KIT航空宇宙ニュース2024WK06

1月5日に起きたアラスカ航空737 Max 9の非常口ドアが飛行中脱落する事故で、NTSBが2月6日に発表した暫定報告書に示された同機の左側中央客室非常口ドアプラグと機体の胴体へ固定するボルトが差し込まれていなかったことを示した写真
KIT航空宇宙ニュース

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海外のニュース

1.Alaska航空Max 9のドアプラグを固定するための4本のボルトが欠落していた: NTSB

1月にアラスカ航空のボーイング737 Max 9で起きた非常口ドアが飛行中脱落する事故で、ドアプラグを固定するための4本のボルトが、ドアプラグが脱落した時点で紛失しており、急速な減圧を引き起こしたものと思われる。これは国家運輸安全委員会(NTSB)が2月6日に発表した暫定報告書によると、同機の左側中央客室非常口ドアプラグと機体の胴体への損傷は、ボルトが差し込まれていなかったことを示しているとしている。NTSBはまた、ジェット機の引き渡し前にボーイングのレントン工場で撮影された、ドアプラグがボルトなしで閉まっている様子を示す写真も入手した。NTSBの報告書には、「プラグの上方への動きを阻止する4本のボルトが、プラグがストップパッドから上方へ移動する前に紛失していた」と記載されている。プラグはアルミニウム製で、2つの上部ガイドフィッティングと 2つの下部ヒンジフィッティングでMax 9の機体に4本のボルトで胴体に固定している。この事故は、1月5日にポートランドを離陸し、カリフォルニア州オンタリオに向かうアラスカ航空1282便で発生。上昇中、高度約16,000フィートでプラグが吹き飛び、急激な減圧を引き起こした。パイロットはポートランドに戻り、無事に着陸した。NTSBによると、乗客7名と客室乗務員1名が軽傷を負った。【Flightglobal news】

【NTSB提供:ボーイング社レントン工場でのドアプラグにボルトが取付けられていない写真】

日本のニュース

1.ANA新ブランドAirJapan初便就航

ANAホールディングス傘下のエアージャパンは2月9日、新ブランド「AirJapan」の1路線目となる成田-バンコク(スワンナプーム)線を開設した。当初は週6往復で、4月30日から週7往復(1日1往復)のデイリー運航に増便する。アジアからのインバウンド(訪日客)がメインターゲットとなる。AirJapanは、FSC(フルサービス航空会社)のANA、LCC(低コスト航空会社)のピーチ・アビエーションに続くANAグループ第3のブランド。アジア・リゾート路線をグループ内で担う現在のエアージャパンを、FSCとLCCの長所を併せ持つ“いいとこ取り”の航空会社に衣替えした。9日に成田空港で開かれた式典で、エアージャパンの峯口秀喜社長は「一番の売りである座席の広さを含め、快適性をご堪能いただきたい」とあいさつした。1路線目のバンコク線を開設後、2路線目の成田-ソウル(仁川)線を週5往復で22日に、3路線目の成田-シンガポール線を週5往復で4月26日に就航させる。4月29日からはソウル線を、30日からバンコク線をそれぞれ週7往復に増便する。機材はボーイング787-8型機で、座席数は1クラス324席となる。ブランドコンセプトは「Fly Thoughtful」。気遣いや思いやり、やさしさといった意味を込めた。日本のエアラインであることや、日本品質を伝えるためこのブランド名にしたという。ブランドカラーは「藍色」と「曙色」の組み合わせで、藍(色は藍染めから「丁寧な技法」、曙色は春の日の出の色として「心地よい暖かさ」を表現した。【Aviation wire news】

