KIT航空宇宙ニュース2023WK48
海外のニュース
1. コネクティビティは世界のサービス市場の 20 年間の倍増に貢献
エアバスは、デジタル航空機の機能とトラフィックの増加により、民間航空機サービス市場が今後 20年間で実質2倍の 2,550 億ドルに達すると予想している。2042年には整備費が約2100億ドルと最大の割合を占め、訓練と運用で170億ドル、航空機の強化でさらに280億ドルが生み出される見通しだ。これにより、今後 20 年間で、技術者68万人、パイロット59万人、客室乗務員92万人を含む 220万人の人員の需要が創出される。エアバスは11月29日、最新の世界サービス予測の中でこの予測を明らかにした。同報告書によると、中国は2042年までに最大のサービス市場となり、その総額は540億ドルとなり、欧州の480億ドル、北米の450億ドルを上回るという。アジア太平洋地域の残りの地域は430億ドル相当となる。南アジア、中国、中東がこの分野で最も急速な成長を遂げると付け加えた。エアバスは、この期間中に約1万7200機の民間航空機が運航から撤退する可能性があると指摘している。【Flightglobal news】
【エアバス提供:航空機サービス部門で今後 20 年間で 220 万人の人材が必要になると予測】
2.イブ・エア・モビリティとチェジュ航空、韓国におけるUAMの運用コンセプトを発表
Eve Air Mobility (「Eve」) と韓国初かつ最大の格安航空会社である済州(チェジュ)航空株式会社は、垂直電動機向けの新しい運用コンセプトのホワイトペーパーのリリースを発表した。済州島での離着陸(eVTOL)便を運航する。両社は協力して、韓国における将来の都市型エアモビリティ(UAM)運用を現実化するために何が必要かを理解するための第一歩となる分析を作成した。共同で書かれた白書では、済州島で UAM サービスを確立する運用および商業ビジネスの事例を詳細に検討している。これには、2023年初めに実施されたチェジュ航空の顧客の声調査の分析と結果が含まれている。韓国は、都市部の航空モビリティの基礎を築き始めた最初の国の1つで、運用コンセプトの確立は、将来の都市航空モビリティに向けた最初のステップの1つ。イブは、さまざまな都市、国、規制当局と協力して、米国、ブラジル、英国、その他世界中での事業の概念を確立してきた。【Flightglobal news】
【Flightglobal News提供:済州島で飛ぶEve社のeVTOL機想像図】
3.Lilium が電動エアタクシーに関して EASA Design Organization の承認を取得
DOA は、規制当局の垂直離着陸特別条件 (SC-VTOL) 規則に基づく EASA 型式認証に必要なステップです。ドイツの電動垂直離着陸(eVTOL)エアタクシー開発会社リリウムは、型式証明取得に向けて障害を着実に除去している。6人乗りリリウムジェットのメーカーは月曜日、主要規制当局である欧州連合航空安全局(EASA)から設計組織認証(DOA)を取得したと発表した。DOA は、EASA Part 21民間航空機を開発する企業にとって、型式証明プロセスにおいて必須のステップです。リリウム・ジェットは、垂直離着陸着陸(SC-VTOL)規則に関する規制当局の特別条件に基づいて、2020年にEASAによって授与される認証ベースを通じてそのクラスに参入すると予想されている。固定翼設計は翼に埋め込まれた小型の電動ダクトファンによって駆動され、米国の競合他社に一般的な「ティルトローター」推力アーキテクチャとは対照的です。当初、リリウム・ジェット機は地域の航空モビリティルートを飛行し、22~109海里で町と都心部の間で乗客を運ぶ予定だ。最終的には、リリウムは、260海里を超える飛行を構想している。エアタクシーは、ヘリコプターが通常飛行する高度である約10,000フィートを162ノットで巡航する。【Flightgloba News】
【Lilium社提供:Lilium Jetが都市部を飛行する想像図】
4.FAA、コックピットの音声録音要件を25時間に延長する規則を提案
米国連邦航空局は、すべての新規製造航空機について、コックピットのボイスレコーダーの録音時間を現在の2時間の要件から25時間に延長する新たな規則を提案した。「この規則制定により、事故調査官、航空機操縦者、民間航空当局は、事件や事故の考えられる原因を特定し、将来の事件や事故を防止し、FAAの規制を既存の国際要件とより整合性のあるものにするために、より多くのコックピットボイスレコーダーデータを提供することになる。 」と11月30日に公開された文書には書かれている。現在、FAA はコックピットのボイスレコーダーに過去 2 時間の情報を保存し、その後、デバイスが最も古いデータを上書きして 2 時間のローリング録音を維持することを義務付けている。しかし、FAAは提案された規則の中で、「現在の2時間の録音時間要件は、調査とその後の安全勧告に対するNTSBのニーズを満たしていない」と述べている。【Flightglobal News】
