KIT航空宇宙ニュース2024WK49

KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1. 仏Aura Aeroが全電動練習機「インテグラル E」の初飛行に成功

フランスの新興企業 Aura Aero は、2 人乗りのアクロバット練習機 Integral E の電動バージョンで初飛行を行った。この飛行機は 12 月 3 日にトゥールーズ フランカザール空港から 12 分間飛行し、2 年間の飛行試験を開始した。インテグラルEは、オーラエアロが開発中の2人乗り練習機のクリーンシートファミリーの3番目のメンバーであり、それぞれ2023年と2020年に初飛行を行った熱動力のインテグラルS(三輪式)とインテグラルR(テイルドラッガー)の派生型を補完するものです。昨年のパリ航空ショーで初めて公開されたインテグラル E は、メーカーの推定では飛行時間当たりのコストが同クラスの熱気球機の半分で、どちらの着陸装置構成でも利用可能となる。サフラン エンジン US モーター (兄弟機に搭載されているライカミング IO-360-M1A / AEIO-360-M1A とは対照的) で駆動するインテグラル E は、約 1 時間の航続距離と 30 分未満の過給容量を約束している。Integral R の最初の納入は 2025 年初頭に開始される予定で、Integral E は 2026 年に就航する予定です。【Flightglobal news】

【Flightglobal提供:ツールーズ空港で初飛行を行った全電動練習機「Integral E」】

2. 米判事、737MAXの致命的な墜落事故でボーイングの司法取引を却下

米国の裁判所は木曜日、ボーイングが737MAXの2度の墜落事故を受けて詐欺罪で有罪を認めた合意を却下し、合意に含まれる多様性と包摂性に関する条項に問題があるとした。ボーイングはすぐにはコメントしなかった。広報担当者によると、ボーイングとの司法取引を仲介した米国司法省が判決を検討中だという。ボーイングと司法省の選択肢としては、司法取引の却下に対する控訴、または裁判所の承認を得るために再交渉した合意を提示することなどがある。保守派に有利な判決を下してきたテキサス州フォートワースのリード・オコナー連邦地方判事は、司法取引の中で、ボーイング社のコンプライアンス慣行を監査する独立監視員の選定に関する司法省の多様性政策に言及した一文に注目した。同判事は10月にボーイング社と検察側にこの件についてさらに説明するよう求めていた。オコナー判事は、司法省は今後30日以内にこの事件をどう進める予定かを裁判所に報告しなければならないと判決を下した。【ロイター】

【Flightglobal提供:2019年3月10日のエチオピアでの737MAX墜落事故現場】

日本のニュース

1. ANA系avatarin、新千歳空港でアバターロボット検証 遠隔操作で人手不足対応

ANAホールディングスが出資するavatarin(アバターイン、東京・中央区)は、新千歳空港で同社が開発した遠隔操作できるアバター(分身)ロボット「newme(ニューミー)」を活用した空港の案内業務と多言語対応の実証実験を12月10日から実施する。空港業務の人手不足に、アバターロボットでどのように対応できるかを検証していく。新千歳空港の連絡施設2階の国際線到着口周辺などにアバターロボットを設置。都内にあるavatarinのオフィスから遠隔操作し、観光情報や空港からの地上交通機関など、利用者からの質問にアバターロボットを介して答える。今回の実証実験は、ソニーワイヤレスコミュニケーションズ(SWC)の提案が採択された総務省の「令和6年地域デジタル基盤活用推進事業」にavatarinが参画。新千歳空港を運営する北海道エアポート(HAP)が協力し、ローカル5Gを活用したアバターロボットの複数台同時稼働や、複数の場所に設置したアバターロボットを、複数のスタッフで運用するといった条件下で検証する。【Aviation wire news】

【Aviation wire提供:千歳空港に設置されたアバターロボット「ニューミー」】

2. JAXAとAstroX、気球につるした大型構造物のコントロール装置を研究開発

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とAstroXは、気球に搭載した大型構造物の姿勢を高い精度で制御する「気球用プラットフォーム懸垂型姿勢制御装置」を共に研究開発すると12月3日に発表。高空での気球の多様な用途への活用と運用性向上の実現をめざす。AstroXは姿勢制御装置の地上での評価試験、製品としての繰り返し利用に必要な高信頼化・高耐久化の技術開発、姿勢制御装置のパッケージ化開発を行う。JAXAは、気球本体に吊す大型搭載物の姿勢を高精度で制御できる装置の開発と、開発した装置の実フライト試験環境の技術実証に向けた準備を進める。今回の取り組みは、宇宙ビジネスをめざす民間事業者らとJAXAが手を組み、新たな発想の宇宙関連事業を創出する「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)の枠組みで進めるもの。両者は事業コンセプト共創として、2025年度に地上でのシステムレベルの評価試験を実施。2027年度に姿勢制御装置のパッケージ化をめざすとしている。【マイナビニュース】

【Yahooニュース提供:JAXAとAstroXが気球につるした大型構造物のコントロール装置を研究開発】

3. JTBとSkyDrive、「空飛ぶクルマ」の事業化を目指す連携協定を締結

JTBとSkyDriveは12月2日、“空飛ぶクルマ”を活用した新しい観光価値体験の創出、および企業や自治体を通じた地域への導入支援を目的とする連携協定を締結したことを発表した。JTBは、地球を舞台に新たな交流時代を切り拓く交流創造事業を事業ドメイン(事業領域)として、同社ならではのソリューションの提供により、顧客の感動・共感を呼び起こすことを目指しているとする。一方のSkyDriveは、“100年に一度のモビリティ革命を牽引する”ことをミッションに掲げ、日常の移動に空を活用する未来を実現するべく、空飛ぶクルマの開発を行っている。そんな両社は今回の連携により、次世代モビリティとして期待される空飛ぶクルマの社会実装に向け、SkyDriveが保有する空飛ぶクルマの開発に関する知見やデータ、そしてJTBが持つ商品企画力や全国ネットワークを活用し、空を活用した効率的な観光地巡りなど新たな観光体験の創出を目指す。また企業や自治体を通じて地域への導入を加速させることで、地域活性化も推進するという。【マイナビニュース】

【航空新聞社提供:JTBとSkyDrive、「空飛ぶクルマ」の事業化を目指す連携協定を締結】