【Aviation wire提供:成田発バンコク行き初便を見送るエアージャパン空港職員】

2.国交省、人手不足のパイロット・整備士確保へ初会合

国土交通省航空局(JCAB)は2月7日、航空業界で課題となっているパイロットと整備士の人材確保に向けて、有識者会議「航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会」の初会合を開いた。人材確保などの対策を議論する。検討会の座長は、東京大学大学院工学系研究科の李家賢一教授が務め、慶應義塾大学理工学部の松尾亜紀子教授、公益社団法人・日本航空技術協会(JAEA)、公社・日本航空機操縦士協会(JAPA)、一社・全日本航空事業連合会、定期航空協会(定航協)、中日本航空専門学校が出席する。航空局の北澤歩安全部長は「整備士はコロナ禍以降、専門学校の入学者が大幅に減少し、高齢化で今後大量退職が見込まれているなど、より一層厳しい状況にある。操縦士は今後の需要拡大の中で確実に養成を増やしていく必要があり、世界的な獲得競争の激化などもある。この10年で訪日外国人の増加、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による航空業界志望者の減少など、航空業界を取り巻く環境が大きく変化しており、早期に対策を講じることが重要だ」とあいさつした。李家氏は「コロナの影響で航空業界は大きく状況が変わった。状況の変化と将来の航空需要をにらんで整備士、操縦士の人材確保、活用を考えなければいけない時期が来た」として、委員に活発な議論を求めた。一方で、海外の航空会社などで働くパイロットや整備士の中には、待遇面の大きな開きに加えて、これまで世界基準に遅れをとってきた日本の航空行政のあり方に失望し、海を渡った人も多い。有識者や業界団体だけでなく、第一線で働く国内外のパイロットや整備士がどういった問題意識を持ち、アイデアを持っているのかなどにも耳を傾ける必要性が、グローバル化する人材獲得競争の中で高まっているといえる。航空局内でもこうした現状に危機感を抱く幹部もおり、世界が注目する1月の羽田空港衝突事故の対策や原因究明なども、世界基準に基づいたものを打ち出せるかが、海外への人材流出を防ぐ上でもカギになる。【Aviation wire news】

3.中部空港でビジネスジェット整備 丸紅と新明和、新会社設立

丸紅子会社の丸紅エアロスペースと新明和工業は2月6日、中部国際空港でビジネスジェット(BJ)の整備事業を開始すると発表した。両社で新会社「JAMS(ジャムス)」を月内に設立し、4月から事業を始める。BJ市場は訪日客やビジネス需要の高まりを受け成長が期待されており、新会社により既存・潜在需要の掘り起こしを狙う。新会社は、丸紅エアロスペースのBJ分野での知見と新明和の機体製造・整備分野での経験を組み合わせ、機体整備や整備管理、技術支援を提供する。BJを保有する個人・法人や国内外の運航管理会社から整備を受託し、定期整備のほか、突発的な不具合が発生した場合の「AOG整備」にも対応する。対象機材はガルフストリームG650ERなどの大型BJのほか、中型機のセスナ・サイテーションシリーズ、小型機の「HondaJet(ホンダジェット)」で、中部空港の格納庫で整備する。整備作業はJCAB(国土交通省航空局)かFAA(米国連邦航空局)のライセンスを保有する整備士が担う。新会社は本社を東京・有楽町に置き、中部空港内に「中部事業所」を設ける。新会社には丸紅エアロスペースと新明和の2社が50%ずつ出資し、出資額は非公表。社長には丸紅出身の西川博貴氏が、副社長には新明和出身の藤本記永氏がそれぞれ就任する。JCABによると、国内のBJ発着回数は2022年に1万7763回となり、コロナ前の2019年(1万7525回)を上回っている。このうち最も多いのは羽田空港で3228回。中部空港と県営名古屋空港(小牧)を合わせた「中部圏」は羽田に次ぐ実績で、1410回となった。JAMSの西川社長はBJ整備の現状について、羽田空港は飛来数が多いもののBJ用の格納庫を設置できないこと、近隣の成田空港は24時間運用できないと説明。中部空港は格納庫の設置が可能なことや、24時間運用できる優位性があることから拠点とするとした。【Aviation wire news】

【Aviation wire提供:新会社設立調印式(一番左がJAMS藤本副社長、二番目JAMS西川社長)】

4.ORC、CA募集 福岡勤務で6月以降入社

オリエンタルエアブリッジは、客室乗務員を募集している。入社日は6月以降の会社が指定する日で、応募書類は3月3日必着。勤務地は福岡空港で、人数は若干名。短大卒業以上と同等の学力、矯正視力1.0以上などが応募条件となる。1年更新の契約社員として採用。訓練期間中は訓練生として契約し、訓練合格後に客室乗務員として契約する。1回目の契約満了後、正社員として採用する制度もある。応募方法は、履歴書を3月3日必着で電子メールか郵送で提出する。選考スケジュールは、書類選考が3月中旬、1次面接と適性検査が3月中旬から下旬、最終面接は4月中旬を予定。書類選考の通過者のみ、3月中旬までに1次選考の案内を電子メールで送付する。【Aviation wire news】