【Flightglobal提供:Cockpit Voice Recorder
日本のニュース
1. 横田基地のオスプレイ、屋久島沖に墜落
防衛省などによると、11月29日午後2時47分ごろ、鹿児島県屋久島沖に在日米軍横田基地所属の垂直離着陸輸送機CV-22「オスプレイ」が墜落した。米軍から連絡を受けた防衛省では「不時着水」と発表している。乗員6人のうち、救助された1人の死亡が確認された。都内の横田基地を出発したCV-22は3機で、山口県の岩国基地経由で沖縄県の嘉手納基地へ向かっていたという。防衛省によると、陸海空3自衛隊が午後2時58分以降、航空機などを自主派遣し、捜索救難活動を開始した。自衛隊のレーダーからは、午後2時40分ごろに航跡が消えたという。V-22はボーイングとヘリコプターメーカーのベル・テキストロンが共同開発し、1999年5月24日に納入開始。米空軍の特殊作戦部隊仕様となるCV-22は、2000年9月に最初の試験機2機が引き渡され、最初の運用機は2007年1月にAFSOCへ納入された。初期運用能力は2009年に獲得し、日本国内では横田基地に配備されている。【Aviation wire news】
【TBS News提供:墜落した米軍のオスプレイCV-22型機】
2. トキエア、1/31就航 新潟-札幌丘珠を週4日
新潟空港を拠点に就航を目指すトキエア(TOK/BV)は11月29日、1路線目となる新潟-札幌(丘珠)線を2024年1月31日に開設すると発表した。航空券の予約開始は1月中、1日2往復4便を週4日運航する方向で調整しているが、最終決定には至っていない。運航スケジュールは調整中としているものの、今年8月の就航予定から大きな変更はないという。機材は仏ATR製ATR72-600型機(1クラス72席)を使用する。8月10日に運航開始を予定していた計画では、運航日は金曜と土曜、日曜、月曜の週4日で、1日あたり2往復4便を予定。1往復目の札幌(丘珠)行きBV101便は新潟を午前9時50分に出発し、午前11時30分着、2往復目の丘珠行きBV103便は午後2時20分に新潟を出発し、午後4時に着くスケジュールだった。正式なスケジュールが決まり次第、改めて発表するという。運賃は、予約変更可能で当日まで購入できる空席連動型の「トキビズ」が片道2万4000円から2万9000円、出発時刻の72時間前まで購入でき、予約変更できない「トキトク」が6900円から1万9900円、搭乗日の3日前から購入でき予約変更できない12歳から25歳の利用者限定の「トキユニ」が1万2500円、障がい者割引運賃が1万6900円となっている。トキビズとトキトクは子供運賃を設定する。航空券は同社ウェブサイトとコールセンターで販売する。【Aviation wire news】
【Yahooニュース提供:就航日を記者発表するトキエア長谷川社長】
3. 福岡空港、運動会で異業種交流 満足度アップで従業員定着へ
福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は、空港内の事業者や団体が参加する大運動会を12月3日に初開催する。事業者間の交流促進を目的としたイベントで、就航する航空各社や関連企業・団体など19者が参加する。空港内の異業種間交流を深めることでスタッフの定着化やモチベーションアップを図り、ES(従業員満足度)向上につなげる。参加するのは全日本空輸グループのANA福岡空港とピーチ・アビエーション、日本航空グループのJALエンジニアリング、JALグランドサービス九州、JALスカイ九州など。国土交通省大阪航空局福岡空港事務所や福岡空港警察署なども参加し、19事業者約200人が交流する。事業者混在の4チームに分かれ、玉入れや綱引き、ムカデリレーなど7競技で対戦し、事業者間の交流を図る。会場は空港近くにある福岡市立席田小学校の体育館。午後1時30分から午後5時まで。FIACは福岡空港全体のCS(顧客満足度)向上を目的とした「TEAM FUK(チーム福岡空港)」を結成。約160の事業者・団体で構成し、2020年8月から活動している。同年9月には航空会社の垣根を越え、国内航空各社とFIACが各社便を合同で見送った。【Aviation wire news】
4. “宇宙の街”日本橋のビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2023」開幕!
