KIT航空宇宙ニュース2023WK38

KIT航空宇宙ニュース

KIT航空宇宙ニュース2023WK38

海外のニュース

1.エアバス、ZeroAviaに投資、認証取得への協力を目指す

エアバスは、水素電気推進装置の開発者であるZeroAvia(ゼロアビア)と、水素を使用する電力システムの認証取得への取り組みについて協力し、水素燃料供給業務や燃料電池試験などの技術分野で協力する予定である。ゼロアビアは、エアバスが他のいくつかの企業とともに、水素燃料電池パワートレインを開発している同社の新たな資金調達に参加する中で提携を明らかにした。同社は、投資協力により、202年の就航を目指す最初のパワートレインZA600の認証を促進することができると述べている。このパワープラントは最大20席の航空機用に設計されており、ドルニエ228機を使ってテストが行​​われている。ゼロアビアは、より大型のパワートレイン「ZA2000」も開発中で、資金調達に参加している企業の1つであるアラスカ航空が供給するデ・ハビランド・ダッシュ8-400でテストすることを目指している。エアバスは、2035年までの就航を目指し、独自の水素燃料航空機プログラム「ZEROe」を推進している。【Flightglobal News】

【ZeroAvia提供:テスト飛行中のドルニエ228】

2.VoltAeroが100%持続可能な燃料を使用した電気ハイブリッド航空機の世界初の飛行に成功

航空業界初として、VoltAero は、Total Energies が提供する100%持続可能な燃料を使用して、Cassioシリーズの航空機に独自の電気ハイブリッド・パワートレインを搭載し飛行を成功させた。フランスのロワイヤンにあるVoltAeroの開発施設から実施されたこの試験飛行は、ハイブリッド・パワートレインの電気モードと、フランスのブドウ畑から出る廃棄物から生成されたバイオエタノールから作られたTotal EnergiesのExcellium Racing 100を燃料とする内燃エンジンモードとのハイブリッドで行われた。「初期の結果に基づいて、Cassioのパワートレインを電気ハイブリッドモードで、Total Energies社のExcellium Racing 100を燃料とする内燃機関で動作させた場合、約80パーセントという実に驚くべきCO2削減効果が得られると計算しました。」とVoltAeroのCEO、ジャン・ボッティ氏は述べています。Excellium Racing 100 燃料は、有名なル・マン24時間耐久スポーツカー レースを含む特定の自動車競技会で2022年から使用されていて、ワイン製造廃棄物から作られており、化石燃料と比較した場合、ライフサイクル全体で CO 2排出量を少なくとも65%削減できる。【Flightglobal News】

【Flightglobal提供:VoltAero社のハイブリッド・パワートレインを搭載したTest Bed機】

日本のニュース

1.JAL、米APEXから最高評価3年連続 日系唯一、サービス品質や持続可能性

日本航空は9月22日、米国の非営利団体APEX(The Airline Passenger Experience Association)が認定する最上級カテゴリーの「WORLD CLASS」を3年連続で受賞したと発表した。サービス品質や安全性、健康管理などを包括的に評価するもので、今回受賞した8社中唯一の日系航空会社となった。また、身体的・精神的・社会的に健康な「ウェルビーイング」への取り組みが最も優れている航空会社に贈られる「Best-in-Class in Safety and Well-Being」も同時に受賞した。APEXが認定する「WORLD CLASS」は、コロナ後の航空会社の評価指標として2021年に新設。専門家の搭乗監査と利用客からの評価で認定する。評価軸は「サステナビリティ(持続可能性)」「安全・安心とウェルビーイング」「サービス品質」の3つで、旅客にとって単なる移動ではなく安全や健康、持続可能であるものかどうかが評価ポイントとなる。JALは2021-2025年度の中期経営計画で、ESG(環境・社会・企業統治)戦略を経営の軸に据えている。サステナビリティではエアバスA350型機を中心とした燃料効率の高い機材の導入や機内での使い捨てプラスチックの削減など、ウェルビーイングではラバトリー(化粧室)の清潔さなど、サービス品質では客室乗務員の接客などが評価された。【Aviation wire news】

