KIT航空宇宙ニュース2024

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2025WK02

海外のニュース
1. エアバス、納入766機 6年連続ボーイング超えへ=24年実績
エアバスは現地時間1月9日、2024年(1-12月)の民間機引き渡し数が86社へ766機(前年比31機増)だったと発表した。純(ネット)受注数は826機(同1268機減)で、納入は4年連続で前年越えとなったものの、受注は4年ぶりに前年を割り込んだ。競合のボーイングは年間実績を間もなく発表する見通し。11月末時点での納入は318機となっており、エアバスの納入は2019年から6年連続でボーイングを上回る見込み。引き渡しの内訳は、A320ファミリーが602機(前年は571機)、A330ファミリーが32機(同32機)、A350 XWBファミリーが57機(同64機)、A220(旧ボンバルディアCシリーズ)が75機(同68機)で計766機。双通路(ワイドボディー)機のA350は前年を下回ったものの、単通路(ナローボディー)機のA320ファミリーが前年比31機増で好調だった。【Aviation wire news】

日本のニュース

1.JAL、リブレット塗装の787-9公開 サメ肌で国際線の燃費改善検証
日本航空は1月10日、サメ肌の構造を模して燃費を改善する「リブレット」を塗装した国際線機材ボーイング787-9型機を羽田空港の格納庫で公開した。JAXA(宇宙航空研究開発機構)と塗料関連事業を手掛けるオーウエルの3者共同の取り組みで、燃料消費量を年間約119トン、CO2(二酸化炭素)排出量を同381トン削減が見込まれ、1月中旬の就航を予定している。3者によると、787へのリブレットの実装は初めて。リブレットを塗装した機体が国際線に投入されるのも初となる。3者の実証実験は、737-800の国内線仕様機を使い、2022年7月にスタート。10日にお披露目した787-9は、2024年12月から今年1月までリブレット塗装の作業が羽田で行われた。リブレット塗装のみの作業期間は最短で約2週間だが、ほかの整備作業も同時に行われることが多いため、JALではおおむね1カ月以内の工期を想定している。JAXA航空技術部門の神田淳・航空環境適合イノベーションハブ長によると、サメのうろこにヒントを得たリブレットの研究は1970年代から始まり、既存機にも適用できる点がメリットだという。飛行中に起こる気流の小さな渦が機体に接触すると摩擦抵抗になり、燃費が悪化するが、リブレットを実装すると機体表面から離れたところに渦が形成され、機体に渦が接する部分を減らすことで摩擦抵抗を抑えられ、燃費改善につながるという。JALが100%出資する整備会社JALエンジニアリング(JALEC)で、リブレット塗装に携わる緒方隆裕氏によると、航空機にリブレットを施工する場合、塗装とフィルムの貼付があるという。塗装による施工は、重量増加がほとんどなく、はがれ落ちるリスクがないものの、熟練の塗装スキルが必要になるといった課題がある。一方、フィルム施工は作業はしやすいものの、フィルム分の重量増加や、フィルムの接着が不十分な場合にはがれるリスクがあるといい、都心上空通過ルートなどを勘案して、塗装による施工を選んだ。リブレットが塗装により施工された部分は、光の反射率が変わることからデカールを貼ったように色合いが異なる。また、独ルフトハンザ テクニックが開発したリブレット加工フィルム「AeroSHARK(エアロシャーク)」の場合、機体の安全性を証明する「型式証明」を取得する必要があるのに対し、リブレット塗装は取得が不要。JALによると、多くの機種に展開しやすい点も塗装による施工のメリットだという。【Aviation wire news】

【マイナビニュース提供:オーウェル社によるPaint-to-Paint Methodによるサメ肌塗膜の形成】

2.福岡空港、第2滑走路3/20から 21.1万回発着可
国土交通省航空局(JCAB)は1月10日、福岡空港の第2滑走路を3月20日から供用開始すると発表した。現在は滑走路1本の空港としては国内で旅客数・発着回数ともに最も多く利用されており、処理能力を向上させることで、国際線を中心に新規就航や増便の要望に対応する。新滑走路は長さは2500メートルで、既存滑走路(2800メートル)の西側に設置。現在の発着回数は1時間あたり38回で、増設後は40回に増える。進入方式の高度化などで45回まで増枠できるという。年間の発着回数は現在17万6000回で、増設後は18万8000回となり、最大21万1000回まで対応できる。【Aviation wire news】