日本国内における宇宙ビジネスの中心地・日本橋を舞台にしたアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2023」が、11月27日に開幕。今年で3回目の開催となるNIHONBASHI SPACE WEEKは、国内外の宇宙に携わるプレイヤーが一堂に会するアジア最大級の宇宙ビジネスイベントで、昨年は延べ約7000名が参加したとのこと。今回はさらに規模を拡大し、54の企業・団体が出展する「EXHIBITION」をはじめ、世界各国の宇宙産業振興や日本政府としての宇宙領域への取り組み、スタートアップが取り組む新規宇宙ビジネスなどをテーマとした産学官の宇宙関係団体によるビジネスカンファレンス、各プレイヤーたちの交流を促進するネットワーキングの機会など、5日間で20の宇宙関連イベントが実施される予定だ。今回のNIHONBASHI SPACE WEEKは、2023年4月に始動した宇宙ビジネス共創プラットフォームのクロスユーが主催。本格稼働から半年ほどで会員数が200を超えるなど、宇宙ビジネス業界を牽引する同団体が先導し、宇宙産業の新たなアイデアを生み出すことを目指すという。【マイナビニュース】
【マイナビニュース提供】
5.打上げ時のロケット内部は意外と静か、前澤友作氏がISS滞在映画に込めた思い
日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在して宇宙旅行を実現したZOZO創業者でもある実業家の前澤友作氏は11月27日、東京・日本橋にてドキュメンタリー映画「僕が宇宙に行った理由」(2023年12月29日公開予定)の完成披露上演会および「HELLO SPACE WORK! NIHONBASHI 2023」の特別展オープニングイベントに出席。前澤氏に加え、同作品の監督を務めた平野陽三氏も上映会・イベントに登壇し、実際に宇宙に行った感想や映画の見どころなどを語った。同作品は前澤氏が米宇宙旅行会社スペースアドベンチャーズとロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)の協力のもと、2021年12月にロシアの「ソユーズMS-20宇宙船」に乗り、日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した宇宙旅行を撮影したドキュメンタリーで、宇宙に飛び立つまでの身体検査や過酷なトレーニングの様子、その時々の素直な心境のほか、実際に宇宙に飛び立ちISSにて12日間滞在している様子などが詳細に描かれている。民間人の宇宙旅行と聞くと、お金さえあれば簡単に行って帰ってこれることを想像する人もいるかもしれないが、宇宙にいくには民間人であろうとも過酷なトレーニングを行い宇宙飛行士と同じくらい宇宙について勉強し、テストに合格しなければ行くことができない。劇中ではそうしたトレーニングなどに命がけで取り組む前澤氏や平野氏の様子が映し出されており、宇宙に行くということがどれだけ凄いことが伝わってきた。実際に宇宙へロケットが発射される際の様子について聞かれると、ロケットの中にいると意外にも静かで大きな揺れなどは感じなかったと発言。「宇宙映画でよくみる大きな振動と音で迫力ある発射のイメージとは違って、気づいたら発車している新幹線のように揺れなどなく気づいたら動いていました」とし「ぜひ機会があったらみなさんも行ってみてください」と宇宙旅行をおすすめしていた。【マイナビニュース】
【マイナビニュース提供:ソユーズ宇宙船のレプリカと平野氏と前澤氏(右)】
6. JAL系JAC、総合職と整備士の1日インターン 12月と1月開催
