故、機長の精神病が引き起こした事故(乗客24名死亡)
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2022WK06

海外のニュース

1.Joby Aviationが認証テストの実装フェーズを開始

米国を拠点とする電気エアタクシーの開発者であるJoby Aviationは、電気垂直離着陸(eVTOL)航空機の製造に使用される複合材料の適合性テストを開始した。テストは、連邦航空局(FAA)が指定したエンジニアリング担当者の監督下で、材料サプライヤーであるTora Advanced Composites社のカリフォルニア州モーガンヒルの敷地内で実施された。Jobyは、結果として得られたデータは、型式証明プロセスを行う航空機の主要な構造テストに役立つと述べている。同社は、2024年にFAAの型式証明を取得し、同じ年に操業を開始できるようにすることを目論んでいる。(Flightglobal News)

(Flightglobal提供:型式証明取得のための実装テストを始めたJoby Aviation社のeVTOL機)

2.エアバス、エア・リキード、大韓航空、仁川国際空港公社が水素燃料の使用の覚書に署名

この提携では、水素を動力源とする民間航空機の配備をサポートするための韓国国内空港インフラストラクチャの開発についても調査する。また、この提携は、2050年までに韓国政府のカーボンニュートラルの実現に向け支援している。エアバス社は、水素を動力源とする航空機の地上運用の特性、ならびに航空機の特性とエネルギー使用量を提供。また、仁川空港とその周辺で水素供給網を開発し、他の韓国の空港に繋ぐ水素エコシステムを展開するシナリオを構築するロードマップを作成する。(Flightglobal News)

(Flightglobal提供:水素燃料に関する覚書に調印したエアバス、エア・リキード、大韓航空、仁川空港当局)

日本のニュース

1.ANAHD芝田新社長、22年度最終黒字目指す 構造改革の加速も

全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスは2月10日、芝田浩二専務(64)が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。片野坂真哉社長(66)は代表権のある会長に就き、伊東信一郎会長(71)は特別顧問に退く。事業会社のANAも、傘下のLCCであるピーチ・アビエーション創業時にCEO(最高経営責任者)を務めた井上慎一専務(63)が4月1日付で社長に昇格し、平子裕志社長(64)はANAHDの副会長に就任する。芝田新社長は鹿児島県奄美群島の加計呂麻(かけろま)島出身。1982年3月に東京外国語大学外国語学部を卒業後、同年4月にANAへ入社。アライアンス室室長や欧州室長を歴任し、2013年4月1日の持ち株会社制移行時に発足したANAHDではアジア戦略部長やグループ経営戦略室長などに就いた。現在は専務取締役で、グループ経営戦略や広報・コーポレートブランド推進などを担当している。12月で創業70周年の節目を迎える今年、持株会社ANAHDと事業会社ANAのトップが同時に交代する。(Aviation Wire News)

(Aviation Wire提供:左が芝田新社長、右が片野坂前社長)

2.JAL羽田沖墜落から40年 赤坂社長、安全への誓い新たに

1982年に乗客24人が亡くなった日本航空のダグラスDC-8-61型機による羽田沖墜落事故から、2月9日で40年が経った。事故現場となった羽田沖事故慰霊碑付近で40周年慰霊行事が開かれ、JALの赤坂祐二社長らが犠牲者に黙とうをささげた。事故について運輸省(当時)の事故調査委員会は、機長の精神的変調により発生したと結論付けている。赤坂社長は慰霊碑に向かい「航空機技術が進歩しても、安全に向けた乗務員の心身健康の重要性は変わらない。事故を風化させず安全体制を作り上げる」と安全への誓いを新たにした。事故は40年前の1982年2月9日に起きた。福岡発羽田行きJL350便は同日午前8時44分ごろ、羽田空港C滑走路(当時RWY33R)に侵入中に滑走路手前の沖合の海面に墜落。着陸進入中に機長が精神的変調により、エンジンの逆噴射装置を作動させたことによるもので、乗客166人、乗員8人のうち、乗客24人が犠牲となった。重傷者は95人で、うち乗客は87人、乗員は8人。軽傷者は54人で、すべて乗客だった。(Aviation Wire News)

(Aviation Wire提供:1982年2月9日機長の精神病が原因で起きたJAL羽田沖事故)