KIT航空宇宙ニュース2021WK01

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2021WK01

新年あけましておめでとうございます。今週号が2021年最初のKIT航空宇宙ニュースになります。今年も、少しでも航空宇宙に興味を持って頂けるよう、最新の航空宇宙ニュースを提供していきたいと思います。

新年早々、新型コロナウィルス感染拡大により、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に、緊急事態宣言発出の検討がなされるという事態になっており、今年も皆さんは、不自由な学園生活を余儀なくされることになるかもしれませんが、できるだけ明るい希望の持てるニュースを提供していきたいと思います。(編集者:小林)

 

海外のニュース

1. アメリカン航空が737MAXの運航を再開

アメリカン航空はB737MAX8による飛行を再開したと発表した。マイアミから飛び立ったアメリカン航空グループの737MAX8は予定より若干早い米東部時間29日午後1時10分(日本時間30日午前3時10分)にニューヨークのラガーディア空港に到着した。米当局は飛行制御システムの広範な修正や他の改善を命じた後、運航停止を先月解除している。ブラジルのゴル航空、メキシコのエアロメヒコも既に運航を再開しており、737MAXの最大顧客のサウスウェスト航空も運航再開を予定している。【Reuter】

【Bloomberg提供】

 

2.FAAがドローン運用に関する 2 つの新しい規則を発表

FAA は、「Remote Identification of Unmanned Aircraft Final Rule (無人航空機の遠隔識別に関する最終規則)」と「Operation of Unmanned Aircraft Systems Over People Final Rule(無人航空機システムの運用に関する最終規則)」の2つの規則を定め、「無人航空機(UA)の国家空域システムへのさらなる統合に向けた次の段階的なステップ」と位置付けている。

” Remote ID は、飛行中のドローンの識別とコントロールステーションの位置情報を提供し、国家安全保障機関や法執行機関、公共の安全を確保する責任を負う他の当局者に重要な情報を提供するもので、更に、第二のルールは、遠隔地のパイロットがどこで、どのような条件で航空機を飛ばすことができるかを規定するものである。【Flightglobal】

【New York Post提供】

 

日本のニュース

1.空陸両用貨物ユニットをヤマトHDとJAXAが開発

ヤマトホールディングスは12月18日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、新たな物流サービス導入に向けて物流電動垂直離着陸機(物流eVTOL)への装着と、地上輸送手段への搭載の両方が可能な大型貨物ユニット「ピューパ8801」の空力形状を開発したと発表。

空の領域を活用する物流サービスの実現には、航空/陸上輸送間の切り替えを合理化し、荷役作業の物流フロー全体の時間と、作業効率化を達成するため、航空と陸上それぞれの輸送の要求を同時に満たす空力形状が求められる。

ヤマトHDはこれまで培ってきた陸上輸送などの物流ノウハウに加え、自社で行ってきた物流電動垂直離着陸システムに関する研究・開発成果から導出した条件に基づき、貨物ユニットのコンセプトモデルを企画した。JAXAはこのコンセプトモデルに対して、世界最速レベルの流体解析ツール「FaSTAR(ファスター)」をはじめとする数値シミュレーション技術を使って解析し、航空技術の知見に基づいた検証と形状改善を提案した。【JAXAニュース】

【JAXA提供】

 

2.JAL777用PW4074エンジンのファンブレード損傷原因は疲労破壊

国の運輸安全委員会(JTSB)は、日本航空の那覇発羽田行きJL904便(ボーイング777-200型機、登録記号JA8978)で12月4日に起きた左エンジン損傷について、破損した2枚のファンブレードのうち、1枚に疲労破壊の特徴である模様がみられたことを明らかにした。もう1枚は同様の模様は確認できなかったという。疲労破壊の見られたファンブレードの総使用時間は4万3060時間、総飛行回数は3万3518回だった。なお、JAL/ANAの同型エンジンを搭載する全37機に対し検査を行い異常がないことが確認されている。PW4000のファンブレードは個別に使用時間を管理しており、これまでは飛行回数6500回ごとに検査していたが、今回の重大インシデント発生を受け、検査間隔を従来の半分にあたる3250回ごとに短縮した。【Aviation Wire News】

【日本航空提供】