鹿児島空港を拠点とする日本航空グループの日本エアコミューター(JAC)は、総合職技術系、整備士、総合職事務系の仕事を体験できる1日インターンシップの参加者を募集している。総合職技術系と整備士は12月3日締切で、開催日は12月16日か17日のいずれか、総合職事務系は2024年1月13日締切で、開催日は1月13日か14日のいずれかとなる。対象は総合職技術系コースと事務系コースが大学、大学院の在籍者、整備士コースが専門学校、高専、大学、大学院の在籍者で、いずれも学部学科は不問。内容は会社・業務内容紹介、オフィス・格納庫見学、就業体験、グループディスカッション、社員との座談会を予定している。場所は鹿児島空港内のJAC本社で、時間は午前9時30分から午後5時30分までを予定。開催日を選択して採用サイト「マイナビ」から応募し、応募多数の場合は抽選となる。・【Aviation wire news】
7. ピーチ、客室乗務員70人募集 経験不問、5月以降入社
ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は12月1日、客室乗務員の採用を始めた。2024年度入社で、採用人数は70人程度、入社時期は2024年5月以降となる見込み。応募は1月9日正午まで。勤務地は関西空港や成田空港、那覇空港をはじめ、会社が指定するオフィス。雇用形態は有期雇用契約社員でスタートし、客室乗務員の辞令が発令されると正社員に切り替わる。国籍や年齢、性別、経験は不問。既卒の場合、今年の11月末までに専門学校、高専、短大、4年制大学、大学院を卒業・修了または見込みの人で、最終学歴が高卒の場合、3年以上の就労経験が必要になる。新卒は2024年3月末までにこれらの学校を卒業・修了見込みの人が対象。選考はWebエントリー選考、面接、筆記試験、身体検査を実施。一次面接と筆記は1月20日または21日のいずれか1日、二次面接と身体検査は2月10日または11日を予定している。ピーチによると、10月に固定給制度を導入するなど給与体系を見直し、これまでの経験を生かして働きやすくしたという。現在は国内線25路線、国際線12路線を運航している。【Aviation wire news】
8. 福岡空港、国際線北側コンコース延伸部分が開業 搭乗橋増設、滑走路眺めて食事も
福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は12月1日、国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の全面供用を開始した。従来はバス搭乗だったスポット(駐機場)にPBB(搭乗橋)を6基増設し、利便性を向上させた。建設中の第2滑走路が供用開始となる2025年に向け、北側ターミナルの増改築や連絡バス専用道路の整備などを進めていく。現在の国際線ターミナルは、1999年5月20日に開業。当時の旅客数は年間約250万人で、コロナ前の2018年度は約690万人まで増加し、2048年度には1600万人を目指す。FIACは国際線旅客の増加に対応するターミナル増改築を進めており、容量拡大の一環で北側コンコースを約240メートル延伸した。延伸部分は「日本家屋の縁側」をイメージし、天井やファサード(外観)は木調で仕上げた。国際線のスポットは16カ所あり、コンコース延伸前は6カ所がPBB対応で、残り10カ所はバスで搭乗・降機していた。延伸後はバス搭乗だった10カ所のうち、ターミナルに近い6カ所がPBB対応となり、全16カ所のうちPBB搭乗が12カ所(延伸前6カ所)、バス搭乗が4カ所(同10カ所)になった。PBB増設に伴い、商業施設3店舗も新たにオープン。ドラッグストアとダイニングバーを12月1日にオープンし、2024年2月にはカフェが開業を予定している。ワーキングスペースやキッズスペース、トイレ、授乳室、喫煙室も備え、動く歩道も3基新設した。国際線ターミナルの増改築工事では、今年5月にラウンジを開業以来24年ぶりに刷新。国内線ターミナルと結ぶ「内際連絡バス」専用道路も整備しており、国際線から国内線に乗り継ぐ際の移動時間が現在は15分かかっているが、2025年度の完成後には5分と、大幅に短縮する。また。ターミナル北側増築部分の開業は第2滑走路が供用開始となる2025年3月末、既存施設の改修部分は同年11月の完成を目指す。【Aviation wire news】
【Aviation Wire提供:福岡空港国際線ターミナル・コンコース延伸部分のカフェテリア】