KIT航空宇宙ニュース2023WK27

札幌丘珠空港で路線訓練を続けているトキエアのATR72-600型機。新潟ー丘珠の就航は8月10日へ延期
KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2023WK27

海外のニュース

1.ヴァージンの宇宙船「スペースシップツー」が運航開始 – 初の商業飛行に成功

米宇宙企業のヴァージン・ギャラクティックは2023年6月30日、サブオービタル宇宙船「スペースシップツー」による、初の商業宇宙飛行に成功した。これまでは自社資金による試験飛行を繰り返してきたが、今回初めて、イタリア空軍が顧客となり、運賃の支払いを受けて行われた飛行となった。8月には一般の旅行者を乗せた飛行も予定しており、今後は毎月1回の飛行を予定するなど、宇宙飛行ビジネスを本格化させるとしている。サブオービタル飛行をめぐっては、すでにAmazon創業者ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンも参入しており、いよいよこの分野における競争が本格化することになる。ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)は、実業家のリチャード・ブランソン氏らが立ち上げた米国企業で、サブオービタル飛行のビジネス化を目指している。サブオービタル飛行とは、宇宙の入り口とされる高度80~100kmまで到達したのち、すぐに降下して帰ってくるような宇宙飛行のことである。地球の軌道に乗る宇宙飛行とは異なり、宇宙空間にいられるのはわずか数分間だが、窓から青い地球や黒い宇宙空間を眺めることができ、船内は微小重力(いわゆる無重力)状態にもなるため、宇宙旅行を手軽に実現できる方法として注目されている。また、微小重力環境を生かした実験や、天体観測といった科学研究の需要も見込まれているほか、都市間を結ぶ超音速旅客機(2地点間輸送機)としての使い道も考えられている。【マイナビニュース】

【Yahooニュース提供:Virgin・Galacticの宇宙船(想像図)】

2.エアバスの「明日の翼」が英国フィルトンの新施設で構造試験実施

エアバスは、将来の翼の研究に特化した新しい施設をフィルトンの英国拠点に開設するにあたり、技術的取り組みの一環として実験翼の破壊試験を実施する準備を進めている。翼技術開発センターとして知られるこの施設は、エアバスの「明日の翼」プログラムを含むさまざまな航空宇宙プロジェクトのデモンストレーターの構築とテストを実施するためのものです。Wing of Tomorrow「明日の翼」 は、性能と燃料効率を向上させるために、より広いスパンとより高いアスペクト比を備えた軽量の低抗力翼に組み込むことができるさまざまな新技術を採用している。また、そのような技術が十分に低コストで導入され、航空機製造の高速化に適用できるかどうかを判断することも目指している。エアバスの「明日の翼」の責任者スー・パートリッジ氏は、同施設の正式オープンに先立つ7月3日のフィルトンでの会見で、同センターは次世代翼技術に焦点を当て、同施設の広範なエンジニアリングと試験作業を「活用」すると述べた。「これはエンドツーエンドの機能を統合したものです」と言い、このセンターは「研究を実用化するのに役立つ」と付け加えた。【Flightglobal News】

【エアバス提供:試験施設に運び込まれたエアバスが開発中の「明日の翼」】

日本のニュース

1. ANAウイングス、パイロット初のインターン 9月に2コース

ANAホールディングス傘下で地方路線を担うANAウイングスは7月6日、運航乗務職掌(自社養成パイロット)のインターンシップを初めて開催すると発表した。9月に2コース、4日間ずつ開催する。エントリー期間は7月15日から26日まで。同社の採用ページで受け付ける。学生(学年・学部不問)と既卒・社会人を対象とし、セミナーやシミュレーター体験などにより、パイロットの業務内容について知る機会を提供する。日程は9月2日の2コース共通でのオンライン開催後、Aコースは8日から10日まで、Bコースは16日から18日まで、それぞれ羽田空港で開く。ANAウイングスは2019年度から、自社養成パイロットの採用を開始。全日本空輸グループの事業拡大と、パイロットの安定的な養成を図っている。【Aviation wire news】

2. JAL、ビジネスコンテストで協業企業募集 9月に最終選考

日本航空は7月3日、社外向けビジネスコンテスト「JAL Wingman Project(JALウイングマンプロジェクト)」を開催すると発表した。JALグループと協業するパートナーをコンテスト形式で募る。コンテストのテーマは「より良い社会を目指し、社会に価値を生む新規事業を共に生み出す」。JALが持つ人・モノ・ノウハウ・場所などを活用し、コンテストで最優秀賞に選出されたパートナーとJALが主に非航空事業で連携していく。応募と書類提出は7月31日までで、書類による1次選考を8月上旬から中旬、対面面接の2次を8月21日と22日、最終選考を9月13日に実施。協業期間は10月1日から2024年3月31日までの半年間となる。最終選考(ピッチコンテスト)に残った企業の中から、最優秀賞と審査員賞を選ぶ。副賞として、最優秀賞の企業には、協業や期間中に実施する実証実験などの費用支援として最大1000万円(人件費除く)を用意し、航空券も支援する。審査員賞の場合は国内航空券3往復分で、利用制限がある。応募資格や必要書類の詳細などは同社ウェブサイトに掲載している。【Aviation wire news】