【Yahooニュース提供:赤い点線で囲まれた部分が2本目の新滑走路】

3.トキエア、全便欠航1/14まで延長 部品調達に時間
トキエアは1月9日、全便欠航を14日まで延長すると発表した。不具合が発生した機体部品の調達に時間がかかることから、当初10日までとしていた欠航期間の延長を決めた。同社によると、不具合が起きたのは2機運航する仏ATR製ATR72-600型機のうち初号機。6日の中部発新潟行きBV404便の飛行中に不具合が発生し、新潟空港へ到着後の点検で、主翼前縁の除氷装置が損傷して部品交換が必要となった。現在、交換部品を海外から取り寄せている。部品空輸後は陸路で新潟空港へ運ぶため、道路状況や天候により遅延の可能性があるという。また部品交換作業はハンガー(格納庫)などの屋内作業スペースがなく、雪や雨など新潟空港の天候により作業時間が長引く可能性もあることから、全便欠航期間が延長となる場合もあるという。もう1機の2号機は、昨年12月15日に中部空港(セントレア)から新潟へ向かう際に被雷。現在整備作業が長引いており、当初は13日に作業を終える予定だったが、20日まで1機体制となっているところ、残る1機も運航できなくなった。【Aviation wire news】

4.羽田空港、JAL機パンクでB滑走路一時閉鎖 原因は調査中
羽田空港で1月9日午前9時23分すぎ、日本航空の小松発羽田行きJL182便(ボーイング737-800型機)が着陸後にパンクした。誘導路でタイヤを交換後、自走して第1ターミナルの7番スポットまで自走し、午前11時21分に到着した。国土交通省航空局(JCAB)によると、パンクの原因などは調査中だという。運航時のトラブルでけが人が出ると航空法上の「航空事故」に認定される場合があるが、パンクによるけが人はなかった。国交省によると、B滑走路は午前9時23分から51分まで約30分閉鎖。航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、B滑走路へ向かっていた到着機は午前9時27分以降、ルフトハンザ ドイツ航空のミュンヘン発DLH714便(エアバスA350-900型機)など計4便が着陸をやり直した。【Aviation wire news】

【Yahooニュース提供:羽田空港着陸後パンクしたJALのB737-800型機のタイヤ】

5.ANA/JAL共同離島事業、九州3社利用キャンペーン 航空券・特産品プレゼント
天草エアラインとオリエンタルエアブリッジ、日本エアコミューターの九州3社と全日本空輸、日本航空の計5社で構成する地域航空サービスアライアンス協議会(EAS Alliance)は1月7日、利用促進の共同キャンペーンを始めた。ANAとJALのマイレージ会員が対象で、抽選で九州3社の往復航空券や地域の特産品などをプレゼントする。2月28日まで。九州3社便を「ANAマイレージクラブ(AMC)」会員はANA便名で、JALの「JALマイレージバンク(JMB)」会員はJAL便名で利用し、ANA・JALそれぞれで応募を受け付ける。A賞は九州3社の往復航空券で1社1路線計3人ずつ、B賞は壱岐産アスパラガスや天草晩柑詰め合わせなどを9人ずつにプレゼントする。対象運賃はマイル積算可能な国内線全運賃。EAS Allianceは2023年10月25日に設立し、活動期間は2028年3月31日までの約4年間。九州3社の機材は仏ATR製のターボプロップ(プロペラ)機で、同型機を運航する地域航空会社の協業促進や、安全基盤の確立と安定運航確保への技術協力のほか、需要喚起や管理業務の効率化などを進めていく。会員は設立5社で、協業できる航空会社は新会員として加入できるようにする。【Aviation wire news】