KIT航空宇宙ニュース2021WK18

スペースX社のクルードラゴンで野口宇宙飛行士無事帰還
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2021WK18
海外のニュース
1.中国が宇宙ステーションをもつ日 – 最初のモジュール「天和」打ち上げ成功
中国国家航天局は2021年4月29日、大型宇宙ステーションの最初のモジュール「天和」の打ち上げに成功した。今後、実験室などのモジュールを続々と打ち上げて結合させ、2022年末までの完成を目指す。さらに、今年5月には補給船の打ち上げ、6月には宇宙飛行士の滞在も予定。中国の有人宇宙活動は新しい段階に入った。「中国宇宙ステーション」は、その名のとおり中国が構築を目指している宇宙ステーションで、宇宙飛行士の長期滞在のほか、宇宙医学、科学実験、技術実験に活用することを目的としている。かつては「天宮」という名前で呼ばれていたが、最近では公式にその名が使われることはなく、単に「中国宇宙ステーション」とのみ呼ばれている。高度約340kmから450km、軌道傾斜角41.5°の軌道で運用され、滞在できる宇宙飛行士は3~6人とされる。設計寿命は最低10年、また宇宙飛行士による適切なメンテナンスを行えば15年はもつという。【マイナビニュース】

【ニューズウィーク提供】

日本のニュース
1.三菱航空機が99%減資
三菱重工業傘下の三菱航空機が、3月に資本金を1350億円から99.6%減資して5億円にしたことが4月29日にわかった。減資により、三菱スペースジェット(旧MRJ)の累積損失の一部を穴埋めした。1350億円の資本準備金もゼロに減らしている。三菱重工は、2020年10月30日にスペースジェットの開発を凍結。5月時点で約1500人いた従業員を数百人まで削減しており、オフィスも県営名古屋空港のターミナルから撤収し、隣接する最終組立工場内に集約している。納期は6度の延期で「2021年度以降」となっているが、開発再開の見通しは立っていない。米国の飛行試験拠点で使用していた4機の飛行試験機も、現地に駐機されたままになっている。【Aviation Wire News】

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2.兼松、ドローン物流で英社と提携 日本での“空飛ぶクルマ”環境構築目指す
兼松と英国のスカイポーツ(Skyports)社は、ドローン物流市場について業務提携を拡大する覚書(MoU)を4月に締結した。両社は現在、eVTOL(電動垂直離陸機)が離着陸する「バーティポート」(Vertiport)インフラ構築で提携しており、同市場にも拡大することで、日本国内でのeVTOLを含めた“空飛ぶクルマ”の導入に向けた環境構築を目指す。日本では2022年度をめどに、ドローンを有人地帯で目視外飛行させる「レベル4」の実現に向け環境整備や技術開発が進んでいる。レベル4の実現により、ドローンによる都市部上空での荷物輸送などが期待できる。また経済産業省と国土交通省は、2023年度の空飛ぶクルマのサービス開始を目指し、議論を進めている。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire 提供】

3.JALが春秋航空日本を子会社化
日本航空は、LCCの春秋航空日本を連結子会社化する方針を固めた。2020年11月に公募増資などで調達した資金のうち、数十億円を出資して6月にも過半数を取得する。新型コロナ後はJALが得意とする出張需要よりも、観光需要やVFR(友人・親族訪問)の回復が早いとの見方から、LCCビジネスの強化を進めており、中国市場の取り込みを目指す。春秋航空日本は、中国最大のLCCである春秋航空の子会社で、2014年8月1日に成田空港を拠点として就航した。今年の夏ダイヤ期間は国内線と国際線を3路線ずつ計6路線運航しており、国内線は成田-札幌(新千歳)、広島、佐賀、国際線は成田-ハルビン、天津、南京の各線を運航しているが、国内線は週1-2往復ずつ、国際線は毎週1往復または隔週1往復と大幅に減便している。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire 提供】

4.ANAとジャムコが787用ひじ開け式トイレドア開発
全日本空輸は4月28日、航空機内装品大手のジャムコと共同開発した非接触性を高めた機内用トイレ(ラバトリー)に改修したボーイング787-8型機を報道関係者に公開した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続く中、トイレで手を洗った後は、ドアのノブなどには触れずに外へ出たいという乗客の要望を実現した。両社によると、ひじで開けられるラバトリーのドアは世界初だという。ANAは国内線に順次導入していく。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire 提供】

5.野口宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから無事帰還
国際宇宙ステーション(ISS)で約半年間の滞在を終えた宇宙飛行士の野口聡一さん(56)が日本時間2日午後4時ごろ、米スペースX社の新型宇宙船クルードラゴンで無事帰還した。帰還カプセルは米フロリダ沖のメキシコ湾に着水し、船上に引き揚げられた。野口さんと同乗の米航空宇宙局(NASA)の飛行士3人は午後4時51分ごろカプセルから搬出された。健康状態のチェックを受け、地球の重力に慣れるためのリハビリに入る。野口さんは2日午前、ISS船長の星出(ほしで)彰彦さん(52)らと抱き合って別れを惜しんだ後、係留中のクルードラゴンに乗り込み、午前9時35分ごろにISSを離脱した。貨物室を切り離した後、帰還カプセルのエンジンを噴射して地球を回る軌道から離れ、大気圏に突入。パラシュートを開いて海上に降りた。【産経新聞ニュース】

【読売新聞提供】