2.ホンダ、国産SAF有志団体「ACT FOR SKY」加盟

日本航空は9月22日、米国の非営利団体APEX(The Airline Passenger Experience Association)が認定する最上級カテゴリーの「WORLD CLASS」を3年連続で受賞したと発表した。サービス品質や安全性、健康管理などを包括的に評価するもので、今回受賞した8社中唯一の日系航空会社となった。また、身体的・精神的・社会的に健康な「ウェルビーイング」への取り組みが最も優れている航空会社に贈られる「Best-in-Class in Safety and Well-Being」も同時に受賞した。APEXが認定する「WORLD CLASS」は、コロナ後の航空会社の評価指標として2021年に新設。専門家の搭乗監査と利用客からの評価で認定する。評価軸は「サステナビリティ(持続可能性)」「安全・安心とウェルビーイング」「サービス品質」の3つで、旅客にとって単なる移動ではなく安全や健康、持続可能であるものかどうかが評価ポイントとなる。JALは2021-2025年度の中期経営計画で、ESG(環境・社会・企業統治)戦略を経営の軸に据えている。サステナビリティではエアバスA350型機を中心とした燃料効率の高い機材の導入や機内での使い捨てプラスチックの削減など、ウェルビーイングではラバトリー(化粧室)の清潔さなど、サービス品質では客室乗務員の接客などが評価された。【Aviation wire news】

本田技研工業(7267)は、代替航空燃料「SAF(サフ)」の国産化などを目指す有志団体「ACT FOR SKY(アクトフォースカイ)」に加盟した。ACT FOR SKYは、日揮ホールディングス(1963)とレボインターナショナル(京都市)、全日本空輸、日本航空が中核となり、2022年3月に設立。国産SAFの商用化や普及、拡大に取り組む有志団体で、米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」を手掛けるホンダは8月に加盟し、今後は参加企業との連携や普及活動を強化していくという。SAFの国産化を巡る動きでは、日揮HDとコスモ石油、レボの3社が廃食用油を原料とした国産SAFの製造や供給事業を手掛けるSAFFAIRE SKY ENERGY(サファイアスカイエナジー、横浜市)を2022年11月に設立。コスモ石油の堺製油所内に日本初となる国産SAFの大規模生産プラントを建設中で、2024年度下期から2025年度初頭の生産開始を目指す。SAF製造能力は、年間約3万キロリットルを計画している。国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)は、CO2(二酸化炭素)排出実質ゼロを2050年までに実現する目標を掲げている。世界の航空会社や機体メーカーなどが加盟するIATA(国際航空運送協会)によると、世界の再生可能燃料の生産量は2028年までに少なくとも690億リットル(5500万トン)に達する見通しで、2030年には1000億リットル(8000万トン)も視野に入るという。このうち30%をSAFでまかなうとすると、世界のSAFの生産量は2030年までに300億リットル(2400万トン)となる見込み。【Aviation wire news】

3.スカイマーク、就航25周年 “第三極”存在感アピール

スカイマークは9月19日、就航25周年を迎えた。羽田空港で記念式典を開催し、同社の洞駿(ほら・はやお)社長らが25年前の1路線目となった福岡行きの利用客に記念品を配り、謝意を示した。洞社長は記念式典で、同社が就航した1998年当時の日本の航空市場を、日本航空と全日本空輸、旧日本エアシステムの大手3社が独占していたと振り返り、「(スカイマークの)新規参入により競争を促進し、航空政策の大転換となった。その後、LCCの参入などにより航空が身近なものになった」と述べ、大手とは異なる“第三極”としての存在感をアピールした。25年間は経営破綻や新型コロナなどで「苦難の連続」(洞社長)だった。洞社長は25周年を再スタートと位置付け、気持ち新たに頑張っていきたいと語った。運輸省(現・国土交通省)出身で航空局長などを歴任した洞社長は、スカイマークの誕生を行政側から見ていた。当時、スカイマークの運賃は大手の半額で、就航直後は大手が競合便の運賃をスカイマークを下回る金額に下げたことなどから、「上手くやっていけるのかな」と思っていたという。「いばらの道だったが、誕生のときから動向を注視してきた1人としては感無量」と述べた。【Aviation wire news】

【Aviation Wire提供:真中がスカイマーク洞社長】