KIT航空宇宙ニュース2022WK09

ANA系JAL系各国内航空会社が2023年度採用を開始(詳しくは本文の日本のニュース1~5項の記事参照)
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2022WK09

海外のニュース

1.H2Flyが水素燃料電池飛行機HY4の飛行試験を開始

高度なパワートレインインテグレーターH2Flyは、水素燃料電池を搭載したHY4航空機を使用して、130kWシステムのコンポーネントの改善を評価するための別の飛行試験を開始した。ドイツのシュトゥットガルト空港で行われる双胴機HY4のテストキャンペーンは、2月24日に始まり、年の半ばまで実施される予定。現在、パワートレインは改善された断熱と制御を獲得したと同社は言います。さらに、H2Flyは空港運営者と協力して、水素を動力源とする飛行をサポートするために必要なインフラストラクチャと手順を検討している。本番環境に対応したシステムではないが、最新のイテレーションは単なる概念実証のデモンストレーターではないと同社は述べている。また、デモンストレーションフェーズは6〜7年前で、このテストキャンペーンの目標は、制御と操作手順を改善し、冗長性を証明することであると述べている。最終的な目的は、システムが「スケールアップが必要になる前に適格」であることを確認することだと言っている。H2Flyは、ドイツのメーカーであDeutsche Aircraftと、燃料の貯蔵システムを含む水素燃料電池パワートレインを、ドルニエ328ターボプロップの最新バージョンであるD328ecoに統合することで合意している。これには、約1.5MWの総出力が必要となる。ドイツ政府が支援するプロジェクトの開発活動が進行中であり、2025年に燃料電池を動力源とする40人乗りの初飛行を支援している。【Flightglobal News】

【H2Fly社提供:試験飛行中のHY4】

日本のニュース

1.JTA、23年度新卒採用スタート CAと企画職

日本トランスオーシャン航空は3月4日、2023年度入社の客室乗務員と業務企画職(事務系、技術系)の新卒採用を開始したと発表した。応募はJTAの採用ページで受け付ける。締め切りは5月8日午後5時。一部の職種を除きJTAの新卒採用は2020年以来3年ぶりとなる。客室乗務員は若干名を採用。4年制大学か大学院、短期大学、専門学校(2年制課程以上)を2020年4月から2023年3月までに卒業・修了している人と、2022年4月から2023年3月までに卒業・修了見込みの人で、2023年4月1日以降に会社の指定する時期に入社できる人を対象としている。応募できる健康状態は、呼吸器や循環器、耳鼻咽喉、眼球、腰椎などが航空機乗務に支障なく、コンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上であること。公共交通機関を利用し、那覇空港へ60分以内に通勤できることを条件としている。選考は、一次選考が書類と録画、二次選考が面接とテストセンター受験、三次選考が面接を予定する。業務企画職も事務系・技術系ともに若干名を採用。4年制大学か大学院を2020年4月から2023年3月までに卒業・修了している人と、2022年4月から2023年3月までに卒業・修了見込みの人で、2023年4月1日以降に会社の指定する時期に入社できる人を対象としている。学部学科は不問。選考は、一次選考が書類と録画、二次選考が面接とテストセンター受験、三次選考が面接を予定する。【Aviation Wire News】

2.ピーチアビエーショが整備部門スタッフ採用 23年度入社、新卒30人

ピーチ・アビエーションは、2023年度入社の整備部門の新卒採用を3月2日に開始した。アフターコロナを見据えたもので、客室乗務員やスタッフ職に続く採用となる。ピーチが採用を再開するのは約2年ぶり。航空機整備技術職は30人募集。2023年3月までに大学・大学院を卒業か修了見込みの人で、理工系学部の学生を募集する。普通車運転免許とパスポートを持っていることが条件で、業務上に必要な英語レベルを備えている人を求めている。就活サイト「キャリタス就活2023」でプレエントリーする。選考方法は書類と面接で、書類選考通過後は集団での1次面接を実施。2時面接は個人面接で、色覚・騒音検査も同時に行う。ピーチが採用を再開するのは約2年ぶり。2022年度入社の客室乗務員募集はすでに締め切っている。【Aviation Wire News】

