KIT航空宇宙ニュース2021WK32

JALがパイロットのインターンシップをオンライン実施
お知らせ

KIT航空宇宙ニュース2021WK32
海外のニュース
1.DHLが電動貨物機「Alice」12機発注
ドイツの宅配運送会社DHLエクスプレスは、電動航空機を手掛ける米国シアトルを拠点とするスタートアップ企業Eviation社に電動貨物機「Alice eCargo(アリス・イーカーゴ)」を12機発注したと発表した。2024年に引き渡される見込み。Aliceは、パイロット1人で飛行できる完全電動化された航空機で、1200キログラム(2600ポンド)の荷物を運べる。充電時間は飛行時間あたり約30分で、最大航続距離は815キロメートル(440海里)となる。初飛行は今年後半を予定しており、旅客機と貨物機どちらでも製造できるよう設計しているという。航空各社では、2050年までに温室効果ガスの排出量を100%削減する目標を掲げており、DHLグループもCO2(二酸化炭素)削減対策として、2030年までに70億ユーロ(約9060億円)を投資する。米国のユナイテッド航空も、19人乗りの電動航空機を2026年までに就航させる計画を打ち出している。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供:DHLの電動貨物機Aliceの想像図】

2.大韓航空がUAM(都市型空中移動体)研究契約に署名
大韓航空は、仁川国際空港公社(IIAC)および韓国航空宇宙研究院(KARI)と、安全で効率的な都市での空中輸送管理システムを確立するためのアーバンエアモビリティ(UAM)研究開発協力協定を締結した。大韓航空は、民間航空機の運用経験と無人航空機開発の専門知識を持ち、航空保安無線施設と空港の建設・運用能力を備えたIIAC、将来の航空に関する研究能力を備えたKARIとの相乗効果により、国内のUAM産業の発展を目指す。都市のスカイウェイを活用して交通渋滞や環境問題を解決する次の解決策として、UAMの世界市場価値は2040年までに約1.5兆米ドル(約165兆円)に達すると見込まれている。【Flightglobal News】

【大韓航空提供】

日本のニュース
1.羽田空港の搭乗橋、放射冷却素材でひんやり 他空港や病院にも
新型コロナウイルス感染症対策と並び、航空業界で大きなテーマとなっているのが、CO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロ実現だ。政府も2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けたグリーン成長戦略を打ち出している。温暖化対策の一環として、羽田空港のターミナルなどを運営する日本空港ビルデングでは、放射冷却の原理を応用した放射冷却素材「Radi-Cool(ラディクール)」の取り扱いを2020年からスタート。エアコンの設置が難しい場所の室温を下げたり、エアコンの効きをよくして電気代を抑えられるとして、空港内で実証実験後に販売代理店として他空港や病院などに販売している。プロジェクトは2020年6月に始まり、8月を中心に実証実験を実施。夏場に熱がこもる搭乗橋や駐車場の連絡通路、警備員が常駐するガードマンボックスなどで検証したところ、室温が約5度から10度ほど下がった。ラディクールはラディクール・ジャパン社(東京・中央区)が開発。太陽光を反射し、自然現象の熱放射を用いて室内の熱も放射することで、エネルギーを使わずに室温を下げられる。製品は反射型と透明型のフィルム2種類と、塗料タイプの3種類あり、羽田では主にフィルムタイプを検証した。【Aviation Wire News】

【Yahooニュース提供:ラディクールを使った羽田空港の搭乗橋】

2.JALがパイロットのインターンをオンラインで募集
日本航空は、パイロットのインターンシップの募集を8月4日から始める。日程は2日間で、9月から順次オンラインで開催する。自社養成パイロットの業務体験を通じて、パイロットの仕事や航空業界に関する理解を深めてもらう。対象は4年制大学または大学院、高等専門学校(専攻科)の在籍者で、パイロットの仕事やフライトオペレーションを題材として取り上げる。詳細はエントリー後に確認でき、説明会を8月6日と10日、11日にオンラインで開く。実施期間は、9月6日から27日と、10月11日から30日、12月2日から22日の3コースを用意。内容はすべて同じで、複数のコースには参加できない。エントリー期間は実施時期ごとに設定されている。選考方法はウェブでの書類選考と面接を予定している。エントリーはJALのインターンシップサイトから。今回のイベントは、今後の採用とは関係ないという。【Aviation Wire News】

【Aviation Wire提供】