【JAL提供】

3. ANAエアラインスクール、10月に4年ぶり再開 東京・大阪、CA採用で

ANAホールディングス傘下のANAビジネスソリューションは7月3日、現役客室乗務員(CA)が講師を務める「ANAエアラインスクール」を約4年ぶりに再開すると発表した。全日本空輸グループの採用再開に伴うもので、10月にCAコースを開講し、他業種コースも順次開講する。申し込みは7月18日から、スクールのウェブサイトで受け付ける。東京校は10月4日に開講し、定員は48人。申し込みは9月20日まで受け付ける。大阪校は10月10日に開講し、定員は22人。9月27日まで受け付ける。いずれも定員になり次第締め切る。ANAは7月3日に、客室乗務職とグローバルスタッフ職(旧総合職)のキャリア採用をスタート。客室乗務職のキャリア採用は4年ぶりの再開となった。【Aviation wire news】

【Yahooニュース提供:ANAエアラインスクールの映像】

4.ANA、学生対象の企業紹介セミナー グループ28社参加、オンラインで7/29・30

全日本空輸グループは7月3日、学生を対象としたオンラインの企業紹介セミナーを開くと発表した。夏休み中の29日と30日に、グループ28社が参加する。「ANA Group Summer Open Company」と題したセミナーで、グループ中核のANA本体のほか、整備や空港地上支援、セールス、コンタクトセンター、ケータリングなど各社の社員が、自社の業務や仕事のやりがいなどを紹介する。参加社は日にちにより異なる。参加できるのは7月末時点で高校・航空専門学校・高等専門学校・専門学校・短期大学・大学・大学院に在籍中の人。学年や学部は問わない。ANAの特設ページで、7月27日午後3時まで受け付ける。ANAは7月3日に、客室乗務職とグローバルスタッフ職(旧総合職)のキャリア採用をスタート。客室乗務職のキャリア採用は4年ぶりの再開となった。また、ANAグループのANAビジネスソリューションは10月に、現役客室乗務員(CA)が講師を務める「ANAエアラインスクール」を約4年ぶりに再開させる。【Aviation wire news】

5. トキエア、丘珠空港で安全運航の説明イベント 7/8-9開催

新潟空港を拠点に就航を目指すトキエアは、安全運航に対する取り組みを説明するイベントを7月8日と9日に丘珠空港で開く。同社の社員が来場者に説明する。場所は丘珠空港2階の札幌いま・むかし探検ひろば。時間は両日とも午前11時から午後6時まで。トキエアは1路線目の新潟-札幌(丘珠)線を6月30日に開設する予定だったが、就航を延期し現在は8月10日を予定している。機材は仏ATR製ATR72-600型機(1クラス72席)を使用する。【Aviation wire news】

【Yahooニュース提供:札幌丘珠空港で路線訓練を実施中のトキエアのATR72-600型機】

6.  JAL、就活のグループ面接対策講座 エアラインスクールが新設

日本航空は7月7日、現役の客室乗務員(CA)などが講師を務める「JALエアラインスクール」の新講座「面接トレーニング」の販売を始めた。就職活動の面接対策講座で、2人対1人のグループ面接を想定。オリエンテーションとグループ面接、面接官役からのフィードバックで構成し、ビデオ会議システム「Zoom」を使用して実施する。対象は新卒、既卒を問わず就職活動を控えている人。講師はJAL社員が務める。日程は7月14日、16日、31日、8月22日、23日で、1回40分間。7月は1日あたり最大6回開く。定員は各回2人で、受講料は税込1人8800円となる。申し込みは同スクールのウェブサイトから。【Aviation wire news】

7.  JAL業務企画職のインターン募集 総合・数理IT・整備の3プログラム

日本航空は7月7日、業務企画職のインターンシップの募集を開始すると発表した。総合体験と数理・IT実践、エアラインエンジニアの3プログラムを用意する。日程は参加希望プログラムにより異なる。業務体験を通じ、航空業界などへの理解を深めてもらう。エントリーはJALのインターンシップサイトで、同日から受け付ける。締め切りはプログラムにより異なり、総合体験と数理・IT実践は8月1日、エアラインエンジニアは7月23日。3プログラムとも4年制大学か大学院、高等専門学校専攻科在籍中の人を対象とし、学年と文系・理系は問わない。【Aviation wire news】