3.ANA、総合職とパイロット新卒採用 CAは見送り、23年度入社

ANAホールディングス傘下の全日本空輸は3月1日、2023年度入社の新卒採用を始めたと発表した。グローバルスタッフ職(旧総合職)の事務職と技術職、運航乗務職(自社養成パイロット)、エキスパートスタッフ職(障がい者採用)の4職種で、客室乗務員の採用は2021年12月の発表通り見送る。採用予定人数は事務職が30人、技術職が25人、自社養成パイロットが未定、障がい者採用が若干名。いずれの職種も2022年度卒業見込みの人に加え、2020年度と2021年度に卒業した人も対象にする。グローバルスタッフ職は事務職と技術職とも、4年制大学または大学院を2019年4月から2023年3月までに卒業・修了、または見込みの人が対象。学部学科は、事務職は不問、技術職は理系学部学科としている。入社予定日は2023年4月1日。ANAのウェブサイトでエントリー後、エントリーシートをウェブから提出する。提出期限は4月12日午後5時で、書類選考を通過した人は6月1日から面接が順次始まる。また、海外留学生と教育実習生のうち、希望者を対象に8月選考を実施する。事務職は主に活躍したいセグメントを選ぶ「セグメント別採用コース」と、入社時から特定分野の専門性を持つ人に早い段階で能力を発揮してもらう「専門採用コース」の2コースを用意。技術職はセグメント別採用コースのみとなる。運航乗務職は、4年制大学または大学院を2019年4月から2023年3月までに卒業・修了、または見込みの人が対象。学部学科は不問で、入社予定日は2023年4月1日。 選考は大きく3段階に分かれ、ステップ1はANAのウェブサイトでプレエントリー(基本情報入力)、エントリー(エントリーシート提出)を行い、ANAが実施するパイロット適性テスト「FCAT(Flight Crew Assessment Test)」を受検する。締切はプレエントリーが4月10日、エントリーはFCAT受検完了まで。【Aviation Wire News】

4.JAL、23年度新卒採用 CAは3年ぶり再開

日本航空は3月1日、2023年度入社の業務企画職と運航乗務員訓練生(自社養成パイロット)、客室乗務員の新卒採用を開始した。客室乗務員の採用は2020年以来3年ぶり、企画職は2021年以来2年ぶりとなる。新卒採用は2022年度に卒業見込みの人に加え、2020年度と2021年度に卒業した人も対象にする。パイロット訓練生のみ2019年度に卒業した人も対象となる。地上職の業務企画職は事務系と技術系、数理・IT系で、採用人数は90人程度を採用。運航乗務員訓練生は新卒と既卒の合計で80人程度、客室乗務員が100人程度を予定している。業務企画職では、障がい者採用も実施する。業務企画職は、4年制大学または大学院修士課程を2020年4月から2022年3月までに卒業・修了している人と、2022年4月から2023年3月までに卒業・修了見込みの人が対象。学部学科は、事務系と数理・IT系は不問、技術系は理工系学部学科としている。一般選考のほか2019年度採用で初めて実施した、学生時代の努力や成果を自由にプレゼンテーションする「オンリーワン選考」も継続する。選考は一般とオンリーワンともに、WEB書類選考と適性検査、面接などで、オンリーワン選考はプレゼンテーションが加わる。【Aviation Wire News】

5.スカイマーク、23年度新卒採用 CAは専門卒、パイロット訓練生なし

スカイマークは2月28日、2023年度の新卒採用を実施すると発表した。事務系スタッフなど3職種が対象で、客室乗務員(CA)など一部職種は専門学校生を対象に募集する。事務系のほか、技術系とITの各スタッフも募集する。採用予定はいずれも若干名。2022年4月から2023年3月までの間に、国内外の大学(学士)を卒業・卒業見込み、または大学院を修了・修了見込みの人が応募できる。詳細は3月1日に学生向け就職情報サイト「マイナビ」で発表し、一部Web選考を予定する。このほか、客室乗務員と整備、旅客スタッフ、ランプハンドリングスタッフは原則として専門学校生を対象に採用。パイロット訓練生は、2023年度入社の新卒採用を実施しない。【Aviation Wire News】

6.ANAやJALら、代替燃料SAF国産化へ「ACT FOR SKY」設立

代替航空燃料「SAF(サフ)」の国産化を目指して日揮ホールディングスとレボインターナショナル(京都市)、全日本空輸、日本航空は3月2日、有志団体「ACT FOR SKY(アクトフォースカイ)」を設立した。国産SAFの商用化や普及、拡大に取り組む。SAFはSustainable Aviation Fuelの略で「持続可能な航空燃料」を意味し、原料はバイオマスや廃食油、排ガスなど。航空機や給油設備など既存インフラをそのまま活用し、CO2(二酸化炭素)排出量を現在使用している化石由来の航空燃料と比べて大幅に削減できる。国は2050年の脱炭素社会実現を目指しており、世界の航空業界は2030年に使用燃料の10%をSAFに移行する目標を掲げている。ACT FOR SKYを立ち上げた経緯として、単一原料や製造方法ではSAFの需要をまかなうことができないため生産体制を強化する必要があり、サプライチェーンの構築や認知度向上、エネルギーや航空業界とは異なる業界の協力が不可欠だとして設立に至った。当初の参加企業は16社。「ACTメンバー」と呼ぶ事業として国産SAFに直接関わる企業など14社と、国産SAFのサプライチェーン構築に必要となる企業など「SKYメンバー」の2社でスタートし、日揮とレボ、ANA、JALの4社はACTメンバーの構成企業になる。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:「Act for Sky」の左から日揮、レボ、ANA、JALの各社長】